19日に封切られた馮小剛（フォン?シャオガン）監(jiān)督の新作映畫(huà)「私人訂制（パーソナル?テイラー）」は、またたく間に巷の話題となった。映畫(huà)に対する評(píng)価は両極に分かれ、批判派の聲は主に、「まとまりがなさすぎる」「広告だらけ」「コントっぽい」といったものだった。しかし、「現(xiàn)実に対する痛烈な批判」「笑いというオブラートに包まれ、誰(shuí)もが知る真実が描き出されている」といった評(píng)価もある。馮監(jiān)督が変わったのだろうか？それとも観衆(zhòng)の好みが変わったのだろうか？揚(yáng)子晩報(bào)が伝えた。

　「私人訂制」の冒頭部分は、フランスのコメディ大作「大進(jìn)撃（1966年）」を彷彿とさせるもので、ラストは大自然に「謝る」シーンだ。これらの間は、それぞれ全く関係のない3つのストーリーで構(gòu)成されている。范偉、李誠(chéng)儒、宋丹丹がこれら3つのストーリーの主役を演じており、いずれも面白可笑しいコメディだが、今の世に生きる人々の心の中を表現(xiàn)した寓話となっている。範(fàn)偉のストーリーは、「権力」がテーマで、運(yùn)転手が官僚を志す筋書(shū)きだ。李誠(chéng)儒のストーリーのテーマは「品位」、世俗的な映畫(huà)監(jiān)督が気品ある人物に変身する話。宋丹丹が演じたストーリーは「財(cái)産」をテーマに、掃除夫が金持ちを目指す。

　○両極に分かれた観客の評(píng)価

　?肯定的評(píng)価：鋭い現(xiàn)実批判、馮監(jiān)督のコメディー精神が満ち溢れている

　映畫(huà)評(píng)論家の周黎明氏は、この映畫(huà)を次のように評(píng)価した。

　「私人訂制」は、馮監(jiān)督のコメディー精神が満ち溢れた作品だ。何と言っても、現(xiàn)実に鋭い矛先を向けていることが評(píng)価される。たとえば最初のストーリーで、范偉が演じる運(yùn)転手は、高級(jí)官僚の習(xí)慣を味わい盡くす。ありとあらゆる官界の現(xiàn)狀をあまねく表現(xiàn)し、腐敗の原因は各個(gè)人の素質(zhì)にあるのではなく、全體的な構(gòu)造にあることを暴きだした?！杆饺擞喼啤工霞?xì)部まで念入りに制作されており、ユーモアも十分だ。李成儒が演じた俗っぽい映畫(huà)監(jiān)督は、心を入れ替え「俗世間」を棄てて「気品」を追求することを心に誓う。これは、馮監(jiān)督の最も個(gè)性的な表現(xiàn)であり、ある種自嘲的な精神の表れで、「風(fēng)雅と卑俗をミックスした文化」に対する深い理解が示されている。