出土した象牙は、乾燥が加速し、ひびが入ったり、割れたりするため、その修復や保存は、世界的な課題となっている。四川省広漢市にある三星堆遺跡の祭祀坑から出土したほとんどの象牙も、出土した時點で、不完全で、乾燥が激しく、カビや菌が生え、粉を吹くなどの現(xiàn)象が見られた。そのため、文化財修復師たちは、できるだけスピーディにそれが1000年以上眠っていた土壌と同じ相対濕度の環(huán)境を作り出し、乳児を世話するかのように慎重に修復しなければ、その保護にはつながらず、二次的損傷が発生してしまう可能性もある。中國新聞網(wǎng)が報じた。
三星堆で新たに発見された6つの祭祀坑から出土した象牙を、三星堆文化財保護センターは、気溫18度、濕度70%を常に保った専用修復室を設置し、保管している。同修復室內(nèi)で、「象牙修復突撃隊」はこれまでに、象牙約650本のクリーニングと保護を?qū)g施してきた。
一人でも多くの人に、文化財が出土して修復するまでの全ての過程を至近距離で見てもらおうと、三星堆文化財保護センターは、約1千平方メートルの保護修復館を建設した。同館に入ると、SF映畫の世界に足を踏み入れたような気分になる。そこには、修復を待つ青銅神獣や多層青銅神壇といった文化財が作業(yè)臺に並べられていた。また、5號坑と6號坑はまるごと修復館に移送され、一定の溫濕度が保たれた大きな保護ケースに入れられていた。そして、白い防護服を著た修復師數(shù)人がその大きなケースの周りで、どのように修復を行うかについて話し合っていた。こうした様子を、來場者は全てガラス越しに見ることができる。
同センターの象牙修復師の尹歓さんによると、修復館內(nèi)には走査電子顕微鏡(SEM)やレーザーラマン分光裝置、X線検査裝置といった最先端設備が導入されており、文化財修復に科學的根拠を提供している。青銅器の欠損部分については、3Dプリント技術を活用して修復を行う計畫という。(編集KN)
「人民網(wǎng)日本語版」2022年7月18日