今年の中國大學統(tǒng)一入學試験(通稱「高考」)は、6月7日から10日にかけて実施されることがこのほど明らかになった(具體的な実施日は各地によって異なる)。毎年この時期になると、中國では高考に関する話題に事欠かない。受験生が大変なのは當然ながら、保護者の力の入れようも日本の所謂「お受験」に引けを取らない。今回はそんな高考を支える保護者の奮闘ぶりを紹介していこう。人民網(wǎng)が伝えた。
そもそも高考って何?
まず最初に「高考」について簡単に紹介してみよう。「高考」はその正式名稱を「普通高等學校招生全國統(tǒng)一考試」といい、毎年6月上旬に行われる中國の大學統(tǒng)一入學試験。國立大學だけでなく、私立大學に進學する場合も「高考」を受ける必要がある。中國では私立大學は全體の3割未満となっており、私立大學が7割以上を占める日本とはかなり違う。中國の大學進學率は年々上昇しており、今年の受験生の數(shù)は1100萬人の大臺を超えるのではないかとみられている。
また、その名稱は「統(tǒng)一」となっているものの、試験問題は省によって異なる。難易度の異なる全國試験問題が複數(shù)あるほか、オリジナルの試験問題を採用する省もある。受験科目も省によって異なるが、基本的には、語文(中國語)、數(shù)學、外國語が必須でそれぞれ150點満點、それに文系または理系の科目が加わり、合計750點満點となっている。
そしてもう1つ、日本の大學入學共通テストと大きく異なるのが、合格ラインが省によって異なること。例えば昨年、同じ試験問題を採用した12の省?市?自治區(qū)の合格ラインを比べてみると、安徽省の最低合格ラインが560點だったのに対し、青海省は456點と、なんと104點もの差があった。かつては全國統(tǒng)一の試験問題だったが、使用する教材や學力の差を考慮し、現(xiàn)在ではこういった試験問題も合格ラインも異なるスタイルが採用されている。
高考メニューで試験を乗り切ろう!
試験の概要を紹介しただけで、もう頭がクラクラしてきたので、ここからはそんな受験生たちを支える保護者の奮闘ぶりについて觸れていこう。日本でゲン擔ぎメニューと言えば、「ドーン(丼)と勝つ(カツ)」にちなんだカツ丼が有名だが、中國でもこういった同音ネタのようなゲン擔ぎのメニューや食べ物が各地にある。それらの名稱は、さすが悠久の歴史をもつ中國だけあって、なかなか奧深くてユニークだ。また試験前におススメの食べ物リストを見てみると、栄養(yǎng)學的な要素だけでなく、中醫(yī)學的な要素も考慮されているのが面白い。そして試験當日の朝食から、晝食(午前と午後の試験の間に3時間ほどの休憩時間があるので、晝食は自宅で食べる受験生も少なくない)、試験2日目に向けた夕食まで、合格への願いが込められたメニューで受験生たちをサポートしている。
體を張ってゲン擔ぎ!
そしてここ數(shù)年、特に話題を集めるようになっているのが、試験當日の「お見送り」に見られる保護者たちの「ゲン擔ぎパフォーマンス」だろう。なかでも有名なのが受験生の母親たちが「旗開得勝(旗を挙げるやすぐに勝利を手にする)」という成語にかけて著る「旗袍(チャイナドレス)」。この時期になると、チャイナドレスの売り上げが一気に2倍近くまで伸びるというから驚きだ。一方の父親も「馬到成功(軍馬が到著すれば即刻勝利が手に入る)」という成語にかけて、「馬褂(チャイナジャケット)」を著たり、暑い時期なので、ゲン擔ぎのフレーズなどがデザインされた特製Tシャツを著たりと忙しい。保護者だけでなく、チャイナドレスを著て受験生にエールを送る男性教師まで現(xiàn)れ、ちょっとしたお祭り騒ぎだ。
現(xiàn)在は、海外の大學を受験するケースも以前に比べて増えてはいるものの、高考における過酷な競爭は相変わらず。なぜなら中國では一流大學に入れるかどうかで、一生が左右されるといっても過言ではないからだ。それゆえ、中國の人々の高考に対する思い入れも尋常ではない。高考の時期が近付くと、決まってアイドルから有名人まで社會全體が応援メッセージを送るのも、この國ならではだろう。さすが「科挙」の國!上海市では新型コロナ感染拡大の影響で高考が1ヶ月延期となり、各地でも厳しいコロナ対策の中、受験生たちはラストスパートに入っている。受験生の皆さん、頑張ってくださいね!(文?イラスト?玄番登史江、袁蒙)。
イラストで知ろう!イマドキ中國
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「人民網(wǎng)日本語版」2022年6月2日