電力需要のオフピーク時(shí)には電気エネルギーを利用して空気を圧縮して塩洞窟に貯め、電力需要のピーク時(shí)にはこの空気を放出して空気タービン方式の発電を行う。江蘇省常州市金壇區(qū)では、地下1千メートルの塩洞窟が電力を貯蔵する巨大な「モバイルバッテリー」に変身し、1回の貯蔵サイクルで30萬キロワット時(shí)の電力を貯蔵することが可能だ。これは6萬人が一日に使用する電力に相當(dāng)するという。
この圧縮空気によるエネルギー貯蔵は新型エネルギー貯蔵「ファミリー」の一員だ。國家発展改革委員會(huì)と國家エネルギー局がこのほど通達(dá)した「第14次五カ年計(jì)畫新型エネルギー貯蔵発展実施プラン」によると、2025年には新型エネルギー貯蔵を商用化初期の段階から大規(guī)模な発展の段階に進(jìn)め、大規(guī)模な商用化の応用に向けた條件を整えることを目指すという。
新型エネルギー貯蔵とは一體何か?私たちとの関わりは?
エネルギー貯蔵は太陽光発電と風(fēng)力発電の不安定さを解消できるだけでなく、通常の火力発電や原子力発電などに合わせて、電力システムの運(yùn)営にピークカットや出力調(diào)整などのサービスも提供することが可能なのだ。
一般的に、新型エネルギー貯蔵とは、揚(yáng)水発電によるエネルギー貯蔵以外の新型のエネルギー貯蔵技術(shù)を指し、新型リチウムイオン電池、フロー電池、フライホイール、圧縮空気、水素貯蔵(アンモニア貯蔵)、熱(冷)エネルギー貯蔵などが含まれる。
なぜ高い品質(zhì)で大規(guī)模に新型エネルギー貯蔵を発展させる必要があるだろうか。これは現(xiàn)在のような新エネルギーの開発規(guī)模が急速に拡大し、電力消費(fèi)量のピークとオフピークの差が拡大する大きな背景の中で、電力システムの安全な運(yùn)営を保証するために必然的に出てきたニーズだ。
エネルギー貯蔵の役割をわかりやすく言えば「モバイルバッテリー」のようなもので、風(fēng)力発電や太陽光発電の発電量が多い時(shí)や消費(fèi)のオフピーク時(shí)には充電し、風(fēng)力?太陽光発電の発電量が少ない時(shí)や消費(fèi)のピーク時(shí)には電力を供給する。太陽光?風(fēng)力発電の不安定さを解消し、再生可能エネルギーの比率を高めるとともに、通常の火力発電や原子力発電などを補(bǔ)完し、電力システムの運(yùn)営にピークカットや周波數(shù)調(diào)整などのサービスを提供し、電力システムの柔軟性を高めることができる。
3月20日、浙江省紹興市にある35キロワット級(jí)の紅星変電所では、コンテナ式電池ユニットの最後の4基がホイスト式クレーンでつり上げられて所定の場所に設(shè)置された。これにより、同省初の35キロワット級(jí)電力ネットワーク直結(jié)型エネルギー貯蔵発電所が稼働までカウントダウンの段階に入った。國網(wǎng)紹興市上虞區(qū)供電公司の陳岳峰サブチーフエンジニアは、「エネルギー貯蔵発電所は最大出力が6メガワットで、出力2馬力の家庭用エアコン約3千臺(tái)を同時(shí)に2時(shí)間使用できる量だ。試算では、エネルギー貯蔵発電所が完成すれば、上虞の220キロワット級(jí)の道墟変電所の電力消費(fèi)量のピークとオフピークの差が現(xiàn)在の43.5%から35.45に低下し、ピークカットとピークシフト、負(fù)荷曲線をなだらかにする上でプラスになる」と説明した。
新型エネルギー貯蔵は建設(shè)サイクルが短く、用地選択が容易かつ柔軟で、調(diào)節(jié)能力が高い
同局の関係責(zé)任者は、「新型エネルギー貯蔵は建設(shè)サイクルが短く、用地選択が容易かつ柔軟で、調(diào)節(jié)能力が高く、新エネルギー開発?利用との互換性も高く、優(yōu)位性が徐々に顕在化しており、先進(jìn)的エネルギー貯蔵技術(shù)の大規(guī)模な応用を加速的に推進(jìn)する上での必然的な流れだ」との見方を示した。
施設(shè)の建設(shè)サイクルを見ると、揚(yáng)水発電によるエネルギー貯蔵式発電所は通常6-8年かかるが、新型エネルギー貯蔵のうち電気化學(xué)エネルギー貯蔵施設(shè)は3-6ヶ月と短く、圧縮空気式エネルギー貯蔵施設(shè)は一般的に1年半から2年になる。
用地選択と応用シーンについて、國網(wǎng)エネルギー研究院有限公司新エネルギー?統(tǒng)計(jì)研究所の黃碧斌副所長は、「揚(yáng)水発電によるエネルギー貯蔵式発電所の用地選択では往々にして高低差の大きい地形を探さなければならないが、容量受益マージンが大きく、発電所1ヶ所あたりの規(guī)模が大きく、電力網(wǎng)側(cè)の大規(guī)模な體系的応用に適しているという長所がある。一方で、新型エネルギー貯蔵施設(shè)は1ヶ所當(dāng)たりの體積が大きくも小さくもでき、環(huán)境への適応性が高く、電源、電力網(wǎng)、ユーザー側(cè)の各種類の応用シーンに柔軟に対応でき、揚(yáng)水発電によるエネルギー貯蔵を補(bǔ)完することができる」と説明した。
調(diào)節(jié)能力を見ると、新型電気化學(xué)エネルギー貯蔵は反応の速度が速く、ミリ秒-秒?yún)g位での応答が可能だ。
同局の関係責(zé)任者は、「第13次五カ年計(jì)畫以來、中國の新型エネルギー貯蔵は研究開発のモデル実証の段階から商用化の初期へと移行し、実質(zhì)的な進(jìn)歩を遂げた。リチウムイオン電池や圧縮空気によるエネルギー貯蔵などの技術(shù)はすでに世界トップレベルに達(dá)しており、2021年末には新型エネルギー貯蔵の設(shè)備容量は累計(jì)400萬ワットを超えた」と説明した。
電気化學(xué)エネルギー貯蔵技術(shù)を例にすると、ここ數(shù)年で電池の安全性、壽命、重量エネルギー密度などのキーテクノロジー指標(biāo)が大幅に向上した一方で、応用コストは急速に低下した。黃氏は、「この5年間近くで、リチウムイオン電池のエネルギー密度は2倍以上高くなり、壽命は2-3倍延び、応用コストは60%以上低下した」と述べた。
今後の新型エネルギー貯蔵の発展の可能性は大きい。中國科學(xué)院電工研究所エネルギー貯蔵技術(shù)研究チームの陳永翀代表は、「中國のエネルギー貯蔵設(shè)備容量は世界一の規(guī)模だが、風(fēng)力発電や太陽光発電などの新エネルギー設(shè)備容量に対するエネルギー貯蔵の割合は7%に満たない。その一方で、世界の他の國や地域ではこの割合が平均で15.8%に達(dá)している。新エネルギー発電の規(guī)模が急速に拡大するのに伴って、中國の新エネルギー設(shè)備容量に対するエネルギー貯蔵の割合はさらに大きく上昇する可能性がある」と述べた。(編集KS)
「人民網(wǎng)日本語版」2022年4月11日