データによると、第13次五カ年計(jì)畫期間中、中國(guó)のエンゲル係數(shù)は低下を続け、2016年の30.1％から19年には28.2％まで下がった。そもそもエンゲル係數(shù)とは何か。その持続的な低下は何を意味し、どんな意義があるのか。
エンゲル係數(shù)とは？
エンゲル係數(shù)は経済學(xué)における非常に重要な指標(biāo)の1つであり、家計(jì)の消費(fèi)支出に占める食費(fèi)の割合を指す。わかりやすく言えば、家計(jì)全體のうち、「口の中に入れるもの」にどれくらいお金を使っているかを示すものだ。國(guó)民の生活水準(zhǔn)をはかる國(guó)際的な基準(zhǔn)であり、小康社會(huì)（ややゆとりのある社會(huì)）の全面的な完成における非常に重要な指標(biāo)でもある。
他の経済學(xué)の指標(biāo)の多くが「高ければ高いほどよい」のと違い、エンゲル係數(shù)は「低い方がよい」。國(guó)際的には、ある國(guó)や地域の人々の生活水準(zhǔn)を判斷するのによく利用され、そこでの暮らしが貧しければ貧しいほどエンゲル係數(shù)は高くなり、暮らしが豊かであればあるほど低くなる。國(guó)際的に通用している基準(zhǔn)では、ある國(guó)の平均的世帯のエンゲル係數(shù)が60％以上なら貧困レベルに入り、50-60％なら基本的な生活は保障されているレベル、40-50％は小康レベル、30-40％は相対的に豊か、20-30％は豊か、20％以下は極めて豊かとなる。19年の中國(guó)のエンゲル係數(shù)は28.2％まで低下し、國(guó)際連合が「豊か」だと判斷する基準(zhǔn)である20-30％に達(dá)した。
エンゲル係數(shù)の低下は、暮らしの中のどのような変化を示すか？
収入がさらに増加
この5年間、人々の収入が増加を続けたことが、エンゲル係數(shù)の低下を直接後押しした。第13次五カ年計(jì)畫綱要が確定した目標(biāo)では、15年の価格に基づいて計(jì)算し、20年の中國(guó)の個(gè)人平均可処分所得を3萬元（1元は約15.9円）に引き上げるとしていた。実際のところ、この目標(biāo)は19年にすでに達(dá)成済みだ。國(guó)家統(tǒng)計(jì)局の寧吉■（吉へんに吉）局長(zhǎng)（國(guó)家発展改革委員會(huì)副主任）の説明によると、19年に全國(guó)の個(gè)人平均可処分所得は3萬元を突破し、中國(guó)國(guó)民の生活の質(zhì)がさらに向上し、個(gè)人の所得水準(zhǔn)が上昇し、中所得層の規(guī)模がさらに拡大した。今年は新型コロナウイルス感染癥の影響を受けたにもかかわらず、第1-3四半期（1-9月）の平均可処分所得は2萬3781元に達(dá)し、前年同期に比べ名目で3.9％増加したという。
豊かになって生まれた食へのこだわり 選択肢がさらに多様化
エンゲル係數(shù)の低下が映し出しているのは、人々の消費(fèi)高度化という大きな趨勢(shì)だ。
暮らしの中でよく聞く「ご飯食べた？」というフレーズは、人情味あふれるあいさつであり、食が暮らしの中でどれほど重要かを物語るものでもある。メディアの調(diào)査によると、かつては隣近所で貸し借りしていた燃料?米?調(diào)味料?茶が、今では「ネットで買って宅配便で受け取る」、「モバイル端末でスキャンして買う」、「スマートフォンでデリバリーを頼む」ものに変わった。「舌で味わう味」について考えると、ダイエット食やトレーニング食、キッズ食をそれぞれ食べるようになり、「食べるものがない」が「おいしいものを食べる」へと変わり、さらに「賢く食べる」へと変化した。また、団體購(gòu)入、デリバリー、口コミ評(píng)価が密接にからみあい、モバイルインターネットがもたらした便利さとスピードがそこに映し出されている。過去數(shù)十年間で、中國(guó)人の食卓は食糧配給切符の時(shí)代の単調(diào)さや乏しさに別れを告げ、おいしさがますますレベルアップし、日々の暮らしもますます味わい深いものになった。
食べ物以外にもたくさんの選択肢が生まれ、暮らしの可能性が広がった。今、普通の人々の消費(fèi)習(xí)慣を観察すると、次のような変化に気がつく。航空券も高速鉄道の切符も1クリックで買え、いつでもどこでも「思い立ったが吉日の旅行」を始められるようになった。トレンドの國(guó)産ブランド製品が「郵送料込みですぐに注文できる」ようになり、若者たちのファッション需要を満たすようになった。ネットの動(dòng)畫サイト會(huì)員になって國(guó)産ドラマを毎回見るようになり、文化?娯楽にお金を払うのが當(dāng)たり前のことになった。質(zhì)の高い輸入商品がますます多くの一般世帯の暮らしに入り込み、「中國(guó)でトレンドのブランド」がしばしば世界を驚かせ、無人店舗などの新形態(tài)では世界の先頭を走り、中國(guó)人観光客がどんどん海外へ出かけて中國(guó)を世界一の海外旅行大國(guó)へと押し上げた。中國(guó)國(guó)際貿(mào)易促進(jìn)委員會(huì)研究院の趙萍副院長(zhǎng)は、「経済社會(huì)の発展と個(gè)人の所得水準(zhǔn)の持続的上昇にともない、今の中國(guó)人は消費(fèi)に対し『暮らしを維持する』だけでは満足しなくなり、『暮らしを楽しむ』へと高度化している。消費(fèi)の高度化自體が中國(guó)経済発展の力強(qiáng)い原動(dòng)力になるとともに、世界の投資家も引き寄せている」と述べた。
中國(guó)は先進(jìn)國(guó)または豊かな國(guó)の仲間入りを果たしたか？
多くの人が疑問に思うのは、エンゲル係數(shù)が「豊か」と判斷されるレベルに達(dá)したということは、中國(guó)が先進(jìn)國(guó)または豊かな國(guó)の仲間入りを果たしたことを意味するのか、ということだ。この疑問に対し、多くの専門家が「今後の検証が待たれる」との見方を示す。
ある國(guó)が先進(jìn)國(guó)かどうかを判斷するには、エンゲル係數(shù)以外にも多くの指標(biāo)を見なければならない。個(gè)人の平均所得水準(zhǔn)、國(guó)民全體の所得分配狀況、平均教育水準(zhǔn)など複數(shù)の指標(biāo)と合わせて考えなければ、適切な結(jié)論を?qū)Г訾工长趣悉扦胜?。さらに、次?點(diǎn)も考慮しなければならない。
第一に、中國(guó)のエンゲル係數(shù)は複雑で、中國(guó)経済の発展のアンバランスさや不十分さの影響を受けている。エンゲル係數(shù)は全體としては低下したが、東部地域と中部地域?西部地域、発達(dá)した地域と貧困地域、革命根拠地、少數(shù)民族居住地域、遠(yuǎn)隔地とでは、エンゲル係數(shù)の開きがかなり大きい。
第二に、農(nóng)村地域のエンゲル係數(shù)の低下は、その特殊性を考慮する必要がある。
第三に、エンゲル係數(shù)は消費(fèi)の習(xí)慣や収入への期待とも関連する。地域ごとのデータを見てわかるのは、広東省などの沿海地域は、経済規(guī)模や発展レベルで東北地域や西北地域などを上回るが、エンゲル係數(shù)が低いわけではないことだ。専門家は、「このことは各地域の生活習(xí)慣と関係がある。たとえば、広東省のエンゲル係數(shù)がずっと相対的に高いのは、この地域の人々がおいしいものを食べるのを好み、飲食品の消費(fèi)にお金を使おうとすることと一定の関係があるだろう。一方、一部の西部地域の人々は食生活に関して細(xì)かくソロバンをはじくところがあるため、それがデータにも表れて、エンゲル係數(shù)の低さにつながった可能性がある」と指摘した。
専門家は、「エンゲル係數(shù)は中國(guó)がある面で飛躍的な進(jìn)歩を遂げたことを示してはいるが、客観的、理性的かつ科學(xué)的に見る必要もある。1つの指標(biāo)が良くなったからといって手放しで喜んでいいわけではない」という見方を示す。
寧氏は、「エンゲル係數(shù)の変化とその背後にある消費(fèi)の新トレンドが示すのは、今後は消費(fèi)高度化に合わせて産業(yè)構(gòu)造や投資構(gòu)造、消費(fèi)のインフラを改善し、消費(fèi)拡大によるメリットを十分に引き出し、消費(fèi)が経済発展で果たす基礎(chǔ)的な役割をよりよく発揮させなければならないということだ」と強(qiáng)調(diào)した。（人民網(wǎng)日本語版論説員）
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「人民網(wǎng)日本語版」2020年11月30日
