今年8月の2022アシックスジュニアテニスツアー広州オープンに、背負(fù)いかごにテニスのラケットを入れて登場(chǎng)し、大きな話題となった佤(ワ)族の少年?王発くんを覚えているだろうか。同大會(huì)のU14男子シングルスで優(yōu)勝した彼は9月末に、雲(yún)南省臨滄市滄源佤族自治県にある実家に戻り、一家団欒を楽しんだ。
帰省した王発くん。
6年前、王発くんの抜群の持久力や瞬発力に目を留めたのは張暁洪コーチ(57)だった。今回、王くんの帰省に付き添った張コーチは、王くんの弟の王蕓くん(6)も、バランスや反応の速さに優(yōu)れていることに気付いたという。そして、選抜テストを見事クリアし、王蕓くんはテニスのラケットを背負(fù)って兄と共に、山間部にある故郷を後にした。
王蕓くん。
実は、王発くんと同じ時(shí)期に、他にも少年6人が一緒に山の奧にある故郷を後にし、そのうち5人が全國大會(huì)で優(yōu)勝した。子供たちが山間部を後にして歩み出した「テニスの旅」には、張コーチの存在とサポートなしには語れない。子供の頃から體育學(xué)校で學(xué)び、引退後は様々な仕事を経験し、最終的にテニスのコーチになったという。そんな張コーチは2014年、野象テニスクラブを立ち上げて、才能ある青少年を探し始めた。「野象」の「野」は自然を追求すること、「象」は「強(qiáng)健」であることを象徴しているという。 あるドライブ旅行で、張コーチは「山間部で暮らす子供たちは、身體能力が高く、ハングリー精神があり、育成して伸びる可能性が高い」ことに目を留めたという。
最初のうち、訓(xùn)練生集めは困難を極めたが、張コーチは決して諦めず、何度もチャレンジし、保護(hù)者を説得し、最終的に第一陣として佤族の子供を選出することに成功した。
張コーチと教え子たち。
野象クラブには現(xiàn)在、王発くんのように山間部から來た子供約30人が在籍し、テニスの練習(xí)だけでなく、身體能力訓(xùn)練やスピード強(qiáng)化などに取り組んでいるほか、學(xué)校の勉強(qiáng)もしている。それ以外にも、張コーチは子供たちの好みに合わせて、楽器や書道などの習(xí)い事にも通わせており、「子供たちの可能性をより広げてあげたい」としている。
「かごを背負(fù)った少年」として佤族の王発くんが大きな話題となったが、その背後には、山奧の村から踏み出し、夢(mèng)を葉えるために奮闘するテニス少年たちの物語がある。(編集KN)
「人民網(wǎng)日本語版」2022年10月11日