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【中國キーワード】中國のカーボンニュートラルへの道のり

丸わかり!中國キーワード

人民網(wǎng)日本語版 2021年11月09日09:34

各方面の注目を集める中國の二酸化炭素(CO2)排出量ピークアウトとカーボンニュートラルの「1+N」政策體系における最も重要な2つの政策文書が相次いで発表された?!窩O2排出量ピークアウト10大行動」の重點実施が提起され、2030年の関連分野の細分化目標が明確にされるなどして、中國のCO2排出量ピークアウトとカーボンニュートラルに向けた設計図が徐々に明らかになってきた。

CO2排出量ピークアウトとカーボンニュートラルという2つの目標の提起は、中國の経済構造やエネルギー構造、生産?消費スタイルなどに深い影響をもたらすだけでなく、中國のエネルギー利用スタイルと経済発展スタイルにも新たな挑戦を突きつけた。どのようにして発展の中で汚染物質の排出を削減し、排出削減の中で発展を遂げ、経済と排出削減との融合を実現(xiàn)するのか。中國はカーボンニュートラルへの道をどのように歩んでいくべきなのだろうか。

CO2排出量ピークアウト?カーボンニュートラルの「1+N」政策體制の整備が加速

CO2排出量ピークアウトとカーボンニュートラルは多次元で立體的かつシステマティックなプロセスであり、経済?社會発展のあらゆる面に関わっている?,F(xiàn)在、「1+N」の政策體制の整備が加速している。「1」とはトップレベルデザインの指導意見を指しており、CO2排出量ピークアウトとカーボンニュートラルという2つの目標において「1+N」政策體制は統(tǒng)率的な役割を果たすことになる?!窷」とは各産業(yè)や各分野ごとの政策措置を指す。

10月24日、「新発展理念を完全?正確?全面的に徹底しCO2排出量ピークアウトの取り組みを著実に行うことに関する中國共産黨中央委員會と國務院の意見」(以下、意見)が発表された。そして10月26日、國務院は「2030年までのCO2排出量ピークアウト行動プラン」(以下、プラン)を通達した。

國家発展改革委員會の責任者は、「この『意見』は『1+N』における『1』に相當するものだ。黨中央がCO2排出量ピークアウトとカーボンニュートラルの取り組みにおいて進める體系的プランと全體計畫であり、CO2排出量ピークアウトとカーボンニュートラルの両方をカバーし、全體を長期にわたり管理するトップレベルデザインとなっている。一方の『プラン』はCO2排出量ピークアウトの段階における全體計畫で、目標や原則、方向性などで『意見』と連動したものになっていると同時に、2030年までのCO2排出量ピークアウト達成のほうにより焦點を當てている。関連の指標や任務を一層細分化し、実體化し、具體化している」と説明した。

中國マクロ経済研究院國土開発?地域経済研究所の宋建軍研究員は、「この『プラン』は重點分野に焦點を當てて『CO2排出量ピークアウト10大行動』の実施を提起している。対象分野はエネルギー、工業(yè)、都市?農(nóng)村建設、交通輸送、科學技術イノベーションなどに及び、中でもエネルギーのグリーン低炭素へのモデル転換、省エネ?CO2削減、工業(yè)分野におけるCO2削減を最重點事項としている」と指摘する。

エネルギー資源の節(jié)約がなぜ最優(yōu)先なのか?

「意見」は、CO2排出量ピークアウトとカーボンニュートラルの目標を達成するには、「全國の統(tǒng)一的な計畫、節(jié)約の優(yōu)先、両輪による駆動を行い、國內(nèi)外の流れをスムーズにし、リスクを防止する」という作業(yè)原則を堅持しなければならないとしている。

また、「意見」は次の點を強調(diào)している。エネルギー資源の節(jié)約を最優(yōu)先し、全面的な省エネ戦略を実施し、生産単位あたりのエネルギー資源消費量とCO2排出量を持続的に削減し、投入産出比率を高め、シンプルで適切、グリーンで低炭素のライフスタイルを提唱し、CO2排出を発生源と入り口で効果的に抑制する。

エネルギー資源の節(jié)約をこれほど重視するのはなぜか。國務院発展研究センター資源?環(huán)境政策研究所の郭焦鋒研究員は、「実際、省エネの理念は常にエネルギー消費革命の核心だ」と指摘する。

郭氏は、「過去も現(xiàn)在も未來も、節(jié)約の理念は最も主要な位置に置かれている。その背景には3つの原因がある。1つ目は、中國はエネルギー消費量が多く、絶えず増加して、エネルギー供給側にとってプレッシャーとなっているため、需要側から調(diào)節(jié)を行わなければならない點。2つ目は、中國のエネルギー消費量が多いということは、省エネの余地も大きいことを意味するという點。現(xiàn)在、中國の粗放型エネルギー発展スタイルは根本的に解決されておらず、エネルギー利用効率には大きな改善の可能性が存在する。3つ目は、今後は個人消費がエネルギー消費の中心の1つになる可能性があるため、シンプルで適切、グリーンで低炭素のライフスタイルを提唱する必要がある點。おおまかな試算によれば、人々の省エネ意識を高めれば、エネルギー消費を20%削減でき、これはCO2排出量の20%近くに相當する」と続けた。

合理的で拘束力あるCO2排出権取引価格メカニズム

CO2排出権取引は、CO2排出量ピークアウトとカーボンニュートラルを達成するうえで最も注目を集める部分だ。

「意見」は、「全國のCO2排出権取引市場の創(chuàng)設?整備を加速し、市場のカバー範囲を徐々に拡大し、取引する商品の種類と取引方式を豊富にし、排出権の割當管理を整備する。CO2吸収源取引を全國排出権取引市場に組み入れ、CO2吸収源の価値を體現(xiàn)できる生態(tài)保護保証メカニズムを構築し充実させる。合理的で拘束力を持ったCO2排出権取引メカニズムの構築を加速する」との方針を打ち出している。

今年7月、中國CO2排出権取引市場のオンライン取引がスタートし、発電業(yè)界の重點排出企業(yè)は2千社を超え、CO2排出量約45億トンをカバーし、溫室効果ガス排出量の規(guī)模が世界最大のCO2排出権取引市場になった。しかし、目下の市場の合理的な取引価格については、さまざまな見方が存在している。

廈門(アモイ)大學中國エネルギー政策研究院の林伯強院長は、「CO2排出権取引市場はCO2の排出を今後抑制する上で最も有効なメカニズムだ。取引価格が高ければ、企業(yè)は排出総量と排出強度を引き下げようとする。しかし価格が高すぎると、コストを消費者価格に上乗せして回収することができず、業(yè)界側で完全に負擔することもできない。そのため、このメカニズムは必ず他の電力市場改革措置と合わせて進める必要がある」と述べた。

CO2稅が登場するか?

CO2排出量ピークアウトとカーボンニュートラルという2つの目標達成は財稅政策による支援と切り離せない。今回の「意見」は、(1)各レベル財政予算ではグリーン?低炭素産業(yè)の発展、技術開発などへの支援を強化する(2)政府のグリーン調(diào)達の基準を整備し、グリーン?低炭素製品の調(diào)達を拡大する(3)環(huán)境保護、省エネ節(jié)水、新エネルギー?クリーンエネルギー型車両?船舶に対する車船稅の優(yōu)遇措置を実施する(4)CO2排出削減に関連した稅金政策を検討するという4つの要求を打ち出した。また財政部(財務?。─行膜摔胜盲啤ⅰ肛斦摔瑜隒O2排出量ピークアウトとカーボンニュートラルの著実な取り組みへの支援に関する指導意見」の起草作業(yè)が進められている。

また、「プラン」の中では、グリーン低炭素発展にプラスとなる稅金政策システムを構築?整備し、省エネ節(jié)水や資源の総合利用などに対する稅金優(yōu)遇政策を実施?整備し、マーケットエンティティのグリーン?低炭素発展に対する促進的役割をよりよく発揮しなければならないことが提起された。

複數(shù)の財政専門家が、「CO2排出量ピークアウトとカーボンニュートラルの目標を達成するには、財政による政策の支持が極めて重要」と指摘する。現(xiàn)在、各レベル財政予算による生態(tài)環(huán)境保護などへの投資は1兆元(1元は約17.8円)に迫り、これからは次世代の情報技術(IT)、バイオテクノロジー、新エネルギー、新エネルギー自動車などの戦略的新興産業(yè)と低炭素先端技術の開発により多くの財政的支援が向けられるようになり、政府による1千億元レベルのグリーン?低炭素商品の調(diào)達も強化される見込みだ。炭素稅などのCO2排出削減に関連した稅金政策の研究が加速している。

CO2排出量ピークアウトとカーボンニュートラルをどう達成するか?

今回の「プラン」は、CO2排出量ピークアウトを経済?社會発展のすべてのプロセスと各方面に行きわたらせ、「CO2排出量ピークアウト10大行動」を重點的に実施することを提起した?!?0大行動」の內(nèi)容は以下の通りとなっている。

(1)エネルギーのグリーン?低炭素へのモデル転換の行動。石炭消費の代替手段、モデル転換?高度化を推進し、新エネルギーの発展に力を入れ、各地の狀況に合わせて適切な措置を取って水力発電を開発し、原子力発電を積極的かつ安全に秩序よく発展させ、石油?天然ガスの消費を合理的に調(diào)節(jié)?コントロールし、新型電力システムの構築を加速する。

(2)省エネ?CO2削減の効率を高める行動。省エネ管理能力を全面的に向上させ、省エネ?CO2削減の重點プロジェクトを実施し、重點エネルギー使用施設の省エネと効率向上を推進し、新型インフラ施設の省エネ?CO2削減を強化する。

(3)工業(yè)分野のCO2排出量ピークアウト行動。工業(yè)分野のグリーン?低炭素の発展を推進し、鉄鋼、非鉄金屬、金屬材料、石油化學工業(yè)などの業(yè)界のCO2排出量ピークアウトを実現(xiàn)し、エネルギー消費と汚染物質排出量の多いプロジェクトの無計畫な発展を斷固抑制する。

(4)都市?農(nóng)村建設のCO2排出量ピークアウトの行動。都市?農(nóng)村建設におけるグリーン?低炭素へのモデル転換を推進し、建築のエネルギー効率レベルの向上を加速し、建築のエネルギー使用構造の最適化を加速し、農(nóng)村建設とエネルギー使用の低炭素モデルへの転換を推進する。

(5)交通輸送におけるグリーン?低炭素の行動。輸送手段?設備の低炭素へのモデル転換を推進し、グリーンで高効率の交通輸送システムを構築し、グリーン交通インフラの建設を加速する。

(6)循環(huán)型経済でCO2削減をサポートする行動。産業(yè)パークの循環(huán)型発展を推進し、コモディティの固體廃棄物の総合利用を強化し、資源の循環(huán)利用體制を整備し、生活ごみの削減?資源化の推進に力を入れる。

(7)グリーン?低炭素の科學技術イノベーション行動。イノベーションの體制?メカニズムを整備し、イノベーションの能力開発と人材育成を強化し、応用?基礎研究を強化し、先進的で実用的な技術の開発と普及応用を加速する。

(8)森林吸収源の能力を強化し向上させる行動。生態(tài)システムにおけるCO2固定の働きを強化し、生態(tài)システムにおける森林吸収源の能力を向上させ、生態(tài)システムにおける森林吸収源の基礎的な支援を強化し、農(nóng)業(yè)?農(nóng)村におけるCO2排出量削減とCO2固定を推進する。

(9)グリーン?低炭素の全國民行動。生態(tài)文明の宣伝教育を強化し、グリーン?低炭素のライフスタイルを推進し、企業(yè)が社會的責任を果たすよう誘導し、リーダーや幹部の研修を強化する。

(10)各地域における段階的で秩序あるCO2排出量ピークアウト行動。秩序あるCO2排出量ピークアウトの目標を科學的かつ合理的に決定し、各地の狀況に基づいてグリーン?低炭素の発展を適切に推進し、上から下まで連動して各地のピークアウトプランを設定し、ピークアウトのテストを組織的に展開する。

業(yè)界関係者は、「CO2排出量ピークアウト行動プランによる推進を受けて、業(yè)界の合併再編、グリーンモデル転換?発展がさらに加速するだろう」との見方を示す。(人民網(wǎng)日本語版論説員)

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「人民網(wǎng)日本語版」2021年11月9日 

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