上海の崇明島から日本の広島へ 1100キロをつないだ「電波の架け橋」
上海の崇明區(qū)放送局が放送するFMラジオの朝番組「生活直通車」は、放送開始から間もなく5年を迎える。番組には毎日リスナーからメッセージやメールが屆くが、およそ1ヶ月前、1100キロ離れた日本から一通の手紙が屆き、スタッフを驚かせた。上海テレビ「中日新視界」が伝えた。
差出人は、日本の広島県東広島市に住むアマチュア無線愛好者の檜山良直さん(61)。手紙には、「5月30日午前9時(shí)ごろ、家のアンテナが偶然、上海?崇明の『生活直通車』という番組を拾いました。長さは約15分でした。記念として、私が作った『聴取証明書』に放送局の公印を押していただければうれしいです」と書かれていた。
崇明區(qū)放送局の番組は、FM88.7ヘルツとFM102.5ヘルツで、高さ120メートルのラジオタワーから発信され、通常、崇明三島や浦東、江蘇省南部など半徑約100キロの範(fàn)囲しかカバーできない。では、1100キロも離れた広島市の檜山さんが電波を拾えたのは、一體なぜなのだろう?放送局のエンジニアによると、當(dāng)時(shí)、ほぼ夏にしか起こらない電離層の反射で、電波が反対側(cè)の海の方向に飛び、檜山さんが偶然にも、受信機(jī)を102.5ヘルツに合わせ、この不思議な「縁」が結(jié)ばれたのだという。
上海の放送を聞いたことの証拠として、檜山さんは、録音した「生活直通車」の音聲を記録したCDを手紙に同封していた。また、厚紙で作られたCDのカバーには、天気予報(bào)、ニュース、音楽など、番組の內(nèi)容が書かれていた。
手紙や聴取証明書を中國語で書くというのは、檜山さんにとって簡単なことではない。檜山さんは最初ネット上の翻訳ソフトで訳してみたものの、きちんとした中國語で書かなければ中國の人たちに失禮だと思い、わざわざ本屋に行き、「中國語入門」や「中國語?手紙の書き方辭典」など5冊の本を買って、2日間かけて何度も書き直したという。そして、日本の銀行で両替した10元(1元は約19.8円)を同封し、「返信の郵便代として使ってほしい」とのメッセージを添えた。
檜山さんの熱心な思いに、「生活直通車」の番組スタッフは感動(dòng)し、返信することにした。スタッフは返信を日本語で書き、さらに、放送局の公印を押した「聴取証明書」のほか、崇明島の歴史と文化が伝わるようにと、地元の記念グッズを選んで同封した。
その他、上海放送局の番組「中日新視界」のスタッフも檜山さんにメールを送った。すると、驚くことに、檜山さんから返事が屆いた。そこには、ぜひ上海メディアの大きな反響に面と向かって感謝を示したいと、動(dòng)畫が添付されていた。
檜山さんは動(dòng)畫の中で、「こちらは、日本広島県東広島市。私は、ラジオを聞くのが好きな檜山といいます。この度、上海の崇明ラジオという放送局の電波を偶然こちらで受信し、そのことを手紙に書いて、送ったところ、たいへんな反響があったようで、昨日、たくさんの記念品が屆きました。崇明ラジオを聞いたのは、本當(dāng)に數(shù)分間だけだったんですが、たいへんな反響があって、びっくりしています」と語っている。
檜山さんがその時(shí)に使用した受信機(jī)のシステム。
「無線捜しは、不確定さが最大の魅力ですが、発信した人は、心の何処かで返事を待っているはず」というのが、アマチュア無線愛好者の共通の思いとなっている。夏に起こる電離層のおかげで、上海の崇明島と日本の広島の間に、虹のように消えてしまう束の間の「電波の橋」が架けられた。そして、中國?上海の番組スタッフと日本?広島の檜山さんが積極的に交流する「民間交流劇」は、見る人を溫かい気持ちにさせてくれる。これこそが、「山川域を異にすれども、風(fēng)月天を同じうす」という言葉の真意なのかもしれない。(編集KN)
「人民網(wǎng)日本語版」2023年8月2日
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