拓殖大學政経學部の朱炎教授（朱教授提供）

今年の全國両會（全國人民代表大會?全國人民政治協(xié)商會議）の議題を國內(nèi)外の専門家や學者は強く重視している。人民網(wǎng)が単獨取材した日本?拓殖大學政経學部の朱炎教授はこれについて、「中國は小康社會（ややゆとりのある社會）の全面的な完成及び第1の百年奮闘目標の達成の後、社會主義現(xiàn)代化國家の全面的建設(shè)という新たな道のりを歩み始めた。民生は幸福と調(diào)和の礎(chǔ)であり、中國は発展する中で民生の保障と改善を堅持して、賞賛すべき成果を収めた」との認識を示した。

中小?零細企業(yè)を力強く支援、雇用安定と民生保障を強化

2021年度予算報告によると、今年の全國一般公共予算支出は25兆元余りで1.8％増加し、財政支出規(guī)模は昨年と比べてある程度増加した。両會でも雇用確保、民生保障、市場主體保護の問題が取り上げられた。朱氏は、「すでに2020年に中國政府はこれらの問題について多くの政策を打ち出した。今年の重點も、雇用確保、民生保障、市場主體保護への支援を強化し、國の重要戦略任務(wù)の資金ニーズの確保に力を入れ、合理的範囲內(nèi)の経済運営の維持を促進することだ。2020年に中國政府の行った中小?零細企業(yè)対象の減稅?費用削減政策によって、経済は新型コロナウイルス感染癥が拡大する中で効果的に回復(fù)した」と指摘。

さらに、朱氏は「數(shù)年來、中國はネット経済、電子商取引が急激に発展しており、実店舗保護の強化、雇用機會の一層の拡大も望んでいる。中國政府が財政規(guī)模?支出方向の面で行った調(diào)整は、世界経済の減速という大きな背景の下での、重大な戦略における中國財政の保障力を十分に反映しており、経済の安定的回復(fù)の促進を力強く支えた」とした。

競爭力あるコア技術(shù)の研究開発、外國に「首を絞められている」難題を打開

中國の科學技術(shù)は2020年に目覚ましい成果を挙げ、世界で數(shù)々の栄譽に輝いた。これについて朱氏は、「中國の科學研究の進展速度には驚かされる。中國は過去數(shù)10年間、科學技術(shù)の発展でブレイクスルーを遂げ続け、世界の科學技術(shù)大國へと躍り出ることに成功した。2019年度に中國は質(zhì)の高い國際論文數(shù)で世界2位になり、複數(shù)の大學や科學研究機関がトップ10に入った。これによって、中國が今後さらに科學技術(shù)の飛躍を遂げるための強固な基礎(chǔ)が固められた」と感慨深げに語った。

その一方で朱氏は、中國が引き続き全國の力を結(jié)集して、世界的競爭力のあるコア技術(shù)を研究?開発し、外國に「首を絞められている」特定分野の難題を科學技術(shù)革新によって打開することも望んでいる。技術(shù)的難題を突破して初めて、中國が産業(yè)サプライチェーンを一層安定させることが可能となる。朱氏は、「半導(dǎo)體を例にとると、半導(dǎo)體産業(yè)は経済?社會発展を支える戦略的、基盤的、先導(dǎo)的産業(yè)であり、半導(dǎo)體産業(yè)の革新的発展を支援し、獨自開発と『垂直領(lǐng)域イノベーション』を通じて初めて、自らの主要技術(shù)におけるブレイクスルーを遂げるとともに、ハイテク産業(yè)分野での著実な前進を継続することができる」と指摘した。

絶対的貧困の撲滅から共同富裕へ

困難な努力を経て、中國は貧困脫卻の難関攻略において全面的勝利を収めた。貧困脫卻の成果をどう固めるかについて、朱氏は「貧困脫卻は動的狀況だが、貧困基準は數(shù)年後に調(diào)整されるだろう。將來の基準で判斷した時に貧困層が再び出現(xiàn)するのを防ぐため、中國政府が引き続きこの問題を非常に重視し、將來の再貧困化現(xiàn)象を防止することを望む」と指摘。さらに、「中國は絶対的貧困の撲滅から共同富裕へと向かい、人々も自信を強め、より誇りを持つようになっている。経済?科學技術(shù)?文化力が高まれば、現(xiàn)代化の水準も一層高まるだろう」と感慨を込めて語った。（編集NA）

「人民網(wǎng)日本語版」2021年3月31日