土星の第2衛(wèi)星であるエンケラドゥスは太陽系の中で生命が存在する可能性が最も高い地球外の星の一つだ。このほど中國科學(xué)技術(shù)大學(xué)の郝記華研究員らは研究により、エンケラドゥスの氷の下の海洋に豊富な溶解性リン酸塩が含まれ、潛在的な微生物の起源と繁殖を支えられる可能性があることを発見した。この発見はエンケラドゥスの海洋の居住可能性に関する研究の空白を埋め、エンケラドゥスに存在する可能性のある生命の探査に向けて科學(xué)的な參考情報(bào)を提供している。新華社が伝えた。
エンケラドゥスは人類が発見した土星の2つ目の衛(wèi)星だ。表面が分厚い氷に覆われていることが大きな特徴で、「氷の衛(wèi)星」とも呼ばれる。世界の科學(xué)界は1980年代以降、宇宙探査機(jī)によりエンケラドゥスの氷の下に海洋が隠れていることを発見した。氷の隙間から噴出する氷の粒を分析し、生命の6つの基本構(gòu)成元素のうち炭素、水素、酸素、窒素、硫黃を発見したが、リンだけは見つからなかった。
リンは生物體のDNA、生物膜、骨などの構(gòu)成に不可欠なため、世界の科學(xué)界はエンケラドゥスは生命の存在に適さない可能性があると判斷していた。
エンケラドゥスの構(gòu)造説明図。(畫像提供は取材先)
郝氏が率いる國際科學(xué)研究チームはこのほど、海水?巖石相互作用モデルを畫期的に構(gòu)築し、エンケラドゥスの海水化學(xué)環(huán)境のシミュレーションを行った。
郝氏は、「リンは水に溶けることで初めて生物に利用される。地球の海水と比べると、エンケラドゥスの海水はアルカリ含有量が多い上、酸素が存在しない。その成分はややソーダ水に似ている。このソーダ水の環(huán)境において、エンケラドゥスの核のリンを含む巖石は、約10萬年だけで海水に多くのリンを溶け込ませることができる。そしてエンケラドゥスの海洋はすでに1億年以上存在するため、リンを豊富に含むと推定できる」と述べた。
國際的な學(xué)術(shù)誌「米國科學(xué)アカデミー紀(jì)要」がこのほど、同成果を発表した。査読者は、「この研究は非常に斬新な角度から、エンケラドゥスの生命居住のポテンシャルを解明した。その方法はまた、その他の惑星の海洋の元素構(gòu)成及び初期地球における生命の起源の研究にも応用できる」とした。(編集YF)
「人民網(wǎng)日本語版」2022年10月10日