福建省福州市の「脫胎漆器」は200年以上の歴史を誇り、北京の「景泰藍」や江西省の「景徳鎮(zhèn)瓷器」と並び、中國伝統(tǒng)工蕓の「三寶」と呼ばれ、中國國內(nèi)外でも有名だ。2006年、「福州脫胎漆器」のうるし塗りの技術(shù)は、中國國務(wù)院により第一陣の國家級無形文化遺産リストに登録された。また、2010年、當(dāng)時の國家質(zhì)量監(jiān)督検験検疫総局は「福州脫胎漆器」の「地理的表示(GI)」を保護することを承認(rèn)した。人民網(wǎng)が報じた。
漆塗りの髹飾作業(yè)を行う朱さん(寫真提供?朱冰)。
「脫胎漆器」という名前の由來はその作り方にある。まず、粘土や石膏などを使って器物の型を作り、「夏布(苧麻布)」と呼ばれる布をその表面に張り付け、天然の漆や灰などで作った「漆泥」を何度も塗って固めると、「夏布」が少しずつ「漆布」になる。その後、それを日陰干しし、「漆泥」が乾いた後に「型」を外すと「脫胎」となる。その後、殘った「漆布」に上漆を塗り、磨き上げ、最後に漆塗りで絵や模様を描くと完成だ。
福州の「脫胎漆器」は、軽くて薄く、なめらかでつやのある仕上がりで、腐敗しにくいといった特徴がある。その製造工程は非常に複雑で、材料選びや型作り、型外し、漆塗りなど數(shù)十工程があり、100以上の工程を必要とする場合もあるという。福州脫胎漆器漆塗り技術(shù)の代表的な無形文化遺産伝承人?朱冰さんは、「漆器作りは非常に時間がかかる。昔ながらの『脫胎』の技術(shù)で作られた仏像の中には2-3年かけて作られたものまである」と話す。
漆塗りで絵付けする朱さん(寫真提供?朱冰)。
「脫胎漆器」の美しさは、その形のほか、バラエティに富んだ漆塗りの「髹飾」によって決まる。漆塗りとは、漆を使って「漆器」に色や絵、模様を付けて仕上げることだ。
ほとんどの漆器のベースの色は茶色、黒、赤などであるのに対して、福州脫胎漆器は褐色、黃色、緑、青など、バラエティに富んでいるほか、金箔を使って高級感を加えている。ベースが黒い漆器は、金の美しさや銀の輝きをさらに引き立てている。さらに、漆器は防腐効果が高く、長い年月が経っても変色しにくい。「脫胎漆器」は美しく、多彩で、非常に精巧に仕上げられているため、西洋諸國では「東洋の黒い寶石」と呼ばれている。
「脫胎漆器」に絵付けする朱さん(寫真提供?朱冰)。
作品に金箔を施す朱さん(寫真提供?朱冰)。
福建省の市文化観光當(dāng)局はここ2年、中國各地で行われた文化博覧會に參加し、漆器製作従事者に無料で作品を展示するブースを提供してきた。また、福州市は、閩江學(xué)院や閩江師範(fàn)高等専科學(xué)校、福建省蕓術(shù)職業(yè)學(xué)院など、多くの高等教育機関に、「脫胎漆器」の漆塗りを?qū)熼Tとする學(xué)科を設(shè)置し、研究だけでなく蕓術(shù)的才能や制作能力を備えた無形文化遺産人材を育成している。(編集KN)
「人民網(wǎng)日本語版」2021年11月15日