精巧なセミがデザインされた明代の髪飾り「金蟬玉葉」
金蟬玉葉(南京博物院所蔵)
中國(guó)の古代の人々は、「金」と「玉」の組み合わせをこよなく愛していた。1954年、考古學(xué)者は蘇州五峰山で透き通るように白い「玉」の葉の上に金のセミをのせたデザインの裝身具である「金蟬玉葉」を発見した?!附鹣s玉葉」は、銀の笄2點(diǎn)、金?銀嵌寶玉插花4點(diǎn)、長(zhǎng)さ4.7センチの銀の柄と共に被葬者の頭部の位置から出土した。柄の先には、銀の小さな臺(tái)があり、そこに開けられている小さな穴を通して金のセミ、玉の葉、銀の小さな臺(tái)が一體となっていたため、考古學(xué)者は「金蟬玉葉」は髪飾りとして使われたかんざしではないかと推定している。
「金蟬玉葉」には非常にリアルな金のセミが白い玉の葉の上にとまっているデザインとなっている。鑑定の結(jié)果、金の純度は95%で、セミの羽の厚さはわずか0.2ミリであることが分かっている。また玉は白玉の中でも特に上質(zhì)とされる新疆維吾爾(ウイグル)自治區(qū)和田(ホータン)産の「羊脂白玉」で、厚さは2ミリとこれもとても薄い。
明代の商品経済は発達(dá)しており、シルクと綿紡績(jī)の2大産業(yè)が臺(tái)頭し、蘇州や杭州、寧波などのエリアはファッションの流行発信地となっていた。そして、ファッションの一部でもあるヘアスタイルもまた、「ファッションリーダー」たちにとって無(wú)視できないものだった。そのためこの「金蟬玉葉」も貴族の女性の頭部を美しく輝かせる裝身具として使われていたとみられている。
また、古代の人々はセミは「朽ち木の生まれ変わり」であり、「繭を破って生まれ変わる」と考えていた。そのため穢れを知らないセミは縁起が良く、そこに長(zhǎng)壽の思いも込められるなど、古代の人々に非常に好まれた。さらに中國(guó)の伝統(tǒng)文化において、金と玉はいずれも品の高さや富の象徴となっているため、金と玉は最高の組み合わせとみなされている。2008年の北京オリンピックのメダルにも金に玉を埋め込む技術(shù)が採(cǎi)用された。近代五輪の100年の歴史において、複數(shù)の材料でメダルが作られたのはこれが初めてのことで、中國(guó)の伝統(tǒng)文化がそこに融合され、「玉を用いて徳を表す」という中華民族の伝統(tǒng)的な価値観が発揚(yáng)された。(編集KN)
中國(guó)の文化財(cái)は語(yǔ)る
博物館は人類文明を保護(hù)し、伝承する重要な場(chǎng)。博物館に所蔵されている文化財(cái)は埃をかぶった骨董品ではなく、いずれも民族の生きてきた証となる生きた伝承だ?!钢袊?guó)の文化財(cái)は語(yǔ)る」では毎回博物館に所蔵されている文化財(cái)の紹介を通じて、文化財(cái)に込められた中國(guó)の文化と精神について紹介していく。
「人民網(wǎng)日本語(yǔ)版」2023年10月10日
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