李克強総理は28日、ボアオ?アジアフォーラム年次総會で基調(diào)演説を行い、中國経済の発展について4つのメッセージを伝えた。中國新聞社が伝えた。

■「洪水潅漑」はせず

李総理は「今年の中國経済は不安定要因と不確定要因が増えており、外的リスクが高まっている。われわれは戦略の揺るぎなさを保ち、『洪水潅漑』式の強い刺激政策は実施しない」と述べた。

昨年、世界経済の成長が減速する中、中國経済は前年比6.6％の成長を示した。これは世界的に高い水準であり、世界経済成長への寄與率も約30％に達した。だがこれは「洪水潅漑」により実現(xiàn)したものではない。昨年12月末、中國の広義マネーサプライ（M2）は8.1％という歴史的に低い伸びにとどまった。

「洪水潅漑」にこれほど警戒するのはなぜか。清華大學國家金融研究院の朱民院長は「金融政策の流動性の過度の緩和は実體経済、特に小規(guī)模?零細企業(yè)にとってかえってマイナスだ。過去10年を見ると、金融政策の流動性を緩和した時、資金は金融市場へ流れ、株式市場と債券市場が大幅に上昇する一方で、小規(guī)模?零細企業(yè)への融資にはつながらなかった。流動性の緩和は小規(guī)模?零細企業(yè)への融資を解決する方法ではない」と指摘する。

■古い道は歩まず

「洪水潅漑」はしない以外に、李総理は「今年も規(guī)模拡大、粗放的成長という古い道は歩まない」と述べた。

中國経済の選択した発展の道はモデル転換と高度化、質(zhì)と効率の向上という質(zhì)の高い発展の道だ。ローランド?ベルガー?グレーターチャイナCEOのDenis Depoux氏は中國新聞社の取材に「すでに上層部は、たとえ中國経済に短期的な動揺が生じても『洪水潅漑』式の強い刺激政策は実施せず、粗放的成長という古い道も歩まず、高付加価値とハイテクの主導する成長を促すことで経済を活性化するとの姿勢を表明している」と指摘。

「中國はイノベーションの実験場であり、第4次産業(yè)革命の多くの分野で最前線にあり、生産力の向上とイノベーションを後押しする役割を果している。中國は非凡な市場でもあり、大衆(zhòng)消費でも工業(yè)製品市場でも技術に夢中になる消費者がいる」との考えを示した。

■減稅?費用削減

大規(guī)模な減稅?費用削減は「刃を內(nèi)に向ける」改革だ。李総理は「中國は大規(guī)模な減稅?費用削減などの措置を実行し、市場參加者の活力を引き出し、內(nèi)生的発展の原動力を強化する」と約束した。

2兆元の大規(guī)模な減稅?費用削減政策が近く実施される。今年初めの小規(guī)模?零細企業(yè)対象の減稅に続き、4月からは付加価値稅改革を実施する。主に製造業(yè)など16％の稅率を適用してきた業(yè)種は稅率を13％に引き下げる。交通運輸業(yè)、郵政業(yè)、建築業(yè)など10％の稅率を適用してきた業(yè)種は稅率を9％に引き下げる。北京大學新構造経済學研究院の林毅夫院長は「今年の中國にとってコスト引き下げは構造的改革の方向性の1つであり、減稅はコストを引き下げる重要な措置だ」と指摘?！钢袊悉工扦摔长Δ筏繙p稅政策を発表した。これは経済発展を促進するだろう」とする。

■開放?イノベーション

李総理は「今年の中國経済の発展は固く揺るぎなく改革開放?イノベーションを拠り所とする必要がある」と指摘。外資の市場參入條件の一層の緩和、外資の合法的権益の維持、貿(mào)易の円滑化水準の向上加速を含む全面的開放の詳細な措置を発表して、中國は全面的に対外開放を進めるとのメッセージを再び伝えた。

日増しに高まる世界経済の不確定性に対処するため、國際通貨基金（IMF）の張濤副専務理事は「構造改革を引き続き進め、構造改革を通じて労働生産率の下降を防ぎ止め、人口の年齢構造の変化に対処する必要がある。アジアはイノベーションも全力で支えなければならない」と指摘する。

対外経済貿(mào)易大學元副學長の林桂軍氏は「中國は開放による改革とイノベーションの促進という態(tài)勢を形成しつつある。中國は引き続き改革、開放、イノベーションによって経済の內(nèi)生的原動力を強化し、全體的に合理的な範囲內(nèi)での経済運営を保ち、中國経済が長期的に好転し安定的に発展するようにする」と指摘する。（編集NA）

「人民網(wǎng)日本語版」2019年3月29日