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精巧さに思わず息をのむ「曾侯乙尊盤」

中國の文化財(cái)は語る

人民網(wǎng)日本語版 2024年05月21日09:39

曾侯乙尊盤(湖北省博物館所蔵)

曾侯乙尊盤(湖北省博物館所蔵)

「曾侯乙尊盤」を目にした多くの人は、その精巧さを極めた作りに思わず息をのんでしまうことだろう。あまりにも緻密な作りであるため、3Dスキャンを使ってモデリングすることもできないこの文化財(cái)は、約2400年前の戦國時(shí)代の職人の手によって作り出された。

尊盤は、盛酒器の「尊」と水を注ぐための器「盤」を組み合わせた文化財(cái)だ。冬に「盤」に熱湯を注ぐと、「尊」の中の酒を溫めることができる。一方、夏には「盤」に氷を入れて、「尊」の中の酒を冷やすことができる。このように冬にも夏にも使える大きな魔法瓶のような用途で使用される。

「盤」の裏には、戦國曾の君主「曾侯乙」が最後まで使っていたことを意味する「曾侯乙作持用終」という銘文が刻まれている。研究により、この銘文は、曾侯乙がこの「尊盤」を最初に使った人ではなく、曾侯が3代にわたって使ったことを示していることが分かっている?!缸鸨P」は、曾侯乙のお?dú)荬巳毪辘我黄筏?、先代が使っていたものを受け継ぎ、自分の名前を刻み直して、死後も副葬品として埋葬されたとみられている。

「尊」の口周りの裝飾は、遠(yuǎn)くから見ると雲(yún)の形にも見えるが、実際には絡(luò)み合っているたくさんの竜と蛇からなる「鏤空(透かし彫り)」?fàn)瞍窝b飾となっている?!缸稹工问驻尾糠证摔?、こちら側(cè)を向いて舌を出し、上に向かって這い上がるヒョウ4頭がデザインされている。ヒョウの體にも透かし彫りで竜や蛇がデザインされている。「尊」の胴の部分や腰の部分には竜が絡(luò)み合って唐草狀になったものを文様化した「蟠螭文」や竜のレリーフがデザインされている。「尊」全體になんと竜が28頭、蟠螭が32頭もデザインされている?!副P」も複雑な作りで、その4つの取っ手にも、無數(shù)の竜や蛇の透かし彫りの裝飾があり、その下には、透かし彫りの夔竜が8頭デザインされている?!副P」の足は、4頭の雙身竜の立體彫刻からなり、「盤」の竜は計(jì)56頭、蟠螭は48頭にもなる。そして「尊」の口から「盤」の足に至るまで、蟠虺(縮こまった小さな蛇、青銅紋飾の一種)が1千匹以上もデザインされており、細(xì)部まで丁寧に裝飾が施され、「尊盤」は、思わず息をのむほどの素晴らしい作品となっている。

「曾侯乙尊盤」は非常に複雑な上、精巧な作りで、特に透かし彫りの裝飾が至るところに施されている。そして、表面は全て獨(dú)立していて、互いに連結(jié)しておらず、銅の棒だけで支えられている。科學(xué)的鑑定により、「曾侯乙尊盤」は、渾鋳や分鋳、溶接、失蝋法といった數(shù)多くの技術(shù)が駆使されており、尊には34のパーツ、盤には38のパーツがあることが分かっている。また、56ヶ所と44ヶ所を鋳造、溶接して一體にしており、パーツがこれほど多く、これほど多くの部分が溶接されている文化財(cái)は非常に珍しい。蝋原型を溶かして鋳型を製作する「失蝋法」は、「尊」と「盤」の口の透かし彫りの裝飾に採用されており、2000年以上前に、中國ではすでにこの技術(shù)を採用して青銅器が鋳造されていたことを裏付けている。そして、非常に高い鋳造技術(shù)を駆使して、造形美が素晴らしい作品が作られていたことが分かる。(編集KN)

中國の文化財(cái)は語る

博物館は人類文明を保護(hù)し、伝承する重要な場。博物館に所蔵されている文化財(cái)は埃をかぶった骨董品ではなく、いずれも民族の生きてきた証となる生きた伝承だ?!钢袊挝幕?cái)は語る」では毎回博物館に所蔵されている文化財(cái)の紹介を通じて、文化財(cái)に込められた中國の文化と精神について紹介していく。

「人民網(wǎng)日本語版」2024年5月21日

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