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若者の「語(yǔ)彙力不足」の原因とは?

人民網(wǎng)日本語(yǔ)版 2024年03月04日10:57

春節(jié)(舊正月、今年は2月10日)期間中に家族で集まった際、00後(2000年以降生まれ)の李思超さんは家族からみんなに挨拶するように言われて、たちまち頭が真っ白になってしまった。言いたいことはたくさんあったにもかかわらず、しどろもどろになり、うまく言葉にならなかったという。中國(guó)青年報(bào)が報(bào)じた。

李思超さんのケースは決して特別ではなく、今年の春節(jié)期間中、多くの若者が、親戚や友達(dá)と會(huì)っても何を話していいのか分からず、新年の挨拶はコピペで済ましたといったように、自分の「語(yǔ)彙力不足」を感じていた。

暨南大學(xué)?中國(guó)語(yǔ)學(xué)科の鄭煥釗準(zhǔn)教授は、「一部の若者の言語(yǔ)化能力と文章力が低下していることは、インターネット時(shí)代特有のネット用語(yǔ)やステッカーなどを使わないと、うまく言語(yǔ)化や文章にできない『文字失語(yǔ)』という現(xiàn)実的な問(wèn)題を反映していると言える。インターネット技術(shù)により、生活はより便利になったが、人々の思考パターンや価値観、表現(xiàn)方法などにおいても大きな影響が出ている」との見方を示している。

若者の47.1%が「語(yǔ)彙力が乏しく、表現(xiàn)方法がワンパターン」

北京市に住む95後(1995-99年生まれ)の張然さんは、就職して初めての業(yè)務(wù)報(bào)告で発表をした時(shí)のことが忘れられないという。事前にきちんと準(zhǔn)備をしていたにもかかわらず、実際に発表する時(shí)になって頭が真っ白になってしまい、その考えをきちんと言葉で表現(xiàn)することができなかったからだ。

浙江省杭州市で働く90後(1990年代生まれ)の劉源さんは、「自分の言語(yǔ)化能力が低下しているだけでなく、文章力も低下した。業(yè)務(wù)上、文章を書いて提出しなければいけない時(shí)があるが、毎回なかなか書きあげることができず、時(shí)間がかかってしまう」と話す。

調(diào)査では、回答した若者の53.3%が「ここ數(shù)年、言語(yǔ)化能力と文章力が低下した」とし、47.1%が「語(yǔ)彙數(shù)が乏しく、表現(xiàn)方法がワンパターン」、43.2%が「手書きする機(jī)會(huì)が減った」、41.5%が「自分の考えをうまく表現(xiàn)する言葉が見つからなかったことがある」と答えた。

「言葉の欠如は、精神的な欠乏が原因」

劉源さんは、「スマホが生活の一部になり、ネット上で交流することがどんどん習(xí)慣化している。それに、メッセージやステッカーを送ることがほとんどで、電話さえかけることはあまりないので、會(huì)話して交流する機(jī)會(huì)も減った。インターネットがこれまでの會(huì)話や字を書くスタイルを変えたほか、入力方法もとても簡(jiǎn)単になっている。例えば、詩(shī)の一句を書こうとした場(chǎng)合、これまでなら全てのフレーズを暗記していなければ入力できなかったが、今は予測(cè)入力のおかげで、最初の數(shù)文字を入力しただけで、殘り全てが表示される。インターネット技術(shù)が進(jìn)歩して便利になったが、何かを覚えたり、考えたりすることが少なくなってしまった」としている。

「語(yǔ)彙力不足」が生じている原因について、調(diào)査では、「読書量の少なさによる表現(xiàn)力の低下」が最多で54.0%だった。以下、「ネット用語(yǔ)やステッカーへの過(guò)度な依存による創(chuàng)造力の欠如」(53.0%)、「斷片化された情報(bào)の閲覧が整合性のある思考を難しくしている」(52.1%)と続いた。また、「オフラインで顔と顔を合わせて會(huì)話?交流する機(jī)會(huì)の減少」(47.6%)、「『短く、簡(jiǎn)単で、素早い』表現(xiàn)方法の流行」(34.4%)、「生活のリズムが速く、じっくり考える時(shí)間がない」(33.1%)、「誰(shuí)かと交流したいという意欲が低下し、自分の気持ちを話したいとは思わない」(17.6%)などもあった。

鄭準(zhǔn)教授は、「一部の若者は、現(xiàn)実の生活において孤獨(dú)を感じたり、自分は『コミュ障』であると感じたりしているため、バーチャル世界での交流に一層のめり込む傾向が見られる。オンラインでは、ネット上で流行しているフレーズや用語(yǔ)、ステッカーなどが若者にとって共通の言語(yǔ)となっている。しかし、このようなスタイルは規(guī)範(fàn)的で、論理的、きちんと文章化された表現(xiàn)方法にとって逆風(fēng)となり、さらには言語(yǔ)化能力に必要となる思考パターンにも大きな影響を與えている。そして、若者の精神世界の深さと幅広さにも一定の影響を與えている」との見方を示している。

「表現(xiàn)力」を取り戻すにはどうしたらいいのか?

最初の業(yè)務(wù)報(bào)告の発表で、しどろもどろになってしまったことで、自身の表現(xiàn)力を高めなければいけないと思うようになった張然さんは、報(bào)告が必要な時(shí)は毎回、スラスラと話せるようになるまで事前に何度も練習(xí)するようになったといい、「普段から仕事に関係のある本を読んで、専門知識(shí)を蓄積している。そうすることで、より専門的に、自信をもって話すことができるから」としている。

李思超さんは、「書面と口頭での表現(xiàn)方法は全く異なるので、読書量を増やすだけでなく、人との交流も増やしている。相手が理解できるように表現(xiàn)する能力はとても重要だと思う」と話す。

劉源さんは、「インターネット時(shí)代において、自分で考えることはとても重要。普段の生活において、社會(huì)ニュースに注目し、話題になっているニュースはその情報(bào)を集め、その原因と結(jié)果を調(diào)べ、論理的に思考する能力と理性的に言語(yǔ)化する能力を高めるようにしている」と話す。

調(diào)査では、「語(yǔ)彙力不足」への対処方法について、回答した若者の58.4%が「読書量を増やし、自分の知識(shí)レベルを向上」、57.5%が「自分で考えることを重視し、論理的な思考能力を向上」、55.7%が「斷片化された情報(bào)や、手早く必要な情報(bào)だけを手に入れる習(xí)慣を改める」と答えた。また「オフラインでの顔と顔を合わせる交流を増やし、表現(xiàn)スキルを向上」(46.9%)、「表現(xiàn)力に関する教育を重視し、表現(xiàn)力を向上」(39.5%)、「ネット流行語(yǔ)をよく考えて使用するようにする」(20.3%)などの回答もあった。

鄭準(zhǔn)教授は、「若者が『語(yǔ)彙力不足』から抜け出すためのサポートとしては、インターネットの言語(yǔ)環(huán)境を改善することから始める必要がある。まず、ネット上のコンテンツのクオリティを高めること。特に使用言語(yǔ)の正確さと多様さ、美しさを強(qiáng)化し、クオリティに優(yōu)れた新たなコンテンツの名作を作り上げる必要がある。また、各種インターネットメディアが言葉や文字による表現(xiàn)を規(guī)範(fàn)化し、文化や審美眼の面でリードする責(zé)任を果たすよう導(dǎo)いていく必要がある。さらに學(xué)校や家庭は、青少年が名作を読むことを一層重視し、若い世代の表現(xiàn)力と思考力を高めていく必要がある」との見方を示した。(編集KN)

「人民網(wǎng)日本語(yǔ)版」2024年3月4日

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