100%再生可能なクリーンエネルギーを利用し、パッケージのふたや付屬のスプーンに植物由來素材を使用し、サイクル全體にわたってカーボンフットプリント(CFP)を算出し、溫室効果ガス排出実質(zhì)ゼロ(ネットゼロ)を達(dá)成し、第三者認(rèn)証機(jī)関に認(rèn)証を申請する……こうしたさまざまな関門をクリアしてやっと「カーボンニュートラルの粉ミルク」が誕生する。
今年は「ゼロカーボン食品」の人気が高まりを見せ、年初以來、カーボンニュートラルの牛乳、カーボンニュートラルのアイスクリーム、カーボンニュートラルの粉ミルク、ゼロカーボン野菜などが次々に登場している。業(yè)界では、2022年を「ゼロカーボン食品」元年と見ており、トップ食品メーカー同士の競爭はすでに環(huán)境保護(hù)をはじめとした社會的価値の分野へと広がっている。
「ゼロカーボン食品」とは何か?
食品における二酸化炭素(CO2)排出量実質(zhì)ゼロは、研究開発、栽培?飼育?養(yǎng)殖、収穫、加工、流通、小売、貯蔵のさまざまなプロセスに関わるものだ?!弗讥恁`ボン食品」とは、生産プロセスにおける溫室効果ガスの排出量がマイナスかゼロの食品を指す。
國連グローバル?コンパクト(UNGC)が2021年に発表した研究報告書「企業(yè)のカーボンニュートラルルートマップ」によると、食品は食卓に並ぶ前に研究開発、栽培?飼育?養(yǎng)殖、収穫、加工、流通、小売、貯蔵というさまざまなプロセスをたどり、どのプロセスでも溫室効果ガスが排出される。人口が増加し飲食の構(gòu)造が肉類へ傾斜するのに伴って、これからの數(shù)十年間に世界の食品消費(fèi)成長率は70%に達(dá)することが予想される。そうなると、人類の基本的なニーズを満たすと同時に、農(nóng)業(yè)と食品業(yè)界のCO2排出削減を推進(jìn)することが非常に難しくなる可能性がある。
自社の食品をきちんとした「ゼロカーボン食品」にするのはたやすいことではない。世界で通用しているやり方では、カーボンニュートラルやゼロカーボンを達(dá)成するには、CO2排出量削減かカーボンオフセットを通じた実現(xiàn)を目指すことになる。まず生産サイドが工場の設(shè)備を改造しなければならず、原材料、輸送サイド、販売サイドなども一定の要求に対応する必要があり、認(rèn)証機(jī)関に認(rèn)証を申請するために資金を投じることも必要になる。
「ゼロカーボン食品」がやって來た!
北京市の盒馬、イオン、物美などのスーパーでは、乳製品大手の伊利集団の「ゼロカーボン牛乳」が売られている。豊臺區(qū)の盒馬では、ゼロカーボンの有機(jī)野菜がオーガニックコーナーの棚に並んでいる。一般的な有機(jī)野菜と異なり、ゼロカーボンの有機(jī)野菜には「ゼロカーボン農(nóng)産物」と書かれた丸い認(rèn)証マークが貼られている。
年初以來、伊利は「ゼロカーボン牛乳」、「ゼロカーボンヨーグルト」、「ゼロカーボン有機(jī)粉ミルク」、「ゼロカーボンアイスクリーム」など5品目を相次いで売り出した?!弗ⅴぅ埂工蚶摔工毪?、製品の原料の入手から生産、加工まで、パッケージから輸送まで、サイクル全體でネットゼロが実現(xiàn)し、パッケージには「カーボンニュートラル」のマークが貼ってある。総合的な試算によると、このアイス20個につきCO2排出量を9.7キログラム相殺したことになるという。
同様にカーボンニュートラルの製品を打ち出したところには、多國籍食品大手のネスレもある。ネスレは6月17日、中國市場初となるカーボンニュートラルの粉ミルクを発売した。これを1缶買うと、14.2キログラムのCO2排出量相殺をサポートしたことになるという。
農(nóng)産物の分野では、盒馬の有機(jī)野菜が他社に先駆けて南京國環(huán)有機(jī)製品認(rèn)証センターの「ゼロカーボン農(nóng)産物」認(rèn)証を取得した。このゼロカーボンの有機(jī)野菜の第一弾は6月9日に全國の盒馬直営店で発売された。
パッケージに採用された畫期的な技術(shù)
食品をめぐるカーボンニュートラルと認(rèn)証は、製品の全サイクルの各プロセスにわたっており、中でもパッケージのソリューションが欠かせないものとなっている。
フランスの多國籍食品企業(yè)ダノンの中國における飲料の環(huán)境保護(hù)?健康?安全業(yè)務(wù)を擔(dān)當(dāng)する龍瀚林シニアマネージャーは、「ペットボトルの主な原料は石油で、製造過程でエネルギーや高圧ガスも消費(fèi)する」と説明した。
今年4月、ダノンは湖北省武漢市と四川省邛崍市にある脈動ブランドの生産工場で、いち早くカーボンニュートラルを?qū)g現(xiàn)した。それから2ヶ月もたたないうちに、ダノンは二酸化炭素貯留(カーボンキャプチャー、CCS)技術(shù)を持つイノベーション企業(yè)のランザテック社との提攜を発表し、化石燃料をベースにしたパッケージ材料への依存度を徐々に引き下げるため、新しいパッケージ材料製造技術(shù)に投資することを明らかにした。
中國市場に進(jìn)出して30年以上になるネスレも、コーヒー製品をめぐって低炭素と環(huán)境保護(hù)を探求している。コーヒーマシンブランドのネスプレッソの林上明?中華圏ゼネラルマネージャーは、「ネスレは製品とパッケージの循環(huán)可能性を高め、コーヒーマシンでは再生材料の使用を増やし、コーヒーカプセルでも再生アルミや低炭素の非再生アルミの使用を増やして、製品の循環(huán)可能性を高めている?,F(xiàn)在、ネスプレッソは世界にコーヒーカプセル回収スポットを10萬ヶ所以上設(shè)置し、18ヶ國では訪問回収も行なっている」と説明した。
回収した材料をどのように再利用するかについては、ネスレ、ダノン、飲料品大手のペプシコがそろって、R-PET(リサイクルポリエステル)素材のペットボトルを挙げた。ネスレの説明では、ペットボトルの回収再生率は90%を超えるという。
「食べることでCO2削減」がトレンドになる
20年9月、中國は第75回國連総會で、2030年までにCO2排出量ピークアウトを達(dá)成し、2060年までにカーボンニュートラルを達(dá)成するとの目標(biāo)を打ち出した。21年にはCO2排出量ピークアウトとカーボンニュートラルが初めて政府活動報告の中で言及された。ゼロカーボンの道のりには數(shù)々の困難が橫たわるが、トップ企業(yè)はすでにこれを?qū)恧胃偁帳沃攸c(diǎn)と見なしている。
國際的認(rèn)証企業(yè)のSGSの知識?管理サービス事業(yè)群リスク管理プランセンターの岳慶松ゼネラルマネージャーは、「20年にCO2排出量ピークアウトとカーボンニュートラルの目標(biāo)が提起されるまで、當(dāng)社にカーボンフットプリントの認(rèn)証を依頼する中國の食品メーカーの數(shù)は1けたか2けたにとどまっていたが、今は3けたに達(dá)した」と振り返る。岳氏は政策が打ち出された後の中國食品?飲料品業(yè)界の変化を「まるで『雨後の筍』のよう」と形容した上で、「今年はコーヒーメーカーや乳製品メーカー、さらには飲料品メーカーの工場でのカーボンニュートラルとカーボンフットプリントの認(rèn)証作業(yè)を行なっている」と述べた。
専門家は、「これはチャンスでもあり挑戦でもある。チャンスというのは、當(dāng)社の過去から現(xiàn)在に続く努力を見てもらうチャンス、消費(fèi)者と市場に見てもらうチャンスがあるということだ。挑戦というのは、カーボンゼロがもたらすサプライチェーンの高度化と製品の変革をどうすれば理解してもらえるか、市場に受け入れてもらえるかということだ」との見方を示した。
市場に受け入れられるということは、企業(yè)がCO2削減の成果をどのように製品の競爭力に転換させるかという課題に向き合うことを意味し、消費(fèi)者が「カーボンニュートラル」にお金を出したいと思うかどうか、さらには金額を余計に払ってもいいと思うかどうかにも関わってくる。
CO2排出削減の難しさはサプライヤーのコストをどうやって削減するかにあり、とりわけ一部の中小企業(yè)には牽引のプロセスが必要だ。農(nóng)業(yè)と食品業(yè)界のCO2排出問題をどうするかについて、蒙牛集団で持続可能な発展に関する業(yè)務(wù)を擔(dān)當(dāng)する林笛シニアマネージャーは、「企業(yè)は技術(shù)イノベーションを積極的に展開してCO2を削減するべきである一方で、省エネ?CO2削減を奨勵するメカニズム『カーボン包摂』のプラットフォームを消費(fèi)者に向けて構(gòu)築し、個人の炭素資産の取引き窓口となる消費(fèi)者向け『炭素口座』を開設(shè)するべきでもある。消費(fèi)者は『カーボン包摂』プラットフォームで、脫炭素ポイントの雙方向取引や商品との交換などを行なうことができ、奨勵策を利用して低炭素の消費(fèi)を促進(jìn)し、消費(fèi)者に低炭素の食品やカーボンニュートラルの食品を購入するよう奨勵することが可能だ」と提案した。
盒馬は今、奨勵メカニズムの構(gòu)築を試験的に進(jìn)めているところで、將來的には、消費(fèi)者は「ゼロカーボン商品」を購入すると、一定の「盒花ポイント」を獲得でき、定められたポイント數(shù)に達(dá)すると盒馬アプリで有機(jī)野菜などに交換できるようになる。このような方法で、より多くの消費(fèi)者が炭素削減の行動を起こすよう奨勵するという。
■炭素に関する知識
カーボンシンク(炭素吸収源)
カーボンシンクとは、植樹?造林、植生の回復(fù)などの措置によって、大気中のCO2を吸収することにより、大気中の溫室効果ガスの濃度を低下させる過程、活動、メカニズムを指す。
カーボンフットプリント(CFP)
カーボンフットプリントのコンセプトは「エコロジカル?フットプリント」から來たもので、人類が生産?消費(fèi)活動の過程で排出した溫室効果ガスの総排出量をCO2排出量に換算して示している。
炭素固定
炭素固定とは大気に含まれるCO2を固定する技術(shù)を指す。物理化學(xué)的な固定方法と生物學(xué)的な固定方法がある。生物學(xué)的な固定方法では、無機(jī)的に存在する炭素である大気中のCO2を有機(jī)物質(zhì)である炭水化物に変換し、植物體または土壌の中に固定する。
炭素算定(溫室効果ガス排出量リスト作成)
炭素算定とは、地方政府や企業(yè)などを単位として、それらが社會活動や生産活動の中の各プロセスで直接的または間接的に排出する溫室効果ガスを算定することであり、溫室効果ガス排出量リスト作成とも言われる。(人民網(wǎng)日本語版論説員)
「人民網(wǎng)日本語版」2022年7月18日