2024年は十干では甲、十二支では辰に當(dāng)たるため「甲辰」の年となる。數(shù)多い中國(guó)の文化の要素の中でも、竜は唯一無(wú)二の地位となっている。なぜなら竜は中華民族の象徴であり、王者を代表し、英雄の気概を漂わせているからだ?！父oの子孫」とされる中國(guó)人の暮らしの様々な面が、竜の「鱗」を形成し、中華文明を描き出し、中國(guó)の伝統(tǒng)文化において獨(dú)特のシンボルとなっている。

竜の模様は、中國(guó)の伝統(tǒng)的な裝飾用の模様の中でも、最もエネルギッシュで、幅広く応用されているほか、中華民族の特色に最も富んだ題材の一つとなっている。新石器時(shí)代の玉器や陶器、彩絵に始まり、秦?漢の時(shí)代には、竜の形態(tài)がほぼ確立され、頭、角、四つ爪、尻尾などの特徴がはっきりとするようになった。

【中國(guó)最古の竜】

內(nèi)蒙古（內(nèi)モンゴル）自治區(qū)翁牛特（オンニュド）旗で発見されたこの神秘的な玉器は、動(dòng)物をかたどっており、鼻の頭が上向きに反っており、目は少し飛び出ていて、頭頂部にはたてがみのようなものがあり、飛んでいるような躍動(dòng)感がある。形はとてもシンプルで、玉は、溫かみがあり、なめらかな質(zhì)感となっている。それより前に、三星他拉村で発見された、これとよく似た青玉器は、中國(guó)の伝統(tǒng)的な竜と一致している點(diǎn)がたくさんあり、「中國(guó)最古の竜」と呼ばれている。

紅山文化C形玉竜（寫真左、翁牛特旗博物館所蔵）と玉竜（寫真右、中國(guó)國(guó)家博物館所蔵）

2つの「玉竜」はいずれも內(nèi)蒙古自治區(qū)赤峰市付近で発見された。そこには遼河流域の集落遺跡があり、5千年前の人類がそこで紅山文化を生み出した。紅山文化の玉器が大量に出土しており、中でも「玉豬竜」は、最もよく見られる神秘的なデザインとなっている。

【曾侯乙尊盤】

シンプルなデザインの2つの紅山文化の「玉竜」と比べると、それを正確に形容する言葉が見つからないほど複雑な作りとなっているのが「曾侯乙尊盤」だ。これ以上ないほどにまで緻密な作りであるため、3Dスキャンを使ってモデリングすることもできないこの文化財(cái)は、約2400年前の戦國(guó)時(shí)代の職人の手によって作り出された。

曾侯乙尊盤（湖北省博物館所蔵）

尊盤は、盛酒器の「尊」と水を注ぐための器「盤」を組み合わせた文化財(cái)だ。冬に「盤」に熱湯を注ぐと、「尊」の中の酒を溫めることができる。一方、夏には「盤」に氷を入れて、「尊」の中の酒を冷やすことができる。「曾侯乙尊盤」の尊の部分には、竜28頭と蟠螭32頭がデザインされている。一方、盤の部分には、竜56頭と蟠螭48頭がデザインされている。「尊」の口周りの裝飾は、遠(yuǎn)くから見ると雲(yún)の形にも見えるが、実際には絡(luò)み合っているたくさんの竜と蛇からなる「鏤空（透かし彫り）」?fàn)瞍窝b飾となっている。細(xì)かなところまで丁寧に裝飾が施された「尊盤」は、思わず息を呑むほどの素晴らしい一品となっている。

【鎏金走竜】

南北朝時(shí)代以降、竜のイメージはより複雑になっていった。この唐代の「鎏金走竜」は、極めて美しい金箔工蕓品。中國(guó)の中央広播電視総臺(tái)が放送する春晩（春節(jié)＜舊正月、2024年は2月10日＞を祝う中國(guó)の國(guó)民的年越し番組）で、辰年である2024年のマスコットキャラクターとしてデザインされた「龍辰辰」は、この「鎏金走竜」にインスピレーションを得ている。非常にインパクトがあり、威風(fēng)堂々とした力強(qiáng)い姿で前を見據(jù)えており、キラキラと光る金箔で覆われたその様子は威厳を漂わせ、中華文明の躍動(dòng)感ある美と上品な端正さを余すところなく表している。

鎏金走竜（西安博物院所蔵）

唐代において、竜はまだ皇帝のみが使用する権威の象徴とはなっていなかった。竜が歩く様子を描く場(chǎng)合、當(dāng)時(shí)の蕓術(shù)家たちは実際の動(dòng)物をベースにし、その形を想像して描き出したり、作り出したりしていた。

【銅座竜】

黒竜江省哈爾浜(ハルビン)市阿城區(qū)の白城村は、金朝初期の都城?上京だったと確認(rèn)されている。村民が偶然発見したこの「銅座竜」は、他の竜とは少し異なる。外見は竜の基本的な特徴を備えているほか、麒麟やライオン、犬などの特徴も見られる。そして、その首や肩、4本の足には、たてがみがある。また、その行儀が良さそうな姿勢(shì)も特徴的で、他の竜は雲(yún)などに乗って空を飛んでいるのに対して、「銅座竜」は雲(yún)の上に座っており、威厳を放ちながらも、エレガントな一面も垣間見える。

金代銅座竜（黒竜江省博物館所蔵）

獨(dú)特なデザインとなっている背後には、奧深い文化的內(nèi)包が隠されている。中國(guó)北方エリアで臺(tái)頭した女真族はその地を統(tǒng)一して、金を建國(guó)した。女真族は中原の先進(jìn)文化を?qū)Wぶと同時(shí)に、そこに自分たちの民族の文化と特徴を組み合わせ、唯一無(wú)二の金源文化を生み出した。この「銅座竜」は、そんな金源文化の代表と言える。

【青花雲(yún)竜紋高足碗】

竜の模様は、玉器や彩陶から青銅器に至るまで、至るところで見ることができる。もちろん陶磁器も例外ではない。元代の「青花雲(yún)竜紋高足碗」には、空を舞っているように見える竜が染付で描き出されており、その色は鮮やかな青で、筆遣いは流れるようでありながら、力強(qiáng)さも兼ね備えている。

青花雲(yún)竜紋高足碗（吉林省博物館所蔵）

漢代以降、竜は神の権威の象徴から、皇帝の権威の象徴へと変化した。そして、中國(guó)の竜のイメージは細(xì)かな部分においても変化していった。明?清代になると、竜の模様は、宮廷の窯で作られた陶磁器の模様の中でも、最も代表的な模様となり、5爪の竜の模様は、帝王の象徴となった。

現(xiàn)代社會(huì)において、竜文化は依然として力強(qiáng)い生命力を備え続けている。中華民族や世界の華人が愛する竜の文化を守り、伝承することは、中華民族のルーツとスピリッツを守ることを意味している。（編集SC、KN）

「人民網(wǎng)日本語(yǔ)版」2024年1月22日