襄陽古城壁

　襄陽城は湖北省北西部、漢水の中流に位置し、樊城と水を隔てて向き合っている。レイ道元の「水経注」は、「城は襄水の陽（太陽が當(dāng)たる方角）にあるため、襄陽と呼ばれる」と記載している。城壁が堅固で、城が高く堀が深く、守りやすく攻めがたいため、難攻不落の城とされ、「鉄の襄陽」とも呼ばれる。漢水に臨む北側(cè)の城壁はやや広く、峴山に臨む南側(cè)の城壁はやや狹く、城壁全體が四角形になっている。城壁の高さは10.84メートル、周囲の長さは7331メートルに達(dá)する。そのうち石製の城壁は6408メートル、土製の城壁は680メートルで、243メートルが破損している。城壁の石の規(guī)格は異なり、現(xiàn)存する最古の文字が刻まれた石は、明の洪武16年のものだ。現(xiàn)存する城壁は保存狀態(tài)が良好で、明初に城壁を築き、清の時代に物見やぐらを再建した。城壁の他に、長門甕城、大北門甕城、小北門城樓、夫人城城臺、城東南角角臺、再建された仲宣樓が現(xiàn)存している。城壁の周囲には堀があり、本道の広さは130メートル、最も広い所は250メートルに達(dá)し、「城湖」と稱されている。

　小北門城樓はアーチ狀の城門の上に建設(shè)された。この物見櫓には4本の柱と3つの部屋があり、入母屋造りになっており、7本の棟木が梁を支えている。石と木の構(gòu)造で、清の道光6年に再建された。下には二つの城門があり、洪水の際には城門の間に石を設(shè)置し水を防げる。城臺（物見やぐらの手前のスペース）は縦13.75メートル、橫22.6メートルで、外側(cè)と內(nèi)側(cè)には凹凸のある小さな壁があり、西側(cè)には城內(nèi)に入る馬の道がある。

　東晉の太元3年（西暦378年）、前秦の苻堅が襄陽を包囲した。東晉の襄陽守將であった朱序の母、韓夫人は襄陽を守るため、家の下女と城內(nèi)の婦女を率いて、襄陽城の北西部に20數(shù)丈（丈は3.3333メートル）の城壁を増築した。秦軍は何度も攻城戦を仕掛けたが、攻め落とせず撤退した。襄陽の人々はその後、この城壁を「夫人城」と呼ぶようになった。夫人城は襄陽城の北西の角にあり、間にアーチ狀の通路があり、南は堀に通じている。夫人城の城壁には、清の時代の石が多く殘されている。

　大北門甕城（甕城は半円形?方形の防御壁）は高さ6メートル、內(nèi)側(cè)の幅は22.8メートル、奧行きは10.75メートルに達(dá)する。東?西?南にアーチ狀の門があり、東西の門には二つの防水扉がある。北は漢水に面し、門がない。大北門甕城は堅固な防水堤のようなもので、水害が発生した場合、扉を閉じて封鎖することができる。

　長門甕城は城の北東部の角にあり、総面積は4000平方メートルに達(dá)する。北の壁は漢水に面しており門がなく、南の壁は焦枝鉄道を建設(shè)する際に取り壊された?，F(xiàn)在殘されている長門甕城の高さは7メートル、奧行きは25.5メートル、幅は34.5メートルに達(dá)する。長門の城門の長さは34.4メートルに、箭樓（弓を打つためのやぐら）の城門の長さは12メートルに達(dá)する。長門甕城も封鎖することが可能だ。

　東壁の敵樓（敵を見張るやぐら）は二つあり、城壁から7メートル突き出ている。

　南東の角にある臺は南に伸び、東西の長さは8.4メートル、南北の幅は11.7メートルに達(dá)し、上部に仲宣樓が再建されている。

　襄陽城の城內(nèi)は十字街が中心、南北街が中軸線となっており、東西街に向かって伸び、碁盤の目狀の建築構(gòu)造を示している?？@密な構(gòu)想で、匠の技が生きている。襄陽城の城內(nèi)には現(xiàn)在も代表的な古い建築物の遺跡が殘されている。緑影壁、府學(xué)宮泮池、県學(xué)宮大成殿、譙樓、單府、單家祠堂などの明?清の建築物だ。