中國の語言文學雑誌「咬文嚼字」編集部が、読者からの応募、ネットユーザーによる投票、専門家とメディアによる選出を経て、毎年選出しているその年の「流行語トップ10」。今年も12月4日に上海で「2023年流行語トップ10」が発表された。ここではその中から一部をピックアップし、「イラストで知ろう!イマドキ中國」のキャラたちが流行語にまつわるアレコレを5回シリーズで紹介する。人民網(wǎng)が伝えた。
2回目は「特種兵式旅游(特殊部隊式旅行)」。今年の春先に若者の間で話題を集めたのがこの旅行スタイル。時間や費用をあまりかけずに、できるだけ多くの観光スポットを巡ることを目的とした旅行スタイルで、時間を短縮するためにギリギリのスケジュールを組み、宿泊費を抑えるため夜行列車を利用したり、24時間営業(yè)のレストランや中には駅舎で野宿という人も!このようなハードさが、まるで特殊部隊が次々と過酷な任務(wù)を遂行しているようであることから「特殊部隊式旅行」というワードが誕生した。
ただ費用を極力抑えた旅行としては、これまでも「窮游(貧乏旅行)」というワードがあった。この「特殊部隊式旅行」は費用面での過酷さよりも、「少ない時間でより多くの場所を観光」をより重視しているようだ。そして今の若者の流行の特徴として、実際に旅行すること以上に大事なのが「その成果をネットに投稿すること」だ。観光地での寫真撮影は、旅行先の思い出を振り返ったり、訪れた記念として寫真を撮影したりするというよりは、「その場所に行ったことをネットに投稿するため」という傾向がより強い。
それをより如実に示しているのが観光スポットなどに行くことを意味する中國語として使われている「打卡」というワードだろう。このワードはもともとは「出退勤のタイムカードを押す」という意味から派生しており、観光地を訪れること自體、彼らにとっては、出退勤の時間を証明するためにタイムカードを押すように、一種の証明なのだと言えるかもしれない。
実際、「特殊部隊式旅行」に関連する投稿を見てみると、大量のチケットを撮影して行った場所の多さを誇る人、時間入りの寫真でいつ、どこに到達したかを強調(diào)している人、そして地元名物のグルメを手にした寫真を投稿している人などがほとんどだ。これらの投稿からこの種の旅行スタイルは「何を楽しみ、どう感じたか」よりも、「とにかくこの場所に行ったこと」をより重視していることが見てとれる。
一方で夏以降に流行った「シティウォーク」は「都市を気ままにゆっくりぶらぶらと歩く」という「特殊部隊式」とは真逆のスタイル。これは、コロナ明けからの自由な旅行が本格的になり始めた春先には「まず、とにかく、たくさん、色々な場所へ!」という一種のハイな狀態(tài)になり、その後は「旅先をもっと深く知りたい」と思うようになった若者たちの嗜好の変化をある程度反映しているのかもしれない(文?イラスト?玄番登史江)。
イラストで知ろう!イマドキ中國
人民網(wǎng)ではもっと身近なスタイルで今どきの中國を読者の皆さんに知ってもらうため、「つるにはまるまるむし爺さん」と「へのへのもへ郎」、「へめへめくつ美」の3人が流行語やカルチャー、時事問題など幅広いジャンルにおける「イマドキ」を紹介。中國ってこんな國なんだ!と興味を抱き、理解を深めるきっかけにしてみてください。
「人民網(wǎng)日本語版」2023年12月12日
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