デビュー20年以上となる男女2人の人気ユニット「鳳凰伝奇」（Phoenix Legend）が5日夜、初めて北京の中國(guó)國(guó)家體育場(chǎng)（通稱(chēng)「バードネスト」）でコンサートを開(kāi)いた。一時(shí)は「B級(jí)」や「古臭い」などと揶揄される時(shí)期もあったものの、今では「鳳凰伝奇」のコンサートのチケットは入手困難なほど人気となっている。特に「Z世代（1995年から2009年生まれの人々）」がその主な聴衆(zhòng)となっている。北京青年報(bào)が報(bào)じた。

「鳳凰伝奇」の曲は一時(shí)、中國(guó)の高齢者が「広場(chǎng)ダンス」を踴る際に流す曲として人気を集めた。そして、2021年に、「鳳凰伝奇」は音楽バラエティー番組「為歌而賛（Praise the program）」で、曲調(diào)や歌詞などを自分たちのスタイルにアレンジしたカバー曲「海底」を披露。元々もの悲しいイメージだった曲が、壯大なイメージへとアレンジされ、その動(dòng)畫(huà)は動(dòng)畫(huà)サイト「bilibili（ビリビリ）」で瞬く間に大きな話(huà)題となり、再生回?cái)?shù)は5000萬(wàn)回以上に達(dá)した。こうして見(jiàn)事にイメージチェンジを果たした「鳳凰伝奇」は若者たちの間で意外なほどの人気を集めるようになった。

なかでも、「鳳凰伝奇」が2009年にリリースした「奢香夫人」のフレーズ入りステッカーのほか、既存の音聲を寄せ集めて切り貼りし、再編集した二次創(chuàng)作物「音MAD動(dòng)畫(huà)」を投稿する「bilibili」の「鬼畜」カテゴリに次々と動(dòng)畫(huà)が投稿されるようになると、「鳳凰伝奇」の人気はうなぎ登りとなった。また、「鳳凰伝奇」のコンサート會(huì)場(chǎng)で、若者が盛り上がる「テンション上げてリスペクト」というタイトルの動(dòng)畫(huà)は、各ショート動(dòng)畫(huà)プラットフォームで瞬く間に大人気となった。動(dòng)畫(huà)を見(jiàn)ると、ファンたちは、男女に分かれてデュエットし、「鳳凰伝奇」の聲がかき消されるほどの盛り上がりとなっている。「鳳凰伝奇」は今、若者の間で最も人気の歌手となっていると言っても過(guò)言ではないだろう。

10年前、當(dāng)時(shí)の「百人娯楽」の最高経営責(zé)任者（CEO）だった「鳳凰伝奇」の女性ボーカル?玲花の夫?徐明朝氏は、「今は『鳳凰伝奇』は、『ダサい』と感じるかもしれないが、『ダサく』なくなる日がくるだろう」としたことがある。そして、それから10年後の今、若者の目には、「ダサい」から「トレンドリーダー」への華麗なる変身を遂げた「鳳凰伝奇」が映っている。

北京師範(fàn)大學(xué)の張檸教授は、「鳳凰伝奇」獨(dú)特の曲風(fēng)について、「遊牧民族の馬を駆るようなリズム」、「鳥(niǎo)や大空、月、花、植物といった自然の要素への賛美という農(nóng)耕文明をベースにした審美眼」、「簡(jiǎn)単に口ずさむことができるメロディー」の3つを挙げている。

時(shí)間を見(jiàn)つけてはコンサートに行くという天津伝媒學(xué)院の大學(xué)生?楊さんは、「若者のニーズにピッタリと合い、若者の気持ちを理解している人が、受け入れられ、人気となる。例えば、『奢香夫人』は、メロディーが頭にこびりついて離れないだけでなく、ストレスも解消してくれるため、私の感情的ニーズにマッチしている。曲のランキングで何ヶ月もトップの座にあるだけの理由がある」とする。今年3月、「鳳凰伝奇」の今年のツアーの1ヶ所目となった江蘇省常州市で開(kāi)催されたコンサートを見(jiàn)に行ったという四川師範(fàn)大學(xué)の大學(xué)生?童さんは、どれだけ苦労してもチケットを手に入れたいと思う理由について、「『鳳凰伝奇』の曲は今の若者の精神狀態(tài)にマッチしている。歌唱力が高いのはもちろんのことで、コンサートに対する姿勢(shì)も真摯。実際には多くの若者は、バラエティー番組を見(jiàn)て『鳳凰伝奇』の人となりに魅了された。それに、曲も大ヒットしているので、コンサートに行くととても満足できる?！壶P凰伝奇』の2人も、曲も、ポジティブで、壯大な雰囲気なので、普段のストレスを解消してくれる?！壶P凰伝奇』の歌を通して、私は自分の感情のはけ口やストレスの解消方法を見(jiàn)つけることができた」とする。

音楽評(píng)論家の桜桃氏は、「『鳳凰伝奇』が若者の間で大人気となっているのは偶然ではない。若い世代にとって、『鳳凰伝奇』は、子供の頃の思い出であり、ストレスを発散できる感情のはけ口ともなっている?！壶P凰伝奇』の歌は、頭にこびりついて離れず、リラックス効果もある。加えて、今流行している中國(guó)の伝統(tǒng)文化を取り入れた『國(guó)風(fēng)』を模索しているほか、歌唱力を磨き続けている。爆発的人気は、『鳳凰伝奇』が20年以上積み重ねてきた努力と、新しいものを追い求める姿勢(shì)の結(jié)果だ。また、ファンやファンからの熱い期待に対して、誠(chéng)意ある姿勢(shì)を示してきた結(jié)果でもある」と分析している。（編集KN）

「人民網(wǎng)日本語(yǔ)版」2024年5月8日