「アニメ王國」である日本は、アニメや漫畫などを通じて、商業(yè)利益を得るだけでなく、文化の輸出にも成功している。中國のアニメを見ると、「モンキー?マジック 孫悟空誕生(原題:西遊記之大鬧天宮)」(2014年)などの作品が世界でもヒットし、現(xiàn)在、アニメの生産量は世界一を誇るようになっている。このように、非常に順調(diào)に発展しているように見えるものの、実際には日本と中國のアニメ界は両方困難に直面している。新華網(wǎng)が報(bào)じた。
日本の大ヒットアニメーション映畫「君の名は。」は、日本で歴代2位の興行収入を記録し、低迷している日本のアニメ業(yè)界が復(fù)活しているようにも見えるが、実際にそうなのだろうか?一方の中國のアニメ業(yè)界に明るい兆しはあるのだろうか?
日本のアニメ業(yè)界:市場規(guī)模は拡大しても將來の見通し立たず
1980年代、日本アニメは飛躍的に発展し、その後も成長を続けて世界に誇るヒット作品をたくさん生み出してきた。そして、05-10年に、DVDの売上額が急降下し、低迷するようになったものの、日本アニメの販売ルートや応用範(fàn)囲が拡大されるようになり、13年からは再び右肩上がりとなった。市場の規(guī)模だけを見ると、日本アニメは第4次ブームを迎えているものの、それを中心となって引っ張る作品はまだ登場していない。
アニメ産業(yè)の規(guī)模が拡大しているにもかかわらず、「衰退している」との聲も聞こえてくる。「エヴァンゲリオン」の生みの親である庵野秀明は15年に、「今のアニメ製作のシステムはかろうじて持っている狀態(tài)であり、その崩壊は時(shí)間の問題。それがもつ見込みについては、いずれにせよ20年はもたず、あと5年ほどだろう」と語った。このような見方は、決して大げさではなく、少數(shù)派の意見でもない。
アニメ會社のネガティブな見方は決して杞憂ではない?,F(xiàn)在、日本アニメの伝統(tǒng)的な製作スタイルは、製作コストの高騰や人件費(fèi)、総製作時(shí)間の制限を受けている。しかし、デジタル化へと転じるには、かなり高額の投資が必要になる。海外市場は、ポテンシャルが高く、金鉱となる可能性もあるが、日本との関係やコピー版、審査など、不安定要素も多い。全體的に見て、全く新しいビジネススタイルはまだ漠然としている。
厳しい現(xiàn)実:日本のアニメーターの現(xiàn)狀
日本のアニメーターの勤務(wù)時(shí)間は1日平均11時(shí)間で、1ヶ月當(dāng)たりの勤務(wù)時(shí)間は260時(shí)間以上、全國平均を100時(shí)間近く上回っている。しかし、年収はというと、全國平均より約81萬円も安い。新人アニメーターからすると、アニメ業(yè)界に入るというのは、夢の実現(xiàn)に向けた旅の始まりなのか、悪夢の始まりなのか、よく分からないと言ったところだろう。
成熟から完熟へ向かっている産業(yè)チェーンは、日本のアニメ業(yè)の重要な特徴の一つ。一連のアニメ商業(yè)チェーンにおいて、作品の善し悪しが全體の盛衰に係る。作品を才能にあふれる作者一人だけに任せるというのは、一つの冒険であるため、日本は長期にわたって、大規(guī)模な組織だったコンテンツ生産と、網(wǎng)羅的なシステムによる商品開発を行ってきた。アニメスタジオ、版権代理事務(wù)所、印刷出版企業(yè)、図書刊行企業(yè)、テレビ局、雑誌社、アニメ関連商品、販売ルートなどが組織だって作品を磨き上げ、利益を分配してきた。
多くの人がアニメ分野という一つのケーキに目を付けた結(jié)果、作品を作れば作るほどケーキが大きくなり、アニメの関連商品に対する依存度が高まっている。しかし、ケーキを分ければ取り分は小さくなり、製作會社やアニメーターの収益は減少し、新人にとって、魅力のない業(yè)界になってしまい、漫畫化、テレビ化、映畫化されるうちに、版権の問題が複雑になっていっている。その他、コンテンツの監(jiān)督?管理が一層厳しくなり、中國の人件費(fèi)高騰によりアウトソーシングのコストも向上、加えて世界的に作品のコピー版が出回るという問題があり、低迷する日本のアニメ業(yè)にとってはさらに苦しい狀況となっている。
中國でアニメの人気に陰り?
1941年、萬籟鳴(ウォン?ライミン)と萬古蟾(ウォン?グチャン)の萬氏兄弟が製作したアニメーション映畫「西遊記 鉄扇公主の巻(原題:鉄扇公主)」が世界で大ヒットし、「漫畫の神様」と呼ばれる手塚治蟲もこのアニメを見て、醫(yī)師の道を捨て、漫畫家となり、日本の第一次アニメブームを牽引した。その後、中國では、木彫り人形アニメ、水墨アニメ、シルエットアニメなどが続々と発展し始めたものの、近年はというと、「喜羊羊與灰太狼(シーヤンヤンとホイタイラン)」、「熊出沒」を代表とするアニメが好評を博しているが、中身があまりなく、その人気には既に陰りが見えるなど、中國國産アニメの臺頭という重責(zé)を擔(dān)うまでには至っていない。15年、「西遊記之大聖帰來 (Monkey King: Hero is Back)」が中國で大ヒットしたが、その後に続く作品は果たして出てくるのだろうか?
アニメの製作分?jǐn)?shù)は、アニメ産業(yè)の現(xiàn)狀を反映する重要な指標(biāo)だ。中國は、その長さが世界で最長である。日本はもともとの製作スタイルでは12萬分を突破するのが難しく、「2016年危機(jī)」を迎え、デジタル化に移行してその危機(jī)を乗り越えようとしている。製作分?jǐn)?shù)や技術(shù)の面で、中國は世界を牽引しているものの、中國のアニメ産業(yè)にとっては、もっとおもしろいストーリーやコンテンツを作るというのが最大の難題となっている。
ターゲットは子供に絞る?それとも年齢層問わない作品に?
15年、中國では國産アニメーション映畫41作品が公開されたものの、興行収入が1億元(約17億円)を超えたのはわずか3作品だった。「西遊記之大聖帰來」は9億5600萬元(約162億5200萬円)という目を見張るような興行収入をたたき出したが、ほとんどの中國の國産アニメにとっては、1億元が非常に高いハードルとなっている。高い興行収入を得るのが難しいとなると、利益を確保するために、低コストが打開策となる。多くの時(shí)間や精力、資金をかけて、大作アニメーション映畫を作るのは一種の賭けで、多くのアニメ製作會社は、低年齢の子供だけにターゲットを絞り、コストが2000萬元(約3億4000萬)ほどの映畫を作って、興行収入7000-8000萬(約12億-13億6000萬円)を狙うという、アンパイを選んでいる。
どちらの手法が良くて、どちらの手法が悪いということはなく、子供にも大人にもアニメの需要があるものの、子供を引きつける方が簡単というわけでは決してない。一つのアニメが成功するかは、想像力やストーリー、価値観にかかっている。
整いつつある中國アニメ臺頭の條件
中國のアニメ産業(yè)はまだ最も良い時(shí)代を迎えてはいないかもしれないが、中國アニメにとって最も良い段階は到來しつつある。年齢層問わないアニメが大人の消費(fèi)を促進(jìn)していることや、二次元(アニメ?漫畫?ゲーム)ファンが拡大していること、生産?製作?宣伝?マーケティングなどの産業(yè)チェーンの整備が進(jìn)んでいること、クラウドファンディングなど融資のスタイルが多元化していることなど、中國アニメが臺頭できる條件は揃いつつある。(編集KN)
「人民網(wǎng)日本語版」2017年1月3日
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