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「虹を織る女性」が織り上げるカラフルな織物「獨竜毯」

人民網(wǎng)日本語版 2024年03月29日15:46

霧雨が煙る中國とミャンマーの國境の町である雲(yún)南省怒江州貢山県獨竜(トールン)江郷では3月27日、顔に刺青を入れた獨竜(トールン)族の女性?太恰さん(81)が織機の前に座り、7色の綿糸を使って、トールン族伝統(tǒng)の織物「獨竜(トールン)毯」を織っていた。中國新聞網(wǎng)が報じた。

中國の少數(shù)民族の一つであるトールン族の人口はわずか約7000人で、うち約4000人がトールン江郷で暮らしている。トールン族は「直過民族」(新中國成立後に原始社會から社會主義社會へ直接に移行した民族)で、全員が貧困を脫卻し、飛躍的な発展を遂げている代表的な民族だ。

トールン族博物館で展示されているトールン毯(撮影?李嘉嫻)。

トールン族博物館で展示されているトールン毯(撮影?李嘉嫻)。

トールン江郷にあるトールン族博物館には1923年に撮影されたトールン族の寫真が展示されている。寫真に映っている男性は髪がボサボサで、裸足、そして日中は服に、夜は布団になる「トールン毯」を身にまとっている。

トールン江郷の宣伝幹事の楊時平さんは、「トールン毯は最初、麻100%の糸を使って織り上げていた。その頃はそれが手に入る唯一の材料だったからだ。昔は1枚のトールン毯を織り上げるのに1ヶ月以上もかかっていた」と紹介する。

地形の関係で、1年のうち半年は雪が積もり、山から出ることができなかった以前のトールン江郷は、外部と遮斷され、物資が不足し、発展が遅れていた地域だった。

しかし、1999年に歴史的変化を迎え、トールン江道路が開通。中國において道路が通っていない最後の少數(shù)民族が暮らす地域という歴史が幕を閉じた。それ以降、他の地域から多種多様な糸がトールン江郷にもたらされるようになった。そのため、トールン族の女性は色鮮やかな綿の糸やウールの毛糸、麻などを組み合わせて使うようになり、トールン毯も虹のようにカラフルになった。そして、それが、ソファーやベッドのカバー、衣服として使われるようになっていった。

トールン毯を織る顔に刺青を入れたトールン族の女性?太恰さん(撮影?李嘉嫻)。

トールン毯を織る顔に刺青を入れたトールン族の女性?太恰さん(撮影?李嘉嫻)。

2つ目の大きなターニングポイントは10年前に到來した。長さ約7キロのトンネルが貫通し、高黎貢山の東側と西側が結ばれたのだ。それにより、トールン江郷の山が閉鎖されていた歴史は完全に終わりをつげ、この「秘境」が多くの人に知られるようになった。トールン江景勝地は今、國家4A級景勝地(5Aが最高)に指定され、トールン族の女性は、「虹を織る女性」と呼ばれるようになっている。

2015年、上海のあるアパレル企業(yè)がトールン江郷を訪れ、トールン毯に魅了され、トールン族の女性と提攜することを決めた。そして、女性がトールン毯を織る工房を設置し、受注生産を始めた。その後、ウールやシルクといった各種糸が宅急便でトールン江郷にまで屆けられ、トールン族の女性はそれを使ってトールン毯を織り、上海に送り返すようになった。そしてトールン毯は加工を経て、枕やスカート、ショールなどとして、英國やオランダなどの歐州諸國に輸出され、高い人気を集めるようになっている。

トールン毯を織る仲間と工房で言葉を交わすトールン族の女性?碧玉花さん(寫真右、撮影?李嘉嫻)。

トールン毯を織る仲間と工房で言葉を交わすトールン族の女性?碧玉花さん(寫真右、撮影?李嘉嫻)。

2022年12月、「トールン毯を織る技術」は雲(yún)南省の省級無形文化遺産代表性項目に認定された。そして、今年3月、トールン江郷は、トールン毯合作社を立ち上げ、すでに女性176人がメンバーとなっている。さらに、同郷は各種トレーニングやコンテストを展開し、トールン毯を織る文化の影響力が拡大するよう取り組んでいる?,F(xiàn)在、同郷の女性1543人のうち、約500人がトールン毯織りに従事し、トールン族の女性が地元で働いて増収を?qū)g現(xiàn)できるようになっている。(編集KN)

「人民網(wǎng)日本語版」2024年3月29日

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