中國(guó)の若者が博物館の文化クリエイティブグッズに夢(mèng)中になっているワケは?
甘粛省博物館の文化クリエイティブグッズショップには、各種野菜のぬいぐるみや串に刺した肉のぬいぐるみがずらりと並んでいる。旅行で同省を訪(fǎng)れた廖維多さんは、ふかふかの素材で作られた鍋のぬいぐるみの中に、自分が選んだ「野菜」や「肉」を入れて、好みの「麻辣燙(マーラータン、ピリ辛風(fēng)味の煮込み料理)」を作り上げて購(gòu)入し、それを「戦利品」としてSNSにアップ。「こんな文化クリエイティブグッズの『セレモニー感』が楽しくてたまらない!」と書(shū)き込むと、ネットユーザーからたくさんの「いいね!」とコメントが寄せられていた。中國(guó)青年網(wǎng)が報(bào)じた。
甘粛省博物館の麻辣燙文化クリエイティブグッズ
中國(guó)國(guó)家文物局の統(tǒng)計(jì)によると、今年の國(guó)慶節(jié)(建國(guó)記念日、10月1日)に合わせた7連休中、中國(guó)全土の博物館の來(lái)館者は延べ7488萬(wàn)人だった。中國(guó)では博物館が今、多くの若者の「旅行先で絶対に行っておきたい場(chǎng)所」となっているほか、各博物館の文化クリエイティブグッズも「絶対に買(mǎi)いたいもの」リストに入れられるようになっている。なかでも中國(guó)國(guó)家博物館の鳳凰の形の冠をモチーフにしたマグネットや蘇州博物館の「胖寶剣」、甘粛省博物館の銅像「銅奔馬」をモチーフにしたぬいぐるみ「緑馬」といった文化クリエイティブグッズが爆発的人気となっているのはなぜなのだろうか?そして若者たちがこれほど夢(mèng)中になっているのはなぜなのだろうか?
個(gè)性際立つ文化クリエイティブグッズが人気に
特徴的で個(gè)性が際立っているというのが、多くの消費(fèi)者の甘粛省博物館の文化クリエイティブグッズに対する評(píng)価で、「緑馬」や「麻辣燙」のぬいぐるみを買(mǎi)うために、わざわざ同館を訪(fǎng)れる人もいるほどだ。
「緑馬」は甘粛省博物館の代表的な収蔵品の銅像「銅奔馬」をモチーフにしているのに対して、「麻辣燙」のぬいぐるみは、甘粛省名物の「天水麻辣燙」の特徴をうまく活用している。廖さんは、「これらグッズは、現(xiàn)地ならではの特徴にあふれていて、他の地域にはない文化クリエイティブグッズだ」とした。
「博物館を見(jiàn)學(xué)するために、旅行に出かける」というのが今、中國(guó)の多くの若者の祝祭日の第一の選択肢となっている。國(guó)家文物局のデータによると、昨年、中國(guó)の博物館の來(lái)館者は、過(guò)去最多となる延べ12億9000萬(wàn)人だった。また、今年の國(guó)慶節(jié)に合わせた7連休では、前売り入場(chǎng)券が発売初日に完売となった博物館が続出した。
文化クリエイティブグッズの収集が一種の趣味に
「偶然出會(huì)った」グッズを購(gòu)入する廖さんと異なり、博物館の文化クリエイティブグッズをコレクションすることを一種の趣味としている若者たちもいて、そうした同じ趣味を持つ若者からなる「友達(dá)の輪」もある。95後(1995-99年生まれ)の王楠星さんもそうしたうちの1人で、コレクションを始めて1年ほどであるものの、収集した數(shù)からすると、十分にベテランと言える。
王さんは、「すでにグッズ數(shù)百個(gè)を収集した。ほとんどがマグネットや置き物。僕たちコレクターは、文化クリエイティブグッズの文化財(cái)の再現(xiàn)度や精巧さなどを最も重視している。博物館を見(jiàn)學(xué)するのが大好き。文化財(cái)を見(jiàn)るたびに、歴史の重みを感じ、1千年以上にわたって存在し続けてきた凄みを感じることができる」と話(huà)す。
そして、「甘粛省博物館の『緑馬』のようなユーモラスなぬいぐるみにしても、中國(guó)國(guó)家博物館の孝端顕皇后の鳳凰の形の冠をモチーフにした完成度の高いマグネットにしても、一種の蕓術(shù)のスタイルであり、博物館への第一歩となる。この観點(diǎn)からすると、多くの人の注目を集め、文化財(cái)についてもっと知りたいと思ってもらえるなら、優(yōu)れた文化クリエイティブグッズと言える」との見(jiàn)方を示した。
交流のきっかけになるのも文化クリエイティブグッズの人気の理由
宋諾さんが各時(shí)代の文化財(cái)をモチーフにしたマグネットで作成したボード「華夏一萬(wàn)年」。マグネットは博物館40ヶ所以上を見(jiàn)學(xué)して収集(寫(xiě)真提供?宋諾さん)。
上海に住む宋諾(仮名)さんも文化クリエイティブグッズのコレクターで、新石器時(shí)代から清朝末期に至るまで、各時(shí)代の代表的な文化財(cái)をモチーフにしたマグネットを収集している。そして、王朝の時(shí)代順に、それを一枚のボードに並べ、簡(jiǎn)単な説明を添え、「華夏一萬(wàn)年」という作品に仕上げた。そのボードの寫(xiě)真はソーシャルメディアで人気を集め、10萬(wàn)人以上が「いいね!」を寄せ、あるネットユーザーからは、「マグネットの封神榜」との聲も寄せられている。
甘粛省博物館では、好きな「野菜」などの具を選んで、自分好みの「麻辣燙」を作ることができる。蘇州博物館では、カニの身がぎっしり詰まる季節(jié)である秋に、「上海ガニ」のぬいぐるみを購(gòu)入して、家に持って帰ることができる。文化クリエイティブグッズはそのデザインの可愛(ài)さだけでなく、「セレモニー感」を感じさせてくれるショッピング體験やラッピングなども、これらが人気を集める主な理由の一つだ。
さらに伝統(tǒng)的な文化財(cái)をモチーフにしたグッズのコレクターにとって、これらが他の人とのコミュニケーションのきっかけにもなっているようだ。孝端顕皇后の鳳凰の形の冠をモチーフにしたマグネットや、隆福寺正覚殿の裝飾的な天井「藻井」をモチーフにしたマグネットといった文化クリエイティブグッズは、ソーシャルメディアで大きな話(huà)題となっており、あまりの人気で手に入りにくくなる時(shí)さえある。手に入れた購(gòu)入者は、その寫(xiě)真をソーシャルメディアにアップすることで、コレクターの注目を集めることができるのだ。
宋さんは、「マグネットボード『華夏一萬(wàn)年』が人気を集めたことで、関連の話(huà)題をめぐるメッセージのやり取りも増えた。多くのネットユーザーが、自分が興味を持っている博物館の文化クリエイティブグッズを収集し始め、自分だけのコレクションによる博物館を作り上げている。なかには、『文化クリエイティブグッズを収集し始めて、毎日、新たな楽しみができている』とコメントを寄せくれたネットユーザーもいる」とした。 (編集KN)
「人民網(wǎng)日本語(yǔ)版」2024年10月18日
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