民政部(省)がこのほど発表した統(tǒng)計(jì)データによると、中國には現(xiàn)在、成年の獨(dú)身者が2億4千萬人おり、日本の総人口のほぼ2倍に相當(dāng)する數(shù)字だ。このうち7700萬人が一人暮らしで、一人暮らしの人は2021年に9200萬人に達(dá)する見込みという。
獨(dú)身者が年々増加するのにともない、ますます多くの企業(yè)がおひとり様向け商品の革新?製造に注目するようになり、おひとり様経済も徐々に流行語になってきた。
おひとり様経済の誕生発展
晝の12時(shí)、北京三里屯の麺料理レストランでは、1人で食事を楽しんでいる人が大勢いた。1人用のテーブルは、1平方メートル足らずの空間が周囲と関わらなくてもいいように仕切られ、まるで隔離されたような環(huán)境の中、多くのおひとり様は安心して気楽に食事を取ることができる。
こんな「1人ごはん」は珍しくない。1人コーヒー、1人午後のお茶、1人朝食、1人火鍋など、おひとり様向け商品が新たなトレンドになりつつある。
実際、新型レストランが登場しただけでなく、従來の外食産業(yè)企業(yè)や食品メーカーも1人ごはんをする消費(fèi)者に向けて、よりよい商品やサービスを提供するようになった。1人前の半分の量のメニュー、1人用お重、ミニ火鍋、500グラム入り米、200ミリリットル入り赤ワイン……レストランでの食事から食品デリバリーまで、オフラインからオンラインまで、1人での消費(fèi)に焦點(diǎn)を當(dāng)てた外食産業(yè)の業(yè)態(tài)が次々に生まれている。
獨(dú)身者層のニーズに注目するのは食品?外食業(yè)界だけでなく、家電業(yè)界も同じくおひとり様経済に焦點(diǎn)を合わせている。天貓(Tmall)の公式データによれば、ハンディ電気ケトル、ミニ炊飯器、1人用タンブラー、ハンディ扇風(fēng)機(jī)、小型洗濯機(jī)、小型冷蔵庫など、さまざまなおひとり様向け商品が少しずつ消費(fèi)者の視界に入るようになり、昨年はついに消費(fèi)者に人気の新キッチンツールになったという。
獨(dú)身者は何にお金を使うか?
1985-95年生まれの未婚者を研究対象とした、「おひとり様経済の勃興、消費(fèi)新勢力の臺頭」がテーマの研究報(bào)告書によれば、獨(dú)身者層には4つの共通した消費(fèi)の方向性があるという。お金で便利さを買う、お金を自分の喜びのために使う、お金でよりどころを買う、お金で未來を買う、の4點(diǎn)だ。
(1)お金で便利さを買う
オンライン消費(fèi)をみると、獨(dú)身の消費(fèi)者がオンラインショッピングを選択する際の重要な要因は便利さだ。同報(bào)告によると、獨(dú)身の消費(fèi)者の97%がネット通販を選択し、62%が食品デリバリーをよく注文するという。
(2)お金を自分の喜びのために使う
カップルになって相手に合わせるより、1人で満ち足りた生活をする方がよい。こうした傾向はビジネス界では、「自分を喜ばせるための消費(fèi)」の流行を促進(jìn)する。獨(dú)身者層の多くの人は物質(zhì)的に自立し、精神的にも自立し、消費(fèi)力は高く、商品に対して単に「一人分」では満足しない高いニーズをもつ。
少額の消費(fèi)ならペット、ゲーム、アイドル、フィットネスカード、高額の消費(fèi)なら高級レストランでの1人ごはん、高級ホテルに1人で宿泊、レジャースポットを1人で旅行など。おひとり様の消費(fèi)者はただ「分量が小さい」だけでよしとするのではなく、「小さくて洗練される」、「見た目がよく」、その上、それぞれの個(gè)性や特色のある商品?サービスを好むという點(diǎn)がより重要だ。また物質(zhì)的に妥協(xié)せず、よりよい品質(zhì)を求めてより高価な商品?サービスを購入することをいとわず、価格にはそれほど神経質(zhì)ではなく、よいものはそれなりの値段がすると確信している點(diǎn)もより重要だ。
(3)お金でよりどころを買う
おひとり様は孤獨(dú)をどうしているのか。お金を使う、が答えだ。おしゃべりにつきあう、ゲームにつきあう、お休みを言う、食事につきあうなどなど、さまざまなつきそいサービスが次々に生まれている。孤獨(dú)が都市のBGMになった今、その脈動(dòng)の中にビジネスチャンスをかぎつける人もいる。
精神的なよりどころとして、ますます多くの獨(dú)身者が貓や犬を飼い、ペットに夢中な「ニャン星人」、「ワン星人」になる。特に一人暮らしの若者はペットを飼っている割合が高く、ペットブームは80後(1980年代生まれ)と90後(1990年代生まれ)の若い層に集中的に現(xiàn)れている。
(4)お金で未來を買う
このほか、獨(dú)身者層は自分への投資を重視し、フィットネスやオンライン教育などで得られる向上感もコアニーズになっている。スポーツ施設(shè)を利用する人のうち、19-35歳の若いユーザーが約70%を占める。ニールセンがこのほど発表した「中國獨(dú)身経済報(bào)告」によれば、獨(dú)身者層は暮らしと自分への期待がとりわけ高く、「これからの1年間に空き時(shí)間を利用して本を読みたい」と考える人が22%に上り、「新しい技能を習(xí)得したい」は18%、「自分の興味や趣味を育てたい」は17%だった。
おひとり様経済は次のビジネスチャンス?
同報(bào)告は、獨(dú)身者が増え続けるのにともない、獨(dú)身者層の消費(fèi)力が軽視できなくなり、新たな消費(fèi)トレンドが起きようとしているとの見方を示した。
データをみると、獨(dú)身者で高齢者の世話や子どもの教育の圧力に直面している人は1%しかおらず、ここから獨(dú)身者の消費(fèi)意欲の強(qiáng)さがうかがえる。これからの1年間で、「できるだけ早くシングルから抜け出したい」とした獨(dú)身者はわずか10%だった一方、「引き続きシングルでいたい」は31%に上った。言い換えれば、予見可能な未來の中で、「長らくシングルでいる」か「永久にシングルでいる」層が生まれる可能性が高いということで、この層は消費(fèi)人口に占める割合は低いが、消費(fèi)のポテンシャルは非常に高い。
獨(dú)身者層全體の特徴は、安定した相當(dāng)の収入がある、消費(fèi)力が高い、質(zhì)の高い教育を受けてきた、暮らしの質(zhì)に対する要求が高い、「自分のために生きようとする意識」が高い、非常にはっきりした自分のための消費(fèi)ニーズと消費(fèi)意欲をもっていることなどだ。
また「獨(dú)身貴族」と言われる人の多くは一人っ子で、日々の暮らしの中で経済的プレッシャーを受けることはないばかりか、上の世代からの経済的支援があり、その消費(fèi)意欲と消費(fèi)力は往々にして収入のレベルを上回る。またこの層はより洗練さを求めることから、その消費(fèi)の嗜好と傾向が新たなトレンドになり、他の消費(fèi)層に影響を與える可能性が高いという點(diǎn)がより重要だ。(人民網(wǎng)日本語版論説員)
「人民網(wǎng)日本語版」2020年7月15日