「芽が出てるのが可愛い!」中國第15回全國運(yùn)動會のマスコット誕生物語
中國の第15回全國運(yùn)動會、全國第12回障がい者運(yùn)動會、第9回スペシャルオリンピックス(SO)の開幕まであと1年のカウントダウン開始式で、大きなスクリーンに2頭のイルカが登場し、くるくる動き回りながら海の底から海面に躍り出ると、かわいい2つのマスコットに変身した。今回の全國運(yùn)動會のマスコット「喜洋洋」と「楽融融」の鮮やかな登場シーンに、會場では大きな歓聲が上がった。新華社が伝えた。
今年6月、広州美術(shù)學(xué)院視覚蕓術(shù)設(shè)計(ビジュアルアートデザイン)學(xué)院の劉平雲(yún)副院長は、第15回全國運(yùn)動會のエンブレムとマスコットの設(shè)計依頼を受け、設(shè)計チームの責(zé)任者になった。
6月中旬から11月のお披露目までの5ヶ月間、劉氏の率いるチームはマスコットについて13回の大きな変更を行った。最初は華南トラ(廈門<アモイ>トラ)、白イルカ、クロツラヘラサギをかたどったマスコットにして、広東省、香港特別行政區(qū)、澳門(マカオ)特別行政區(qū)を象徴するプランを立てていた。しかし、「一度に3つのマスコットが登場すると覚えてもらうのが難しいし、マスコットのイメージの伝達(dá)と今後の商品開発にとってもよくないのではないかと考えた」という。
何度も行った話し合いと意見のぶつかり合いの中から、シナウスイロイルカ(中國語では「中華白海豚」)がチームの視野に入ってきた。
劉氏は、「シナウスイロイルカは群れで暮らし、団結(jié)と助け合いの精神を象徴している。スポーツの大會で、選手たちは手を取り合い肩を組み、栄光のために共に戦うため、シナウスイロイルカはまさにこうした団結(jié)と奮闘の精神を生き生きと體現(xiàn)する存在だ。シナウスイロイルカは中國語名に『中華』の2文字が含まれているし、毎年珠江デルタ地域に戻って繁殖を行うことから、故郷を忘れず、ふるさとを深く愛するというイメージがある。このイメージは(香港特區(qū)と澳門特區(qū)の)祖國復(fù)帰の歴史と合致し、広東?香港?澳門の人々が心を通わせ、手を取り合い、時代の新たなページを共に綴る姿を象徴することにもなる」と説明した。
シナウスイロイルカと粵港澳大灣區(qū)(広州、仏山、肇慶、深セン、東莞、恵州、珠海、中山、江門の9市と香港、澳門両特別行政區(qū)によって構(gòu)成される都市クラスター)をめぐるもう一つの感動的なエピソードも、劉氏とチームに自分たちの選択の正しさを確信させた。
2018年10月、世界最長の海上大橋である港珠澳大橋(香港?珠海?澳門大橋)が開通した。橋が建設(shè)された珠江口伶仃洋の海域は絶滅危懼種のシナウスイロイルカの重要な活動エリアだったが、工事が始まる時、建設(shè)者は「橋が開通してもシナウスイロイルカには『引っ越し』をさせない」ことを約束し、設(shè)計や建築工法、建築材料など各方面で大変な努力を重ねた。
建設(shè)者は約束を果たし、橋の開通から6年以上になる現(xiàn)在も、たくさんの観光客が橋の上でシナウスイロイルカの姿を?qū)懻妞藚Г幛皮い搿U{(diào)査によると、珠江口のシナウスイロイルカの群れは頭數(shù)が2000頭を超え、ここ數(shù)年は安定的に増加しているという。
劉氏は、「こうしたことは第15回全國運(yùn)動會の開催理念の『グリーン』と呼応する」と指摘する。
マスコットの原型が確定した後、劉氏とチームは念入りにイメージを練り上げ、修正を繰り返す中で、シナウスイロイルカを可愛いマスコットに仕上げていった。丸みのある造型、流れるような體のラインを持ち、尻尾の先はハートの形をしている。
劉氏によると、「シナウスイロイルカはじっとしている時は白い色だが、動くと血管の中の血液量が増えてピンク色になる。それでマスコットを白とピンクの2つにした。ここ數(shù)年の市場の反応を見ると、ピンク色の商品は市場でとても人気があることも理由の一つ」という。
頭から芽が出たようなデザインに、あるネットユーザーが「(『喜洋洋』と『楽融融』は)芽が出ちゃってるのが可愛い」とコメントを書き込むと、たくさんの「いいね」が寄せられた。劉氏は、「こんな評価は予想もしなかったし、チームでもこれまでにこういった評価について話をしたことがないが、とてもうれしく思う。皆さんにもこの2頭を好きになってほしい」と話した。(編集KS)
「人民網(wǎng)日本語版」2024年11月13日
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