大英博物館から中國(guó)の文化財(cái)「玉壺」が脫出するミニドラマが話題に
「私を中國(guó)に連れ帰ってくれる?」。中國(guó)で最近、「大英博物館からの脫出(ESCAPE FROM THE BRITISH MUSEUM)」というタイトルのミニドラマが各オンライン動(dòng)畫(huà)プラットフォームで話題になっている。これまでに予告編と第1話、第2話が公開(kāi)され、その長(zhǎng)さは合わせて10分未満であるものの、瞬く間に話題をさらった。多くの人が、「この動(dòng)畫(huà)を見(jiàn)ると、心を揺さぶられ、強(qiáng)い共感を覚える。寄せられているコメントを見(jiàn)るだけでも、涙が出てくる」との聲を寄せている。文匯報(bào)が報(bào)じた。
ミニドラマは文化財(cái)を擬人化したストーリー。文化財(cái)?玉壺の化身であるヒロイン「小玉壺」は黃緑色の漢服を著て、頭には黃緑色の髪飾りを付けている。冒頭部分では、汚れた顔でカバンを背負(fù)った彼女がロンドンの街中で男性主人公である中國(guó)人記者に遭遇する。黃色人種で、中國(guó)語(yǔ)を話すこの男性を見(jiàn)て、彼女は、「自分と同郷の人間だ」と気付く。そして「同郷の人間に會(huì)えたなら、もう安全だ」と感じ、どんな困難があっても必ず生まれ故郷に帰ろうと決意する「小玉壺」を見(jiàn)た中國(guó)人視聴者たちは、心を大きく揺さぶられている。
「大英博物館からの脫出」を製作したのは90後(1990年代生まれ)のうp主「煎餅果仔」と「夏天妹妹」。彼らによると、ちょっとしたきっかけでこのミニドラマを製作することにしたという。今年初め、ネット上で、「大英博物館の中國(guó)の文化財(cái)を擬人化して帰國(guó)する物語(yǔ)を見(jiàn)たい」という書(shū)き込みを見(jiàn)た「煎餅果仔」は、「待ってて」とコメントした。始めは冗談や思い付きのアイデアと思っていたものの、思いがけず、情熱的な若者が集まり、ミニドラマを製作することになった。そして、「煎餅果仔」と「夏天妹妹」は、資料をチェックするなど、約半年かけて準(zhǔn)備し、3ヶ月間にわたり動(dòng)畫(huà)の更新を休止して、さらに、業(yè)務(wù)提攜を解消し、わざわざ英國(guó)まで足を運(yùn)び、中國(guó)から流失した「玉壺」が大英博物館から脫出するミニドラマを製作した。
數(shù)日前、大英博物館の大量の所蔵品が所在不明になっているというニュースが流れ、世界を騒然とさせた。同時(shí)に多くの國(guó)が大英博物館に対して、文化財(cái)返還を求めている。そのため、ミニドラマ「大英博物館からの脫出」の公開(kāi)はまさにタイムリーで、海外に流出した中國(guó)の文化財(cái)の1日も早い返還を願(yuàn)う中國(guó)の人々の気持ちを代弁している。あるネットユーザーが、「穏やかな気持ちで大英博物館を出ることができない」との聲を寄せているように、「大英博物館からの脫出」を見(jiàn)るとまさに穏やかな気持ちでいることはできない。雰囲気こそコミカルなミニドラマが、一夜のうちに大きな話題となったのは、海外に流出した中國(guó)の文化財(cái)返還を強(qiáng)く願(yuàn)う中國(guó)人の心を揺さぶる內(nèi)容だったからだ。
若者からなるグループが自分たちで製作し、商業(yè)的な利益もなければ、巨額の投資もないものの、このミニドラマの各所には「匠の心」や「工夫」を目にすることができる。その細(xì)部までこだわった?jī)?nèi)容を、同じ思いを抱くネットユーザーも一つ一つ見(jiàn)つけている。例えば、ヒロインの「小玉壺」について、あるネットユーザーは、「大英博物館において、『中華纏枝紋薄胎玉壺』は、『一番若い子供』であるため、彼女はずっと同じく大英博物館にいる『お兄ちゃんやお姉ちゃん、おじさん、おばさん、おじいちゃん、おばあちゃん』の文化財(cái)たちへの思いを口にしている」との聲を寄せている。また、男性主人公の名前は「張永安」で、弾幕を見(jiàn)ると、「大英博物館に展示されている陶磁器の枕には、『家國(guó)永安』と書(shū)かれている?!杭覈?guó)永安』という4文字を枕にデザインする意味を理解できるのは中國(guó)人だけだろう」との聲が寄せられている。さらには買(mǎi)い物かごに茶葉をたくさん入れる「小玉壺」についても、ネットユーザーは、専門(mén)家の分析を引用し、「昔、はるか海のかなたに渡る時(shí)、波で船が揺れて、割れることがないよう、陶磁器の中にも、外にも茶葉が詰められた」と説明している。
元故宮博物院院長(zhǎng)の単霽翔氏が、「文化財(cái)は、それが生まれた場(chǎng)所で展示されてこそ、尊厳が守られる。孤獨(dú)に海外に流出してしまうと、尊厳が損なわれてしまう」としているように、文化財(cái)は、文明の目印となるものであり、生まれ故郷に戻すのが一番良い選択となるはずだ?!讣屣灩小工?、「今回の製作は決意表明であり、セルフメディア関係者の熱意がこもっている。それは、中國(guó)人の心の奧にある意地でもある!」と話す。 「大英博物館からの脫出」が大きな話題となり、多くの人が共感を覚えていることは、今の若者も、中國(guó)の民族が代々変わることなく受け継いできた文化を通して己を知る心、國(guó)、故郷を愛(ài)する心を抱いていることを物語(yǔ)っている。(編集KN)
「人民網(wǎng)日本語(yǔ)版」2023年9月5日
注目フォトニュース
関連記事
- 唐代のオシャレ女性たちのファッションをチェック!
- 「持ち主に返還を!」 大英博物館収蔵の中國(guó)文化財(cái)は2萬(wàn)3千點(diǎn)
- 38年間にわたり文化財(cái)保護(hù)を続ける麥積山石窟文化財(cái)修復(fù)師 甘粛省
- 2800年前の「幸運(yùn)の錦鯉」はどんな感じ?
- 「梅瓶」に見(jiàn)る中國(guó)の美學(xué)
- 2千年の時(shí)を経ても変わらぬ鋭利さと美しさ保つ「越王勾踐剣」
- 中國(guó)の陶磁器を理解する上で決して見(jiàn)逃せない唐三彩のラクダとは?
- 博物館に行って「じわじわくる文化財(cái)」を探すのが中國(guó)で人気に
- 3000年前の「金箔パック」?
- 7ステップで唐代メイクをマスターしよう!
掲載された記事、寫(xiě)真の無(wú)斷転載を禁じます。
Tel:日本(03)3449-8257 Mail:japan@people.cn