玉淵潭公園の桜アイス(畫像は玉淵潭公園が提供)。
桜の花を眺める花見は、古來からある春の楽しみ方であり、感性を大切にする現(xiàn)代社會(huì)で多大な経済効果を発揮している。レジャーのニーズを前提として、花見に関連したあらゆる娯楽イベント、商業(yè)消費(fèi)が新たなトレンドになり、「桜経済」が出現(xiàn)した。中國(guó)には海棠、杏の花、桃の花、ここ2年ほどで人気に火が付いた菜の花など、開花シーズンが桜と重なる數(shù)多くの花が楽しめる。なぜ若者たちはこうした花のファンにはならないのか。
素晴らしい生活のためにお金を使う
桜の花は「顔面偏差値」が高い。中南財(cái)経政法大學(xué)マーケティング管理學(xué)部の準(zhǔn)教授で、ニューメディアマーケティングセンター研究員の杜鵬氏は、「春に桜の花見をするのは、ここ數(shù)年人々にとって『桜へのこだわり』となり、ユーザーサイドの気分がマーケティングにとって最良の『觸媒』になっている。桜のピンク色は春の視覚的なシンボルとなり、高い顔面偏差値が人々の素晴らしい生活に対するイマジネーションを満たしている。素晴らしい生活のためにお金を使うのが、當(dāng)たり前のことになった」との見方を示した。
桜の花は希少性も高い。桜は自然の中にある植物であり、著作権を誰(shuí)かが所有しているわけではなく、ブランドが桜をめぐる業(yè)界の枠を超えたマーケティングに參入する場(chǎng)合のハードルは低いが、開花期は非常に短い。ブランドの期間限定?數(shù)量限定といったマーケティング手法と桜の「タイミングを逃すと散ってしまう」季節(jié)性がぴたりと合致して、人々の購(gòu)買意欲を促進(jìn)している。
湖南科技大學(xué)が花見をする人々に関して行なった調(diào)査研究の報(bào)告によると、性別では、花見を好む割合は女性が男性よりずっと高く、女性は60%が「花見が好き」と答えた。年代では、25歳以下が大半を占めた?!割喢嫫顐帯剐叛訾蜗?、見た目のよさを追い求める若い女性ユーザーは、消費(fèi)においても顔面偏差値の高い商品をより追い求めるようになった。
地方政府が強(qiáng)力に後押し
科學(xué)技術(shù)の発展に伴って、桜文化の伝達(dá)方法も大きく変化し、今では観光客の89%が微博(ウェイボー)、ショート動(dòng)畫などのニューメディアプラットフォームで見た桜に惹かれて、花見にやって來るという。
微博、微信(WeChat)、アプリケーションなどのプラットフォームでの2月10日以降の「花見」をめぐる話題をチェックして分かったことは、花見というロマンティックなイベントに関する話題の基調(diào)は、「微光」、「希望」、「愛情」といった美しい言葉によって構(gòu)成されているのと同時(shí)に、高い頻度で登場(chǎng)する?yún)g語(yǔ)の中から、日本の花見の習(xí)慣が中國(guó)人に與えた影響の深さを容易に読み取れることができる點(diǎn)だ。
桜に関する話題は3月30日にピークに達(dá)した。この時(shí)期はちょうど清明節(jié)(先祖を祭る中國(guó)の伝統(tǒng)的な祭日、今年は4月4日)連休の前半に當(dāng)たり、「江寧花見図鑑」に関する微博が同日にはのべ1萬(wàn)回以上転載された。ここからわかるのは、「花見経済」における政府の動(dòng)きが果たす推進(jìn)的役割の大きさだ。
花見消費(fèi)の潛む地域の消費(fèi)能力が高い
ネットユーザーの地域分布を見ると、「花見」に関する話題を展開している人は北京市、広東省、江蘇省、上海市など経済が発達(dá)した地域に多く集中する。
経済が発達(dá)した地域ほど、文化型レジャー消費(fèi)活動(dòng)が重視され、こうした地域における「桜経済」の消費(fèi)ポテンシャルが非常に高い。経済力が向上し、金銭的にも自由がきく狀況において、ますます多くの人がより健康的、より豊かで魅力あるライフスタイルを渇望するようになっている。
可処分所得が多く、暮らしと美しさへの憧れが強(qiáng)く、自分の感情をSNSで発信しようとする都市部の女性が、「桜経済」に寄與する重要な存在だ。
消費(fèi)文化の形成
中國(guó)には海棠、杏の花、桃の花、ここ2年ほどで人気に火が付いた菜の花など、開花シーズンが桜と重なる數(shù)多くの花が楽しめる。なぜ若者たちはこうした花のファンにはならないのか。
中國(guó)國(guó)內(nèi)にも洛陽(yáng)の牡丹祭りや竜泉の桃の花祭りなどのイベントは少なくない。地方政府の「文化で舞臺(tái)を作り、経済が歌や芝居をする」という意図?構(gòu)想も明らかだが、理論的に言えば、文化と消費(fèi)文化は異なる概念であり、文化を先頭に掲げても、それに見合った消費(fèi)文化が育つかどうかはわからない。
フランスの哲學(xué)者のジャン?ボードリヤールは「消費(fèi)社會(huì)の神話と構(gòu)造」の中で、消費(fèi)文化の形成は、個(gè)人が何らかの社會(huì)的欲望に満足していないことの表れだとの見方を示した。わかりやすく言えば、消費(fèi)行為に現(xiàn)れているのはある種の社會(huì)的価値への志向だ。人々は消費(fèi)の過程で、自分自身への肯定感を表出するとともに、ある種の社會(huì)的欲望も満たしている。日本の伝統(tǒng)的な花見文化は中國(guó)の「桜経済」の背景的要因に過ぎず、消費(fèi)を直接つき動(dòng)かしているわけではない。中國(guó)の「桜経済」の形成は、桜自身がもつシンボルとしての特徴、人々を感動(dòng)させる美しさ、散り際の潔さなどが、好奇心が強(qiáng)く、新たなトレンドを追い求める若者のメンタリティーにぴったり合ったからこそ、「桜経済」が形成されたのだ。桃の花、牡丹、菜の花などは、桜のように既存の花をめぐる文化を基礎(chǔ)として若い層の現(xiàn)代型消費(fèi)とぴったり合うような點(diǎn)を見出すことができなかったと言えるだろう。
特定の時(shí)期の特定のシンボルがもつ意義、これに消費(fèi)文化の育成と地方政府による重視が加わって、「桜経済」の形成にまたとないチャンスが訪れた。今や中國(guó)の桜は、徐々に時(shí)代の精神を宿した社會(huì)的シンボルになってきた。(編集KS)
「人民網(wǎng)日本語(yǔ)版」2021年4月30日