中國東北部の辺境にある黒河市は、最も北に位置する最大の地級(jí)市(省と県の中間にある行政単位)であり、ロシア極東地域第3の都市——アムール州の州都ブラゴヴェシチェンスク市と非常に近い距離にあり、黒竜江を隔てて向かい合う。ヨーロッパ文明とアジア文明はここで調(diào)和的で緩やかにぶつかり合った。
黒河は1920年代にはすでに、中國とロシア(舊ソ連)が貿(mào)易、金融、文化、輸送で協(xié)力を展開する上での中心的都市になり、「萬國の商業(yè)都市」と呼ばれていた?,F(xiàn)在の黒河は、対外開放をより広く、より深く積極的に拡大し、「一帯一路」(the Belt and Road)の北に向けた開放の重要な窓口になっている。
人民網(wǎng)の「We Are China」多言語取材チームがこのほど、黒河を訪れた。
黒河とブラゴヴェシチェンスクは中ロ國境線を挾んで向かい合う都市としては、規(guī)模が最大で、距離が最も近く、グレードも最も高い都市であり、一番近いところの距離はわずか650メートルだ。長年にわたる対外交流の中で、黒河ではすでに隅々までロシアの要素を目にすることができるようになっており、、市街地の大きな通りを歩けば、中國語?ロシア語併記の看板がずらりと並び、いたるところに中ロ國境貿(mào)易?観光を手がける店がある。観光客は1-2日間のツアーを申し込むことができ、船に乗って10分も行けばブラゴヴェシチェンスクの通関地にたどり著き、國境を越えて異國の旅を楽しめる。
中國東北部の辺境にある黒河市。
中國の北に向けた開放の最先端、中ロの重要な通関地として、黒河の鉄道、航空、水上輸送などは交差しながらロシアに通じ、中ロの地方都市間の相互接続を?qū)g現(xiàn)するとともに、北東アジアに広がる國際交通輸送の新たなターミナルを形成している。
2019年7月、世界初の國境をまたがって運(yùn)行する旅客輸送ロープウェイプロジェクトの黒河-ブラゴヴェシチェンスクロープウェイの工事がスタートした。この空中ルートにより通関時(shí)間は8分間に短縮される。
2020年1月、中ロ國境を流れる黒竜江に初めてかかった道路橋——中ロ黒竜江大橋が検査に合格した。中國側(cè)の端は新たに建設(shè)された黒河稅関ビルに連結(jié)しており、車両の通行が始まると、人と貨物を別々に検査するスピード通関が実現(xiàn)されることになる。將來の経済貿(mào)易往來や人の移動(dòng)、観光などは、この橋を通じてロシア極東エリアに入り、北東アジアに向かうことになり、年間を通してスムーズな通関が可能になる。
2019年9月17日、中國(黒竜江)自由貿(mào)易試験區(qū)黒河エリアが発足し、中國最北端の自由貿(mào)易エリアになった。哈爾浜(ハルビン)エリア、綏芬河エリアとともに、中央政府の東北の全面的振興?全方位的振興を推進(jìn)し、北に向けた開放の重要な窓口を建設(shè)するという全體的構(gòu)造を構(gòu)成している。
黒河市の夜景。
現(xiàn)在、黒河エリアで登録された企業(yè)は797社に達(dá)し、その登録資本金は50億元(1元は約17.2円)に上り、重點(diǎn)プロジェクト24件が建設(shè)をスタートしている。今年上半期には、固定資産投資が前年同期比18.5%増加し、オンライン企業(yè)誘致活動(dòng)などを通じてプロジェクトに調(diào)印した企業(yè)は42社に上り、1億元を超えるプロジェクトが8件ある。
「辺境貿(mào)易+EC」が、黒河の打ち出そうとしている重點(diǎn)産業(yè)プロジェクトであり、「インターネット+」の形を運(yùn)用して、國境地域の住民の起業(yè)をけん引する。
黒河エリア管理委員會(huì)の張海鵬副會(huì)長は取材に対し、「現(xiàn)在の新業(yè)態(tài)と新経済(ニューエコノミー)をめぐり、私たちは辺境貿(mào)易とネット有名人によるライブコマース、オンラインとオフラインの融合、越境EC、越境物流などの分野で積極的に模索している」と述べた。
黒河エリア商務(wù)局の張波局長は、「すでにECパークが一定の規(guī)模を備え、ライブコマースも盛んに行われている。アイスクリームのコーン、ロシア風(fēng)ピクルス、ロシアのブラックチョコレート、ネットで人気の西瓜グミなどはどれも爆発的な人気商品だ。最もすごい若い男性は、ロシア風(fēng)ソーセージという一つの商品だけを1ヶ月で4千萬本以上売り上げたすごい若者もいる」とした。
中ロ國境を流れる黒竜江にかかった道路橋——中ロ黒竜江大橋。
ロシアの食品を扱う俄品多商城の景権社長も、「感染癥期間中にO2O(オンラインツーオフライン)の優(yōu)位性を肌で感じた。2020年は9月1日の時(shí)點(diǎn)で通年の売り上げ目標(biāo)の1億2千萬元を突破し、流れに逆らって成長を達(dá)成した?,F(xiàn)在のショート動(dòng)畫とライブコマースを合わせた売り上げは総売上の70%に達(dá)する。特に感染癥期間中に、このモデルはグルメの顧客に大人気だった。顧客たちは商品の特徴や味を十分に理解した上で、自分の欲しいものを正しく選択できるようになった」と述べた。
黒河エリア管理委員會(huì)政策法規(guī)局の尹紅梅局長は將來の産業(yè)計(jì)畫の発展方向について、「黒河自由貿(mào)易エリアは7つの越境産業(yè)の構(gòu)築に力を入れていく——越境エネルギー資源協(xié)力産業(yè)、グリーン食品加工産業(yè)、越境木材産業(yè)、越境電気機(jī)械加工産業(yè)、越境新型製薬産業(yè)、越境観光?ヘルスケア産業(yè)、自動(dòng)車高緯度寒冷地テスト産業(yè)の7つで、中國最北端の自由貿(mào)易試験區(qū)の対外開放協(xié)力をめぐる新たな先端地域を形成する」と述べた。
張氏は、「黒河は日本、韓國とグリーン食品、生薬、観光、ヘルスケアの分野で協(xié)力プロジェクトを展開する。カザフスタン、タジキスタン、ポーランド、セルビアといった國とも食品や農(nóng)業(yè)などの分野で科學(xué)研究協(xié)力を展開する。同時(shí)に、中國國內(nèi)の多くの企業(yè)が私たちとマッチングを行っており、黒河を通じてドイツ、フランス、スペインなどの歐州諸國と越境ECをめぐる一連の協(xié)力を展開したいとしている」と説明した。(編集KS)
「人民網(wǎng)日本語版」2021年6月11日