玉片2498枚を金の糸でつなぎ合わせた「金縷玉衣」
劉勝の金縷玉衣(河北博物院所蔵)
玉片を金の糸でつなぎ合わせ、鎧のように全身を覆った玉衣には、永遠(yuǎn)の命を望む古代の人々の思いが込められている。「玉匣」や「玉押」とも呼ばれる「玉衣」は、漢代の死裝束だ。すっぽりと全身を包む「玉衣」の玉片は、金の糸や銀の糸、銅の糸でつなぎ合わされている。なかでも金の糸を使ったものは「金縷玉衣」と呼ばれ、最高級(jí)品となる。
古代の人々は、玉石を使うと、遺體は1千年以上腐敗しないと信じていた。遡って西周(紀(jì)元前1100年頃-紀(jì)元前771年)の頃から、人々の間では埋葬の際に死者の耳や口などに玉製品を詰める風(fēng)習(xí)が登場(chǎng)し、漢代には、遺體に「玉衣」が著せられるようになった。中國(guó)河北省で発見(jiàn)された満城漢墓から出土した「金縷玉衣」は、中國(guó)で初めて発見(jiàn)された最高規(guī)格で、保存狀態(tài)が最も優(yōu)れた「玉衣」だ。
「玉衣」の製作にはどれほどの手間がかかるのだろうか?
前漢の皇族?諸侯王である劉勝の墓から出土した「金縷玉衣」の長(zhǎng)さは188センチで、頭部のかぶり物、上著、ズボン、手袋、靴という5つの部分で構(gòu)成され、合わせて玉片2498枚と金の糸約1100グラムが使われている。極めて高価な材料が使われているだけでなく、その製造工程も非常に複雑だ。まず、「玉衣」は、遺體にぴったり合う大きさに仕上げなければならない。玉石は、カットし、穴を空け、美しく磨き上げるといった加工が必要で、さらに、金を叩いて板狀にして、それを細(xì)くカットして、さらに撚って細(xì)い糸に仕上げ、様々な編み方を駆使して玉片を繋ぎ合わせていかなければならないのだ。専門(mén)家は、前漢の時(shí)代のこの「玉衣」は、熟練した職人が約10年かけて製作し、その費(fèi)用は當(dāng)時(shí)の中産階級(jí)の財(cái)産100世帯分の総和に相當(dāng)するとしている。(編集KN)
中國(guó)の文化財(cái)は語(yǔ)る
博物館は人類(lèi)文明を保護(hù)し、伝承する重要な場(chǎng)。博物館に所蔵されている文化財(cái)は埃をかぶった骨董品ではなく、いずれも民族の生きてきた証となる生きた伝承だ。「中國(guó)の文化財(cái)は語(yǔ)る」では毎回博物館に所蔵されている文化財(cái)の紹介を通じて、文化財(cái)に込められた中國(guó)の文化と精神について紹介していく。
「人民網(wǎng)日本語(yǔ)版」2023年10月18日
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