中國(guó)中央テレビ局(CCTV)で3日夜、中國(guó)の博物館に保存されている貴重な文化財(cái)を紹介する番組「國(guó)家寶蔵」の放送が始まった。奧深さを感じさせながら、面白さも兼ね備えている同番組は、その第1回目の放送から、話題を集め、好評(píng)を博している。中國(guó)新聞網(wǎng)が報(bào)じた。

「國(guó)家寶蔵」では、故宮博物院、上海博物館、南京博物院、湖南省博物館、河南博物院、陝西歴史博物館、湖北省博物館、浙江省博物館、遼寧省博物館の9つの博物館が、それぞれ貴重な文化財(cái)3點(diǎn)を厳選し、有名人、博物館の館長(zhǎng)、一般の文化財(cái)愛(ài)好者などが共に國(guó)寶の誕生から現(xiàn)在に至るまでのエピソードに迫る。文化財(cái)27點(diǎn)全てが紹介された後、投票によって「最高の文化財(cái)」を決め、故宮の特別展示會(huì)に展示される。

「田舎っぽいセンス」と突っ込まれる乾隆帝

第1回では、俳優(yōu)の王凱（ワン?カイ）が出演した「乾隆小劇場(chǎng)」が大きな話題となった。これは、番組の一部で、有名人が歴史人物に扮し、文化財(cái)の背後にあるドラマを紹介する企畫。

王凱が紹介したのは、「瓷母」と呼ばれる各種釉彩大瓶だ。清の第6代皇帝?乾隆帝の時(shí)代に製作された磁器で、うわぐすりが15層施されている?！复赡浮工群簸肖欷皮い毪长趣?、中國(guó)古代の磁器工蕓が最高峰だったことが分かる。しかし、それがカラフルであるため、「乾隆帝の美的センスはちょっと田舎臭い」という聲もある。

番組では、「瓷母」について、「全ての人に理解されることは望まない。後の世代の人々が、繁栄した王朝は、開(kāi)放的で、包容的な心を持っていることを知ってくれればそれでいい」と話す王凱のセリフがあった。あるネットユーザーは、「以前はカラフルな『瓷母』があまり好きでなかったけど、今はちょっと好きになった?！捍赡浮护洗_かに華やかだ。でも、それよりもっと輝かしいのは『中華の職人の技と繁栄した文明だ』」との聲を寄せた。

人気の高さではなくその精神的価値を見(jiàn)て厳選した27點(diǎn)

厳選された文化財(cái)27點(diǎn)を全て見(jiàn)ると、「『清明上河図』のような有名な文化財(cái)が入っていないのはなぜ？」と疑問(wèn)に感じる人もいるかもしれない。于蕾総監(jiān)督は、27點(diǎn)をどのような原則と過(guò)程で選んだかについて、「9つの博物館がまず、それぞれ10點(diǎn)を選んだリストを提供し、そこから番組スタッフが厳選した」と説明した。

そして、「厳選された文化財(cái)全てに、その誕生やこれまで保存され続けてきた過(guò)程で、人を感動(dòng)させるドラマがある?！呵Ю锝絿怼护悉趣皮馊藲荬韦ⅳ胛幕?cái)で、だれもがよく知っている。一方、あまり知られていない文化財(cái)、例えば、第1回で紹介された『石鼓』は、とても重要な精神的価値を秘めており、その背後は人文の精神に満ち、今日に至るまでずっと私たちの民族に影響を與え続けてきた文化財(cái)であるため選出された。そのため、文化財(cái)の選出に當(dāng)たり、博物館とも何度も話し合った。最初のリストには載っていなかった文化財(cái)も多い」と説明した。

若者のセンスを尊重し、文化財(cái)の物語(yǔ)を語(yǔ)る

年末になると、いろんなバラエティー番組が増えるが、新しい番組のジャンルである「國(guó)寶バラエティー」はどのように若者を魅了するのだろう？

文化的なバラエティーなら工夫を凝らした?jī)?nèi)容にするのが比較的容易であるものの、「文化そのものに注目しすぎて、面白みを失う」という失敗に陥りやすく、視聴者との間に溝ができ、製作者らが自己満足するだけの內(nèi)容になりがちだ。その點(diǎn)、「國(guó)家寶蔵」は、専門的な內(nèi)容を普通の人が受け入れやすい內(nèi)容にし、文化財(cái)とその背後にあるエピソードを結(jié)び合わせ、「小劇場(chǎng)」という形式や簡(jiǎn)単な言葉遣いで文化財(cái)を説明したり、中國(guó)東晉の書家?王羲之と中國(guó)元朝末期の水墨畫家?黃公望をタイムスリップさせ、乾隆帝の美的センスにツッコミを入れるシーンを入れたりして、若者と文化財(cái)の距離を縮めている。さらに、乾隆帝のスタンプを作成するなどして、多くのネットユーザーが自発的に參加するようにもなっている。若者のセンスを尊重し、若者の好む形式で展開(kāi)することが、若者の間でもこの番組が好評(píng)を博している大きな原因かもしれない。

于総監(jiān)督は、「文化財(cái)が誕生した時(shí)の物語(yǔ)だけでなく、今どんなことが起きているかを視聴者に知ってもらいたい。そして、視聴者に文化財(cái)が私たちの近くで生きていて、私たちの生活とも関連があることに気づいてもらいたい。そうすることで、文化財(cái)に本當(dāng)の意味で命の息を吹き込むことができる」と語(yǔ)った。（編集KN）

「人民網(wǎng)日本語(yǔ)版」2017年12月8日