青海省海南蔵（チベット）族自治州共和県の標(biāo)高3816mの瓦里関山で、世界32ヶ所の大気バックグラウンドステーションの標(biāo)高が最も高い瓦里関國家大気バックグラウンドステーションが丸29年稼働している。中國新聞網(wǎng)が伝えた。

9月中旬のある水曜日は、週に1度の「空気」収集の日だった。瓦里関バックグラウンドステーションの李明観測員と「空気」収集設(shè)備は午前7時58分、瓦里関の山頂で準(zhǔn)備を整えていた。

8月30日に空撮された青海省海南蔵族自治州共和県瓦里関山の山頂に位置する中國大気バックグラウンド基準(zhǔn)観測所の瓦里関國家大気バックグラウンドステーション。撮影?馬銘言

李氏は、「雨、雪、砂ぼこり、雷の日は収集できず、または風(fēng)速が毎秒2m以下でも収集できない。風(fēng)速が低すぎると無風(fēng)狀態(tài)と見なされ、空気が十分に混じらない。このような空気は大気バックグラウンドの狀況を反映できず、局地的な狀況としかならない」と説明した。

「空気」を集める前にそのガラス瓶を空気で15分洗浄する。設(shè)備によって加圧された空気によりガラス瓶內(nèi)でパチパチという音がする。

李氏は午前8時ちょうどに息を止め、設(shè)備を操作し、空気の収集を開始した。

息を止めるのは、人の手で操作する際に吐き出す二酸化炭素（CO2）が大気バックグラウンドを汚染するのを回避するためだ。手動での操作を終え収集設(shè)備から遠(yuǎn)く離れると、李氏は大きく息をついた。2分間の空気収集完了後、李氏は再び息を止め設(shè)備に近寄り、手動で設(shè)備をオフにした。

李氏は午後8時から9時までにこのような作業(yè)を3回繰り返した。これらの「空気」は今週のユーラシア大陸奧地の大気成分の分析サンプルだ。

李氏は、「高山ステーションであるため、空気のサンプル採取には厳しい要求がある。午前9時を過ぎると上昇気流が麓の汚染物質(zhì)を運(yùn)び、観測データに影響を及ぼす」と述べた。

瓦里関バックグラウンドステーションの黃建青観測員は、「毎回採取されたサンプルを持ち麓に下り、中國気象局國家級大気成分実験室に郵送する。うち2本は世界気象機(jī)関GAW溫室効果ガスセンター実験室に送られ、同時に分析される。分析結(jié)果のデータは世界で共有される」と述べた。

8月30日、巡回點(diǎn)検を行う瓦里関國家大気バックグラウンドステーションの観測員。撮影?馬銘言

30年近くにわたり蓄積してきた大量のデータにより、瓦里関バックグラウンドステーションの科學(xué)研究チームはユーラシア大陸奧地の溫室効果ガスの濃度の変化を反映する「瓦里関カーブ」を作成した。このカーブは世界の気候変動を証明し、國連気候変動?xùn)樈Mみ條約をサポートする重要な根拠であり、中國が世界の生態(tài)環(huán)境ガバナンスに積極的に參加しこれを牽引するモデルの一つでもある。

中國大気バックグラウンド基準(zhǔn)観測所の李富剛所長は、「バックグラウンドステーションは中國內(nèi)外の複數(shù)の大學(xué)?科學(xué)研究機(jī)関と協(xié)力し、數(shù)十件の科學(xué)研究?試験を共同で展開している。バックグラウンドステーションは現(xiàn)在、全天候?高密度で30件の観測プロジェクトの計60件余りの観測要素を観測でき、毎日6萬件以上のデータを生成する。観測體制は主要大気成分をカバーしている」と説明した。（編集YF）

「人民網(wǎng)日本語版」2023年9月20日