最後の浄土
作者:ワナカキヨシ
撮影場所:新疆維吾爾(ウイグル)自治區(qū)の喀納斯(カナス)
喀納斯(カナス)は中國の西北、北はロシア、東はモンゴル、西はカザフスタンと國境を接し、アルタイ山脈に抱かれてトゥバ族やカザフ族が自然と共生して暮らす「最後の浄土」と呼ばれる秘境です。カナスは蒙古語で“豊饒の美しさと深遠な神秘”の地という。カナス湖を見下ろす山に登れば、雲(yún)がたなびくアルタイの山が見え、花と緑の中に身を置けば人生の悩みは些細なことと思えてくる、カナスは訪れる人の心を癒す浄土でした。カナス湖の水はロシアのゴビ川を経て北極海に注いでいます。
朝早く、カナス湖を見下ろす山に登ると、トゥバ族がゆっくりと高原で馬を走らせ、夜明けとともに霧の中からカナス湖が現(xiàn)れました。カナスは森と草原と湖、川が緑を競い、エメラルドグリーンに囲まれた地でした。
喀納斯禾木(カナスフム)村はアルタイの山々に囲まれモンゴル系のトゥバ族やカザフ族が暮らす浄土の村でした。トゥバ族は馬に乗っても羊の群れには道をゆずりゆっくり走ると言われます?;黏人仙瘠问冥辘猡韦趣筏瞥鐠叅贰⒋à扦仙眢wを洗わず洗濯もせず、トゥバ族の家に招かれると出されたものを素直に感謝でいただくことが大切といわれます。
朝早くフム村が一望できる丘に登りました。
朝食の支度で家々から立ち上る煙は大自然に抱かれて暮らす人々の溫もりが感じられ、その煙を見るために真冬にフム村を訪れる旅人も多くいます。村の中をアルタイの雪解け水が勢いよくながれ、水辺を散策すると白樺林の中で馬や牛が草を食んでいました。
村の家はシベリア杉だろうか丸太で建てられています。雑貨を売る小さなお店の軒下でカザフ族と思われる女性が編み物をしていました。その向こうには村を見守るように聳えるアルタイの山が見えました。その穏やかな風景こそ禾木(フム)が浄土の村と言われる由縁ではないでしょうか。禾木村は白樺と丸太の家が似合う村でした。