大多數(shù)の中國(guó)人はこの寫真に見覚えがあるだろう。モノクロの寫真の中で、少女は粗末な服を著て、髪は亂れたままで、小さな手に鉛筆を握って機(jī)の前に座っている。表情はおずおずとしていながらも、澄んだ純真な大きな瞳がこちらをじっと見つめているようで、何かを強(qiáng)く求める光を放っている。

1991年、この「學(xué)校へ行きたい」と題された寫真が発表されると、たちまち多くの中國(guó)人の心を捉えた。その時(shí)から、希望プロジェクトは社會(huì)全體から広く注目され、寄付が寄せられるようになり、無數(shù)の學(xué)校に通えない児童たちが再び學(xué)校に戻れるようになった。そしてこの寫真に寫っていた當(dāng)時(shí)わずか8歳だった蘇明娟さんは、その後の人生を変えることとなった。

30年が瞬く間に過ぎた。かつて注目された寫真の小女は、その後どうなり、どんな人生を歩んでいるのだろうか？

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1983年、蘇明娟さんは安徽省金寨県張灣村のごく普通の農(nóng)家に生まれた。両親は漁業(yè)や作物栽培で生計(jì)を立てており、一家の暮らしは苦しかった。「大きな瞳」の寫真が撮られた當(dāng)時(shí)、蘇さんはまだ1年生で、1學(xué)期60-70元の教材費(fèi)?雑費(fèi)が家で最大の経済的負(fù)擔(dān)になっていた。

蘇さんは當(dāng)時(shí)通っていた張灣小學(xué)校について、「教室は天井が低くてボロボロで、窓にガラスを入れるお金もなかった。冬になると、ビニールシートをかぶせると光が入らず暗くなってしまうので、冷たい風(fēng)がビュービューと教室に吹き込むに任せるしかなかった」と振り返る。寒さのあまり、児童らはよく押しくらまんじゅうをするように一塊になっていたという。

金寨県希望小學(xué)校の前身となった彭氏祠堂（資料寫真）

1991年5月のある日、1年生の蘇さんは熱心に授業(yè)を受けていた。蘇さんの知識(shí)を渇望するような大きな瞳が、同校を取材していた解海龍記者の視界に飛び込んできた。そして、鉛筆を握った蘇さんが再び顔を上げて黒板を見つめた時(shí)、解記者はすばやくシャッターを切った。

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蘇さんに最初に寄付をした李萬さんは、自身のわずかな手當(dāng)を貯め、毎學(xué)期必ず蘇さんに100元（現(xiàn)在のレートで1元は約17.1元）を送り続け、それは蘇さんが小學(xué)を卒業(yè)するまで続いた?！钢袑W(xué)生時(shí)代は、多くの方が私を援助してくれた。お小遣いを送ってきてくれた子供もいたし、授業(yè)のない時(shí)にやったアルバイト代を送ってきてくれた大學(xué)生もいた。天津のある退職したお年寄りは、中學(xué)から高校まで、毎年舊暦の年越しをする時(shí)に飴などのおやつや生活用品を送ってくれた」。蘇さんは感謝を込めて當(dāng)時(shí)を振り返った。

その後、蘇さんを援助したいと申し出る人が他にも現(xiàn)れたが、善良でまじめな父親は蘇さんに、「このお金は受け取れない。私たちはもう他の人に援助してもらっているから。私もお前の母さんもまだ働けるし、お前と弟を養(yǎng)うこともできる」と話した。援助を辭退したものの、援助を申し出た人が受け取りを斷ったため、蘇さんはそのお金を全額希望プロジェクトに寄付した。

2002年9月、蘇さんは安徽大學(xué)職業(yè)技術(shù)學(xué)院金融専攻コースに合格。2005年に卒業(yè)した後、中國(guó)工商銀行安徽省支店に就職した。

就職後、子供の頃の自分をバックに寫真に納まる蘇明娟さん。

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無數(shù)の心ある人々に助けられ、感化された結(jié)果、蘇さんも子供の頃から公益活動(dòng)をするようになり、今も活動(dòng)を続けている。

1997年、中學(xué)2年生になったばかりの蘇さんは、自分に寄せられた600元を?qū)幭幕刈遄灾螀^(qū)の回族の少女に自発的に送金し、この少女の學(xué)校に行きたいという夢(mèng)をかなえてあげた。

2002年に安徽大學(xué)に合格後、毎學(xué)期定額で支給されていた900元の生活補(bǔ)助を全額他の貧しい學(xué)生に渡していた。

就職した後、蘇さんは初月給を全額希望プロジェクトに寄付。その後も毎月自分の収入の一部を寄付し続けた。また、毎年欠かすことなく、蘇さんは1000元を寄付して貧しい學(xué)生たちを支援し続けた。

2006年、蘇さんと解海龍さんは有名な「大きな瞳の少女」の寫真の版権をオークションに出品。収益金30萬元以上を西蔵（チベット）自治區(qū)拉薩（ラサ）市曲水県の希望小學(xué)校に寄付した。

2018年、蘇さんは3萬元の貯金をスタート資金として、「蘇明娟助學(xué)基金」を設(shè)立し、愛と希望をこれからも伝えていこうとしている。この公益基金はすでに希望小學(xué)校2校の創(chuàng)立を支援し、45人の貧しい大學(xué)新入生をサポートしている。

そして現(xiàn)在、蘇さんは幸福な家庭を築き、可愛らしい子供たちの母となっている。（編集AK）

「人民網(wǎng)日本語版」2021年9月16日