フィンランドとスウェーデンがNATOへの加盟を申請するという決定を相次いで発表した。両國は今後數(shù)日中に正式に申請する可能性が高い。NATOの過去5回の東への拡大を踏まえると、今回の両國の加盟は6回目の東への拡大と言え、そして「北への拡大」とも言えるだろう。(文:王義桅?中國人民大學(xué)習(xí)近平による新時(shí)代の中國の特色ある社會主義思想研究院副院長、EU研究センター主任。環(huán)球時(shí)報(bào)掲載)
両國の加盟は、NATOあるいは米國に何をもたらすのか。地理的には、フィンランドはロシアと1300キロメートルにもわたり陸上國境を接している。フィンランドの加盟は、NATOのロシアとの陸上國境の総延長が2倍になることを意味するうえ、コラ半島やサンクトペテルブルクなどロシアの戦略要地や重要都市との距離が一層縮まることになる。これは同時(shí)に、北歐5ヶ國全てがNATOに加盟し、NATOのロシアに対する地政學(xué)的封じ込めが一層強(qiáng)化されることも意味する。
フィンランドの加盟は、NATOに多大な利益ももたらす。フィンランドは現(xiàn)役部隊(duì)の規(guī)模で歐州上位にあり、予備役も90萬人いる??哲姢螰18戦闘機(jī)などを保有しているうえ、近く最先端のF35にアップグレードする。その防衛(wèi)システムは、NATOのシステムとの互換性が他の少なからぬ歐州諸國より高い。NATOに加盟することで、フィンランドはスカンジナビア諸國やバルト諸國と共に、より大きな対露抑止力を形成することとなる。
スウェーデンはかつての北方の強(qiáng)國であり、強(qiáng)大な革新的工業(yè)システムを持ち、軍需企業(yè)として名高いSAABも擁する。フィンランドとスウェーデンがNATOの北方防衛(wèi)の最前線へと変わることで、武裝が加速し、歐州の安全保障に対する米國の投入が減少することは間違いない。このため米國は、アジア太平洋地域へ、より注意を向けようとするかもしれない。実際、すでにNATOは中國に矛先を向けているのだ。
NATOは冷戦の産物であり、その再拡大は冷戦によって利益を得る「狂気の再來」と言えるだろう。NATOの最終目標(biāo)は、ソ連を崩壊させたのに続いてロシアも崩壊させるだけではなく、ある意味において、経済グローバル化の拡大に「挫折」した西側(cè)文明が、安全保障を拡大することで「西側(cè)中心主義」の神話を書き続けようとするものでもある。敵を探し求め、脅威を作り、自分達(dá)と異なる者達(dá)をなくすことが、NATOの拡大論理である。拡大し、敵を作ることで合法性を追求するNATOは、本質(zhì)的に「力は正義なり」の論理から抜け出していないのだ。(編集NA)
「人民網(wǎng)日本語版」2022年5月17日