黒竜江省哈爾浜(ハルビン)市のある観光地のキャンプ場に行くと、ビールを片手に、ソーセージを美味しそうに頬張っているキャンパーを目にすることができる。食欲をそそる香りを漂わせ、赤身のタイプはさっぱりとしていて、脂身のタイプも脂っこくない。それは、獨(dú)特の風(fēng)味や長い歴史を誇る絶品「哈爾浜紅腸（ソーセージ）」だ。新華社が報(bào)じた。

哈爾浜市の市民?節(jié)さんは、「遊びに出かける時(shí)は、ソーセージが欠かせない」と話す。哈爾浜で生まれ育った人の大好物であるほか、他の地域から來る観光客も絶賛する哈爾浜ソーセージがそれほど人気となっているのはなぜなのだろうか？

哈爾浜で撮影された焼きソーセージ（7月15日撮影?朱悅）。

哈爾浜ソーセージの表面はシワに覆われており、その色はナツメ色。食感に優(yōu)れ、そのまま食べることもできれば、焼いたり、炒めたり、スープに入れたりすることもでき、その食べ方もバラエティに富んでいる。家族での集まりに食べるだけでなく、親戚や友人への贈(zèng)り物としても使われる誰からも愛されるご當(dāng)?shù)廿哎毳幛馈?/p>

哈爾浜ソーセージは100年以上の歴史がある。「哈爾浜市志」の記載によると、中東鉄道が建設(shè)されるようになった後、ロシアの商人が哈爾浜の香坊に「秋林商會(huì)」を設(shè)立し、そこに腸詰めソーセージの加工場も設(shè)置した。そして、それが歐州式の肉の保存食品を生産する哈爾浜初の加工工場となった。

哈爾浜秋林里道斯食品有限責(zé)任公司の劉暉プロダクトマネージャーは、「本場の哈爾浜ソーセージは燻煙の香りが命。そのため最もこだわるのが燻製のプロセスだ。密度が高く硬い木の油脂を火であぶり、その煙をソーセージに當(dāng)てると、つやが出る。2度燻煙したソーセージを、オーブンに入れて表面の水分を蒸発させると、香ばしい燻製の香りを漂わせるようになる。季節(jié)や濕度、オーブンの溫度によって、微妙な違いが出るため、燻製職人は木材を並べる形まで工夫する。職人からその技術(shù)を?qū)Wび、マスターして一人前になるためには、少なくとも10年以上はかかる」と説明する。

哈爾浜ソーセージ入りチャーハン（撮影?朱悅）。

これまで哈爾浜ソーセージは、手作りで生産されていたため、その生産効率は低かった。しかし、ここ數(shù)年、ソーセージメーカーは、生産工場をデジタル化し、近代的なデジタル化と手作業(yè)を組み合わせた工程を編み出し、生産効率を大幅に高めている。

現(xiàn)在、秋林里道斯のソーセージの生産量は1日當(dāng)たり100トンに達(dá)するという。同社はその生産から販売まで全ての過程のデジタル化管理と精密化制御を?qū)g現(xiàn)しているほか、オンラインとオフラインを組み合わせた販売ネットワークを構(gòu)築している。さらに、インターネットビッグデータ解析を活用して、現(xiàn)代の人々が好む味や、新商品を次々と開発している。劉プロダクトマネージャーは、「発売したばかりの新商品『0淀粉』シリーズの黒コショウ軟骨ソーセージやピリ辛ザリガニソーセージなどは売れ行きが絶好調(diào)になっている」と話す。

哈爾浜中央大街にあるソーセージメーカー「哈肉聯(lián)」の専門店の前には、焼きソーセージを買いに來た客が長蛇の列を作っていた。購入したソーセージを手にした廈門(アモイ)から來たという男性?王さんは、「とてもおいしい！ソーセージをたくさん買って帰りたい」と話していた。

哈爾浜のある特産品販売店には、「福建」や「北京」と書かれた段ボール箱がたくさん並んでいた。店主によると、「それは、他の地域から來た観光客が街中で買った哈爾浜ソーセージで、うちが郵送を取り扱っている」という。

哈爾浜で100年以上受け継がれ、発展してきたソーセージは今、哈爾浜の輝かしい代名詞となり、この都市に溶け込みながら、その香りを中國全土へと漂わせるようになっている。（編集KN）

「人民網(wǎng)日本語版」2023年8月30日