小島康譽氏はユニークな経歴を持つ僧侶だ。1966年に寶石會社を立ち上げ、26年にわたり會社を発展させ、161店舗を抱える上場企業(yè)にまで育てあげ、経営が一番波に乗っていた1987年に得度し、僧籍に入ったという。常に笑顔を浮かべ、一見すると溫厚な普通の高齢男性にしか見えない小島氏だが、実は新疆維吾爾（ウイグル）自治區(qū)人民政府の文化顧問や烏魯木斉（ウルムチ）栄譽市民、新疆大學(xué)名譽教授、清華大學(xué)客員研究員、中國歴史文化遺産保護ネットワーク理事長、尼雅（ニヤ）遺跡と丹丹烏里克（ダンダン?ウィリク）遺跡における中日共同學(xué)術(shù)調(diào)査の日本側(cè)隊長など、中國に関係するさまざまな肩書きを有しており、そこから「現(xiàn)代の阿倍仲麻呂」と呼ばれたこともあるほどだ。人民網(wǎng)が報じた。

新疆で見聞したことを紹介する小島康譽氏（畫像は動畫のスクリーンショット）。

新疆の「目を疑うような発展」を目撃　砂漠が「希望の海」に

小島氏が初めて新疆を訪問したのは1982年のこと。當時、寶石ビジネスをしていた小島氏は、「新疆には素晴らしい寶石が出る」と聞いて、「寶探し」のために新疆を訪問した。新疆でのビジネス展開は大成功とまではいかなかったものの、その時に、「新疆の世界的文化遺産を見る機會があり、それ以來引き込まれて新疆に通うようになった」という。また、「新疆の人々の気持ちがやさしく、溫かく、それにも引き込まれている」と語る。そこから現(xiàn)在に至るまで、小島氏と新疆は深い絆を築いてきた。小島氏は、「これまでに新疆を150回以上訪問し、『新疆は僕にとっての第二のふるさと』」としみじみと語る。

小島氏はこの40年間、「目を疑うような発展」を目にしてきたといい、「以前『死の海』と呼ばれていたタクラマカン砂漠は今、『希望の海』となっている。砂漠を橫斷する道路が3本建設(shè)されたほか、砂漠の周りを巡るように走る鉄道も建設(shè)された。新疆の都市の様子も一新し、人々の生活はどんどん豊かになっている」と話す。

中日共同調(diào)査を推進して得た多大な成果

小島氏は1986年に克孜爾（キジル）千仏洞を訪問し、「これは人類共通の文化遺産だと直感して、協(xié)力を始めた。そして新疆文化庁から、克孜爾以外に、尼雅遺跡と樓蘭（ロウラン）古城という合わせて3つの重要な遺跡があると聞いた。うち、尼雅遺跡は規(guī)模が多く、基本的な調(diào)査はしていないということだったので、すぐに日中共同の尼雅遺跡の調(diào)査を提案し、1988年から調(diào)査を始めた」という。

その後、7年間にわたり苦労を重ねた結(jié)果、尼雅遺跡からは1995年に有名な「五星出東方利中國」という漢代の錦織が発掘された。その成果は、「20世紀の中國考古學(xué)におけるもっとも偉大な発見」とされた。

さらに、小島氏が関與した丹丹烏里克遺跡の発掘調(diào)査では、「西域のモナリザ」と稱される、貴重な壁畫が発掘された。壁畫について、研究者は、法隆寺の金堂舊壁畫の鉄線描の源になっているのではないかと分析している。この成果もまた、長い歴史を誇る中日文化交流の裏付けとなった。

自ら書いた「五星出東方利中國」を見せる小島康譽氏（畫像は動畫のスクリーンショット）。

新疆で「人を育てる」ことをサポート　地元の人々から感謝

小島氏は、「人が社會を作り、國を作り、文化を作るため、人を育てることは特に大切」と考え、新疆において文化遺産共同調(diào)査を推進しながら、1986年には、新疆大學(xué)に奨學(xué)金を設(shè)立した。小島氏は「當時の生活費は1ヶ月25元（1元は約19.9円）だったため、その1年分ほどの額とした。これまでに、約4500人の大學(xué)生が奨學(xué)金の支援を受けてきた」と振り返る。

また新疆の文化発展を促進し、文化人材を育成すべく、小島氏らは1998年に、「新疆文化?文物事業(yè)優(yōu)秀賞」を立ち上げ、これまでに約400人に授與してきた。

このように新疆の発展に多大な貢獻をしてきた小島氏は、地元で最も尊敬を集める外國人の一人となっている。小島氏によると、「ある時、タクシーでお金を払おうとすると、運転手から『あなた小島先生ですよね。お金はいりません。妹が新疆大學(xué)の奨學(xué)金をもらっていたので、とても受け取れない』と言われた。結(jié)局、名刺にサインして運転手に渡した」という。

「若者には國際協(xié)力について考えてほしい」

新疆と交流するようになってからこれまで約40年間、小島氏は多大な貢獻を果たし、中國全國人民代表大會の「環(huán)境と資源保護委員會栄譽賞」や中國文化部（?。肝幕涣髫暙I賞」、烏魯木斉市「栄譽市民」、中國人民対外友好協(xié)會「人民友好使者」といった賞を受賞してきた。また新疆維吾爾自治區(qū)政府は、2001年に「小島康譽氏の新疆來訪20周年記念大會」、2011年には「小島康譽氏の新疆文化文物事業(yè)開始から30周年記念座談會」を、さらに今年9月には、「小島康譽氏新疆來訪40年記念講演」を開催した。

新疆を愛する小島氏は、新疆の各民族の人々を含む中國の人々が自分のことをよく理解し、高く評価してくれているとしみじみと感じている。そのような相互理解や相互尊重が、小島氏が40年にわたり、日本と新疆の交流を促進し続ける原動力となってきた。

小島氏は、「世界には、國が約200、民族は3000から4000ある。それぞれ、文化も、歴史も、言語も違う。しかし、一つの國だけでは生きていけない?；イい俗鹬丐贰⒗斫猡泛悉铯胜堡欷肖胜椁胜?。21世紀は、『國際協(xié)力の世紀』と言われている。若者には『國際協(xié)力』について考えてほしい、自分もできたら『國際協(xié)力』の端っこでいいから、何かできるようにしてほしい」とした。（編集KN）

「人民網(wǎng)日本語版」2023年12月26日