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父の愛(ài)が込められたユニークな嫁入り道具

中國(guó)の文化財(cái)は語(yǔ)る

人民網(wǎng)日本語(yǔ)版 2023年10月24日13:24

晉公盤(pán)(山西博物院所蔵)

晉公盤(pán)(山西博物院所蔵)

古代の君主は娘の嫁入り道具に金銀寶石や美しい絹織物のほかに、どんなものを準(zhǔn)備したのだろうか?今回紹介する「晉公盤(pán)」は、「春秋五覇」の1人である晉の文公が愛(ài)娘のために特別に作らせた嫁入り道具だ。

青銅製の晉公盤(pán)は洗面器のような道具で、「匜(イ)」と呼ばれる水差しとセットで使用される。匜で水を注ぎ、盤(pán)に水を張り、手を差し入れて洗う。晉公盤(pán)は中央部分にとぐろを巻く2匹の竜が精緻な浮き彫りでデザインされているほか、鳥(niǎo)や亀、魚(yú)、カエルなどさまざま動(dòng)物の飾りがちりばめられている。なによりユニークなのは、これら19個(gè)ある動(dòng)物の飾りはすべて360度回転させることができる點(diǎn)だ。水を流し込むと、盤(pán)上の動(dòng)物たちは命を吹き込まれたように、水鳥(niǎo)は嘴を開(kāi)けたり閉じたりし、亀は頭を出したり引っ込めたりし、魚(yú)は見(jiàn)えつ隠れつしながら泳いでいるように、カエルは追いかけっこをしているように見(jiàn)え、鳥(niǎo)のさえずりがいつまでも響き渡るように感じる。愛(ài)娘がまだ幼かった頃、一緒に池の畔で楽しく遊んだ、そんな美しい思い出の一瞬を再現(xiàn)したような作品となっている。

2600年も昔に作られた晉公盤(pán)は、現(xiàn)代のおもちゃと比較しても引けを取らないほどの精巧さだ。では晉國(guó)の職人達(dá)はどうやってこれを作ったのだろうか。専門(mén)家がX線(xiàn)-CT(コンピュータ斷層撮影)技術(shù)を使って、その鋳造の秘密を明らかにした。

晉公盤(pán)は別々に鋳造したパーツをつなぎ合わせる方法で作られており、持ち手の「附耳」、人の形をした3本の腳、動(dòng)物の飾り、盤(pán)本體がすべて別々に鋳造されている。最も精緻な作りとなっているのは動(dòng)物の飾りで、すべて內(nèi)部に支柱が隠されている。鋳造した際に、まずはこれらの支柱を作り、支柱の上部先端に丸いパーツを取り付け、そこに銅製の動(dòng)物の形をした一対の外枠をはめる。このような構(gòu)造で、動(dòng)物が360度回転することを可能にしている。

精巧でかわいらしい晉公盤(pán)は、2600年も昔の職人の技術(shù)を現(xiàn)代まで伝えているだけでなく、春秋時(shí)代の晉國(guó)の総合的な國(guó)力の強(qiáng)大さも示している。そしてこれはまた、青銅文明の証人であり、青銅文化を継承し伝承する存在でもある。

晉公盤(pán)はその変わった外観やユニークで精巧な作りの素晴らしさだけでなく、そこに記されている銘文にも奧深い意味が込められている。內(nèi)側(cè)の7ヶ所に記された全183字の銘文は、まず晉國(guó)の祖先である唐叔虞が周の武王の天下平定を補(bǔ)佐した史実までさかのぼり、次に文公の父親の獻(xiàn)公が領(lǐng)土を広げた功績(jī)を記し、最後は娘の孟姫に対する要望と希望を記し、娘が永遠(yuǎn)に喜びに包まれ安らかであるようにとの願(yuàn)いがつづられている。文公の時(shí)代の晉國(guó)の隆盛をうかがわせるとともに、父親の娘に対する盡きせぬ愛(ài)情を余すところなく示している。(編集KS)

中國(guó)の文化財(cái)は語(yǔ)る

博物館は人類(lèi)文明を保護(hù)し、伝承する重要な場(chǎng)。博物館に所蔵されている文化財(cái)は埃をかぶった骨董品ではなく、いずれも民族の生きてきた証となる生きた伝承だ?!钢袊?guó)の文化財(cái)は語(yǔ)る」では毎回博物館に所蔵されている文化財(cái)の紹介を通じて、文化財(cái)に込められた中國(guó)の文化と精神について紹介していく。

「人民網(wǎng)日本語(yǔ)版」2023年10月24日

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