化學(xué)反応においては、分子や原子が「エネルギー障壁」という「山」を越えることで、新物質(zhì)が生成される。しかし、一部の分子は、山を越えるのではなく、山道をふらふらとさまよいながら下りるような「回り道」のルートを通ることで、新物質(zhì)を生成する。そのような特殊な現(xiàn)象は「ローミング過程」と呼ばれている。中國科學(xué)院大連化學(xué)物理研究所はこのほど、大連コヒーレント光源を利用して、高勵(lì)起狀態(tài)の分子の「ローミング過程」のルートを発見。これは、「ローミング過程」のメカニズムは化學(xué)反応において普遍的であることを物語るもので、化學(xué)反応を理解?予測する新たな視點(diǎn)が提供されることとなった。これに関連する研究成果は學(xué)術(shù)誌「サイエンス」に掲載された。人民網(wǎng)が伝えた。

21世紀(jì)初めに発見された「ローミング過程」だが、科學(xué)界のメカニズムの解析は、分子の低電子狀態(tài)と基底狀態(tài)に留まっていた。世界で唯一稼働する極端紫外線の自由電子レーザー裝置としての「大連コヒーレント光源」は、波長をチューニングしながら非常に明るい極端紫外線を出力することで、どんな分子でもエネルギー的に特定の高さの狀態(tài)に勵(lì)起させることができる。

中國科學(xué)院大連化學(xué)物理研究所の袁開軍研究員は、「大連コヒーレント光源は、高勵(lì)起狀態(tài)の分子の反応のメカニズムを研究する扉を開いたと言うことができる。私が所屬する科學(xué)研究チームは、高勵(lì)起狀態(tài)の二酸化硫黃の分子を作り出し、一重項(xiàng)酸素の量子狀態(tài)の分布を探った後、理論的計(jì)算を通して、実験所で観測した現(xiàn)象を正確に再現(xiàn)することに成功した。実験結(jié)果と理論が一致したことは、高勵(lì)起狀態(tài)の『ローミング過程』ルートが存在していることを裏付けており、化學(xué)反応において『ローミング過程』は普遍的に存在していること物語っている」と説明する。

中國科學(xué)院の院士である楊學(xué)明氏は、「この研究を通して、化學(xué)反応の理論に関する新しい認(rèn)識(shí)が生まれた。これまでの理論では説明できなかった多くの現(xiàn)象を、『ローミング過程』のメカニズムを使って説明できるようになる可能性がある。それにより、化學(xué)反応の本質(zhì)に対する理解が一層進(jìn)むだろう」との見方を示す。（編集KN）

「人民網(wǎng)日本語版」2024年2月18日