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形容しがたい「高級(jí)カラー」——「秘色」

中國(guó)の文化財(cái)は語(yǔ)る

人民網(wǎng)日本語(yǔ)版 2023年11月29日09:42

五代秘色瓷蓮花碗(蘇州博物館所蔵)。

五代秘色瓷蓮花碗(蘇州博物館所蔵)

まるで氷や玉のようでもあり、水が入っていないのに入っているようにも見(jiàn)える。これこそが中國(guó)のミステリアスな陶磁器「秘色瓷」。

1950年代、玉のようなもの柔らかな雰囲気を醸し出し、形が獨(dú)特な陶磁器が、江蘇省蘇州市の虎丘塔で見(jiàn)つかった。當(dāng)時(shí)、これは史書(shū)に記載されている「秘色瓷」ではないかと考える研究者もいた。しかし、何の証拠も見(jiàn)つからなかったことから、一度は「青瓷」の一種という判斷が下された。その後、1987年に、そこから1000キロ以上離れた陝西省扶風(fēng)法門(mén)寺地宮から極めて珍しい文化財(cái)が大量に出土し、その中のある一つの石碑に、「瓷秘色碗七口、內(nèi)二口銀棱、瓷秘色盤(pán)子、碟子共六枚」と刻まれていた。そして、石碑と共に出土した陶磁器13點(diǎn)が、それに対応していた。これにより、「秘色瓷」とは何かがついに明らかになった。虎丘塔で発見(jiàn)された蓮花碗は、その色合いから、技法に至るまで、「秘色瓷」の特徴に完全にマッチしていたのだ。

「秘色瓷」はその質(zhì)が高く、殘存している數(shù)が極めて少ないため、いずれも國(guó)寶と稱(chēng)されている。では、「秘色瓷」の「秘」という字には、どういう意味が込められているのだろうか?「秘色」と呼ばれているのは、黃色でも、緑色でも、グレーでもなく、青色とも言えない不思議な色合いだからという説がある。また「秘」には、神秘、機(jī)密、保密、秘密などの意味が込められているという説もある。五代十國(guó)時(shí)代、蘇州は呉越國(guó)の領(lǐng)地だった。十國(guó)呉越の創(chuàng)建者である銭鏐は、越窯は貢瓷の焼成だけに使い、庶民は使用してはならないと命じた。そして、「秘色瓷」の作り方や釉薬の調(diào)合なども、宮廷の「機(jī)密」として扱い、口外してはならないとした。そのため、一般の人々が「秘色瓷」を目にする機(jī)會(huì)はなかった。その後、北宋中期になり、越窯の陶磁器生産は次第に衰退していったため、宋の時(shí)代以降、「秘色瓷」も姿を消してしまった。このように「秘」という字は、ミステリアスな色という意味なのか、その焼造技術(shù)や釉薬の調(diào)合が「秘密」という意味なのか、現(xiàn)代の人々のさまざまな想像を掻き立てる「秘密」となっている。

「秘色瓷」の焼造技術(shù)も獨(dú)特だ。気體や有害物質(zhì)が、磁胎や釉面を破損したり、汚損したりするのを防ぐため、「秘色瓷」は焼成の際、匣鉢と呼ばれる「容器」に密封された?!赶汇\」の材料にもこだわりがあったほか、一つの「匣鉢」は一度しか使うことができなかった。焼造の時(shí)、匣鉢は一つ一つ積み重ねられ、焼造が終わると、「匣鉢」を壊さなければ「秘色瓷」を取り出すことはできなかった。そのため、「秘色瓷」の製作コストは高く、數(shù)も少ない。「秘色瓷」の製作に関する「秘伝」はとっくに消失しているため、現(xiàn)代の人々は伝統(tǒng)的技術(shù)を使って「ミステリアスな美」を再現(xiàn)することはできない。(編集KN)

中國(guó)の文化財(cái)は語(yǔ)る

博物館は人類(lèi)文明を保護(hù)し、伝承する重要な場(chǎng)。博物館に所蔵されている文化財(cái)は埃をかぶった骨董品ではなく、いずれも民族の生きてきた証となる生きた伝承だ?!钢袊?guó)の文化財(cái)は語(yǔ)る」では毎回博物館に所蔵されている文化財(cái)の紹介を通じて、文化財(cái)に込められた中國(guó)の文化と精神について紹介していく。

「人民網(wǎng)日本語(yǔ)版」2023年11月29日

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