ネットユーザーはソーシャルメディア「小紅書」での投稿

中國(guó)では今シーズンの冬、アウトドアジャケットが爆発的に売れている。ダブル11（11月11日のネット通販イベント）には、あるECプラットフォームのアウトドアジャケットの売上高が前年同期比で200％増となった。また、あるソーシャルメディアでは、「アウトドアジャケット」関連の書き込みが148萬(wàn)件以上に達(dá)し、「アウトドアジャケット」関連の話題の閲覧數(shù)が8億回を超えている。あるネットユーザーが「街中でも、地下鉄でも、會(huì)社でも、顔をあげればアウトドアジャケットだらけ」といった聲を上げているのも頷ける。

アウトドアジャケットには通常、合成繊維といった軽量の素材が使われており、防風(fēng)性や防水性、透濕性といった機(jī)能を備えている。機(jī)能型の衣類であるアウトドアジャケットは、登山やハイキングに行く人の間でまず流行した。

今世紀(jì)初め、一部の海外のアウトドアブランドが中國(guó)に進(jìn)出したのを機(jī)に、中國(guó)産のアウトドアジャケットブランドも次々登場(chǎng)し、アウトドアジャケットが少しずつ中國(guó)の消費(fèi)者の視野に入るようになった。他の服とも合わせやすく、防風(fēng)性と防水性に優(yōu)れ、丈夫で、汚れに強(qiáng)く、1著あれば様々なコーディネートを楽しむことができるだけでなく、季節(jié)を問(wèn)わず著用することもできる。ただ、アウトドアジャケットは、その色の派手さと、デザインもワンパターンであることが多いため、「ダサい」、「田舎臭い」と思われがちだった。

多くの人は、出かけるにしても、仕事に行くにしても、特にわざわざお灑落なコーディネートをする必要は無(wú)いにしても、許容範(fàn)囲の中で他人から見(jiàn)ても、自分自身でも心地よい服を著たいと考えている。そしてせわしないオフィスで、目の前には書類が山積みになっていたとしても、アウトドアジャケットを著れば、まるで思い立ったらすぐに旅立てるような気分になり、仕事に立ち向かおうという勇気が湧いてくるようだ。

アウトドアジャケットが「カッコいい」や「クール」と見(jiàn)られるようになっていることは、ファッショントレンドの変化を反映している。ここ數(shù)年、中國(guó)ではキャンプやサイクリング、都市を気ままに散策して沒(méi)入型體験を楽しむ「シティウォーク」といったアウトドアスポーツが若者の間で人気となっている。ソーシャルメディアの牽引の下、ファッション界でも、「アウトドア系」や「機(jī)能型」などが登場(chǎng)しており、そんなトレンドに乗ったうちの一つがアウトドアジャケットだと言える。アウトドアジャケットを著て自分らしさや個(gè)性を表現(xiàn)するというのは、実際には消費(fèi)における自身の選択も示している。

そして若い消費(fèi)者の間でブームとなっているのを背景に、アウトドアジャケット市場(chǎng)が大きく拡大している。例えば、浙江省臺(tái)州市三門県だけでも、アウトドアジャケットメーカーが300社以上あり、年間約6000萬(wàn)著が生産されている。ただ、世界的に有名なブランドと比べると、中國(guó)ブランドのアウトドアジャケットは品質(zhì)や機(jī)能といった面で、さらなる向上が必要だ。こうした観點(diǎn)からみると、アウトドアジャケットをめぐる「小さな物語(yǔ)」は、実は中國(guó)の消費(fèi)のモデル転換?高度化という「大きな物語(yǔ)」の縮図となっている。中國(guó)の人々のより実用的でありながら、よりファッショナブルなコーディネートをしたいという期待に応え、アウトドアジャケットは、登山アイテムから、「普段著」となり、業(yè)界のモデル転換?高度化がさらに促進(jìn)され、新たな道が切り開かれることになるに違いない。（編集KN）

「人民網(wǎng)日本語(yǔ)版」2023年11月29日