國際通貨基金(IMF)は4月に発表した最新の「世界経済見通し」で、2022年の世界経済の成長率を、前回から0.8ポイント下方修正して3.6%と予測した。ゲオルギエバ専務(wù)理事は、IMFが今年と來年の世界経済の成長率予測を下方修正した重要な理由として、ウクライナ危機(jī)を挙げた。(文:厳瑜。人民日報海外版掲載)
現(xiàn)在もウクライナ危機(jī)は続いており、地政學(xué)的要因が世界経済の回復(fù)の足を引っ張るだけでなく、各國の人々の生活にも深刻な打撃を與えている。戦火の波及した歐州では、ウクライナ危機(jī)がエネルギー?食糧価格の高騰や深刻なインフレを招き、住民の購買力は大幅にそがれ、企業(yè)や一般市民に大きな影響をもたらしている。
歐州だけでなく、國際社會全體が米國や西側(cè)による対露制裁の代償を払わされている。世界銀行の最新の「コモディティ市場展望」報告書は、ウクライナ危機(jī)がコモディティ市場に大きな打撃を與えた結(jié)果、世界の貿(mào)易?生産?消費モデルに変化が生じ、2024年末まで世界中で歴史的高水準(zhǔn)の価格が続くとする。國連のグテーレス事務(wù)総長は先日、ウクライナ危機(jī)が招いた食糧輸出の制限、サプライチェーンの中斷が「発展途上國に音もなく打撃を與えて」おり、世界人口の5分の1超の17億人という「過去數(shù)10年間なかった規(guī)模」の貧困と飢餓をもたらす恐れがあると指摘した。
米國も自らへの跳ね返りを免れることはできない。今年3月、米國のインフレ率は40年ぶりの高水準(zhǔn)に達(dá)した。全米獨立企業(yè)連盟(NFIB)の最新調(diào)査によると、高いインフレ率の中、米國の中小企業(yè)の約4割が販売価格を10%以上引き上げる予定であり、中小企業(yè)楽観指數(shù)も3月には3ヶ月連続で下落し、パンデミック発生以來の最低水準(zhǔn)となった。全米企業(yè)エコノミスト協(xié)會(NABE)は、ウクライナ危機(jī)は米國を含む世界の経済成長に打撃を與える可能性があると指摘する。
包括的で無差別的な制裁の発動によって最終的に苦しむのが世界各國の人々であることを事実は示している。制裁がさらにエスカレートすれば、世界の経済、貿(mào)易、金融、エネルギー、食糧、産業(yè)チェーン、サプライチェーンに深刻な危機(jī)をもたらし、ただでさえ厳しい世界経済に追い打ちをかけることになるだろう。
ウクライナ危機(jī)に適切に対処することは、米國と西側(cè)諸國が擔(dān)うべき國際的責(zé)任だ。自國のみの利益のために全世界をこの問題に縛り付ける権利は、いかなる國にもない。
ウクライナ危機(jī)を解決するためには、當(dāng)事者間の対話と交渉を後押しすることが喫緊の課題であり、冷戦思考を捨て去り、均衡の取れた、実効性のある、持続可能な安全保障構(gòu)造を真に構(gòu)築することが長期的に必要な道となる。米國の戦略的利益のための代償を各國の人々に払わせることを、世界は承知しないだろう。(編集NA)
「人民網(wǎng)日本語版」2022年5月5日