「この世で一番美しい季節(jié)」と言われる4月には、桜の花、杏の花、桃の花、梨の花などが次々に開花する。中國(guó)各地が「花見モード」に入り、桃の花祭り、桜祭り、梨の花祭りなど、さまざまな「花にまつわるイベント」が各地で盛んに開催されている。清明節(jié)(先祖を祭る中國(guó)の伝統(tǒng)的な祭日、今年は4月4日)の連休には、「花見経済」の動(dòng)きがことさらに目を引いた。
「花見経済」はその花を一斉に咲かせているが、それと同時(shí)に、畫一化、季節(jié)が限定されること、産業(yè)チェーンの短さ、関連サービスの未整備といった一連の問題も徐々に明らかになり、こうした問題が産業(yè)の安定的な長(zhǎng)期的発展をある程度制約するようになった。
1輪の花がどうやって1つの産業(yè)を「花開かせた」か?
ここ數(shù)年、都市と農(nóng)村の発展に伴って、中國(guó)の複數(shù)の地域で「花祭り」や「花見會(huì)」などが相次いで行なわれるようになった。中部地域の河南省では、10以上のエリアで清明節(jié)前後に數(shù)種類の「花祭り」が行なわれた。
毎年4月になると、中國(guó)內(nèi)外で名高い洛陽市の牡丹がシーズンを迎え、大勢(shì)の観光客が続々と洛陽を訪れる。今年の洛陽牡丹の會(huì)は日本とフランスにもサブ會(huì)場(chǎng)が設(shè)けられるほどだった。
河南だけではない。河北省威県の梨の花祭り、江蘇省時(shí)集鎮(zhèn)の桃の花祭り、山西省杏花村の杏の花祭りなど、さまざまな「花祭り」が次々にスタートした。風(fēng)景は「お金を稼げるもの」になり、それに伴って「花経済」が誕生した。
河南省社會(huì)科學(xué)院都市?環(huán)境研究所の王建國(guó)所長(zhǎng)は、「各地で盛んに行なわれる『花祭り』は、時(shí)代の進(jìn)歩と都市農(nóng)村経済発展に伴って出現(xiàn)した新業(yè)態(tài)で、『旬の物を売る』から『旬の景色を売る』への転換を?qū)g現(xiàn)し、農(nóng)村振興と美しい農(nóng)村建設(shè)につながるものとなる」との見方を示した。
「花見経済」は開花期の制約を打ち破れるか
「花見経済」が花開くと同時(shí)に、季節(jié)が限られる、観光できる期間が短い、商品の構(gòu)造が畫一的であるといった一連の問題が徐々に明らかになってきた。山西省太原市にあるラベンダーNE荘園を例として挙げると、景観エリアにはラベンダー、クマツヅラ、ひまわり、ローズマリー、タイム、菊など様々な花が植えられ、花が順を追って咲くことで、6月初旬から8-9月まで景色を楽しむことができ、夏から秋までのシーズンをほぼカバーできる。しかし春は咲いている花の種類が少なく、多くの観光客が「物足りなさ」を感じている。
業(yè)界関係者は、「『花見』は『花見経済』の表面的な形態(tài)に過ぎない。この分野をより深く発展させるためには、一方では花の種類の組み合わせにオリジナリティを出すことが必要で、それぞれの季節(jié)に合わせて発展的にオリジナルの景観を作り出し、『花見経済』に季節(jié)ごとの消費(fèi)能力と個(gè)性的な特徴を十分に持たせることが必要だ。その一方で、花の多様な利用価値を十分に開拓し、単なる花見から、花を買う、花を食べる、花を利用するへと広げ、『花の內(nèi)包』するものへの沒入感と『花の外延』的な魅力を強(qiáng)化することも必要だ」と述べた。
山東省のバックパッカーである祝爽さんは、今年の清明節(jié)連休には新疆維吾爾(ウイグル)自治區(qū)の那拉提景勝地で花を楽しんだ。彼女は、「観光客を引きつけようと思ったら、古いものを守っていてはだめ。絵のような花景色や花の迷路を開発して植栽してもいいし、『花のホテル』や『花のレストラン』を作ってもいい。さらにはフラワーアレンジメント教室やフラワーティー文化の講座開催や、オリジナリティある観光商品の開発もいいと思う?;à驑Sしめる期間は短いが、創(chuàng)造性は無限大だ。『一時(shí)的な盛り上がり』の限界を打ち破り、旅行商品の開発で絶えず古いものを淘汰して新しいものを打ち出す必要がある」と話した。
同質(zhì)競(jìng)爭(zhēng)の難問は解けるか?
花の季節(jié)が限定されるだけでなく、「年々歳々花相似たり」と古詩(shī)に詠われるように、毎年咲く花は同じということからくる飽きもある。特に飽きによってもたらされる市場(chǎng)の疲弊感も、早急に解決しなければならない難題だ。たとえば、多くの地域が一斉にネットで人気の桜鑑賞スポットを打ち出しているが、実際のところ、こうした地域のスポットはどれも似たり寄ったりで、最大の違いは面積の違いに過ぎない。また菜の花祭りはここ數(shù)年、各地の農(nóng)村観光の主要コンテンツになったが、やはり「季節(jié)が限定される」、「楽しめる期間が短い」、「商品の構(gòu)成が畫一的」といったことから観光客に飽きられている。
実際、一部の地域では、こうした狀況を踏まえて、すでに興味深い探求を始めている。食べる、泊まる、移動(dòng)する、遊ぶ、買うなどの要素を集め、周辺の観光スポットや観光ルートと連攜したり、スポーツイベント、文化蕓術(shù)パフォーマンス、ファミリー農(nóng)場(chǎng)、美しい農(nóng)村などと結(jié)びつけて、「花をめぐる経済」と「ビジネスコンセプト」を連攜させ、「花見経済」が本當(dāng)に「大輪の花を咲かせる」ようにしている。
北京市の玉淵潭公園では桜アイスクリームがネットの人気商品になり、北京植物園ではグッズショップの押し花のしおりやドライフラワーのペンダントなどのクリエイティブグッズに自然の息吹が込められ、桜の名所として有名な湖北省武漢市の東湖桜園では、桜柄のスカーフや桜の石けんなどの商品デザインに古代の楚の文化が取り入れられている。
重慶市潼南區(qū)では、小さな菜の花が潼南観光産業(yè)の大発展をけん引している?,F(xiàn)地では遊覧船、小型の列車、ヘリコプターの観光プログラムを融合させ、水陸空が一體となった娯楽プログラムを打ち出し、観光客がさまざまな方向性から菜の花を楽しめるようにしている。
3月初め、北京は「花の咲く日々——北京をそぞろ歩いて花を楽しみ建築を?qū)Wぶテーマ観光」と銘打った花見ツアー12路線を打ち出し、春の花の観賞と古い建築物巡りのツアーを結(jié)びつけた。広東省広州市では、各郷?鎮(zhèn)が花見スポットを連攜させてルート化することに積極的で、見所の多い農(nóng)村観光の大型ルートが打ち出された。
こうしたことからわかるのは、各地域の「花見経済」には、持続的にチェーンの構(gòu)築、延長(zhǎng)、補(bǔ)強(qiáng)、強(qiáng)化を行い、合理的で充実した産業(yè)チェーンの構(gòu)築を通じて、「花見経済」が安定的な長(zhǎng)期的発展を遂げるようにする必要があるということだ。どんなよい製品も、蕓術(shù)的な美しさ、実用的な価値、文化の香りを備えている必要がある?!富ㄒ娊U済」の商品もこれと同じだ。そのためには、関係各方面がイノベーションに力を入れ、花関連商品のオリジナルな要素を増やし、「花見経済」の中に文化的要素をより多く取り込むことが必要だ。
科學(xué)技術(shù)による展開 パーソナル體験を向上させる
花見のシーズンが到來すると、観光経済にさまざまな好材料がもたらされるが、短期間に大勢(shì)の観光客が押し寄せるため、都市の観光施設(shè)にとってはより高い要求が突きつけられることにもなる。美団研究院が最近発表した調(diào)査研究報(bào)告書「ネット人気スポットのネット評(píng)価、発展トレンド、発展対策」も、よりポテンシャルが大きいのは、環(huán)境が優(yōu)れ、価格が適切で、交通の便がよい景勝地だとの見方を示した。
中國(guó)商業(yè)経済學(xué)會(huì)の宋向清副會(huì)長(zhǎng)は、「各地の『花をめぐる経済』を大きく、強(qiáng)く、活力あるものにしたいなら、市場(chǎng)化された手法をできるだけ採(cǎi)用するべきだ。伝統(tǒng)や規(guī)模だけでなく、産業(yè)と市場(chǎng)の支えも必要であり、都市農(nóng)村の自覚的発展が內(nèi)包する內(nèi)在的な活力や原動(dòng)力を絶えず向上させていくべきだ」と提起した。
前出の王氏は、「各地が『花をめぐる経済』を活性化させたいなら、インフラ建設(shè)などの関連サービスに多くの力を真剣に注ぎ、さまざまな『花祭り』の産業(yè)チェーンを長(zhǎng)く伸ばして、『花祭り』を各地で花開かせるとともに、実を結(jié)ぶようにし、四季を通じて常に旺盛なパワーを示すようにするべきだ」と提起した。
江南大學(xué)設(shè)計(jì)學(xué)院の朱蓉教授は、「スマート観光地の構(gòu)築により、関連サービスの整備が実現(xiàn)できるかもしれない。ビッグデータを革新的に運(yùn)用することが、未來の観光地の計(jì)畫?発展のトレンドになるだろう」との見方を示した。(人民網(wǎng)日本語版論説員)
「人民網(wǎng)日本語版」2021年4月16日