2歳の時(shí)に飲んだ薬が原因で聴力を失った張龍さん(36)は、それ以降、「靜かな世界」で生きている。
「全く聞こえないのではなく、窓の外を行き來する車の音や車のクラクションの音などはかすかに聞こえる。でも、遠(yuǎn)い所の話し聲やドアをノックする音などは聞こえない」と張さん。
そんな張さんは、12年のキャリアを持つバリスタであり、今では北京のコーヒーショップ3軒のオーナーになった。店では、コーヒーを淹れたり、コーヒーの商品開発をしたりしている。東直門近くにある新しい店の広さはわずか10平方メートルで、音楽も流れておらず、客寄せの聲もない。新型コロナウイルスの影響で、コーヒーショップの売れ行きは思わしくなく、1日に約30件のデリバリーの注文と、店に來る十?dāng)?shù)人の客の注文だけ。それでも、1ヶ月の経費(fèi)は賄えるという。音聲認(rèn)識(shí)アプリがあり、客もQRコードをスキャンすれば注文できるため、客や仕入れ先とも自分でコミュニケーションを取れる。そのため、張さんは一人で店のやりくりをしている。馴染みのデリバリー配達(dá)員や周りの店の店員なら、手振りやアイコンタクトで意志を通わせることができるという。
張さんは大學(xué)生の時(shí)にハンドドリップコーヒーに出會(huì)い、コーヒーの芳しい香りに魅了された。卒業(yè)後はサイト編集の仕事をしたものの、大好きなコーヒーの仕事をするために、その仕事を辭めてバリスタになった。張さんは他の店でも聴覚障害者のスタッフを雇ったことがあり、「聴覚障害者に仕事の機(jī)會(huì)を提供できるというのも、コーヒーショップを開くことにした理由の一つ」と説明する。
サイレントな世界で生活していることに関して、張さんは、「心もとても靜かで落ち著いている」という。それでも、「もちろん、他の人はみんなおしゃべりをしたりできるのに、自分だけ耳が聞こえないので、孤獨(dú)を感じることもある。また、お客さんとの會(huì)話がうまくいかず、誤解されるのではと心配になることもある」と話す。そんな張さんは、自分が聴覚障害者であることを前面に出すことはない。コーヒーショップにもそうした張り紙はせず、手話に関する表示もない。張さんは相手の口の動(dòng)きを読む読話も少しでき、聲を?qū)g際に出す練習(xí)もしたという。それでも、相手の聲が聞こえず、自分の発音が不正確なため誤解が生まれてしまうこともある。例えば、何かを?qū)い亭郡韦撕韦畏磸辘猡胜?、無視されたと感じて立ち去る客もいれば、メニューを指さしながら話す客を見て注文だと思ってコーヒーを作ってから、実は注文ではなく何気ない會(huì)話をしていただけだと気づいたこともあるという。また、張さんが外國人で中國語が分からないと勘違いして、外國語で話し始める客もいるという。さらに、新型コロナウイルスの影響でマスク著用が日常化しており、読話をすることができないため、マスクを外すようお願(yuàn)いすることもある。そんな時(shí)、張さんは「透明のマスクがあればいいのに」と思う。時(shí)には、手話ができる人がコーヒーを飲みに來ておしゃべりできることもあり、そんな時(shí)はとてもうれしいという。
張さんは、「毎日、とてもシンプルな生活を送っている。朝8時(shí)に起きて、9時(shí)半に家を出て、バイクで店に行き、10時(shí)から仕事。晝食はデリバリーを利用し、夜は7時(shí)半ごろに店を閉めて帰り、家で夕食を食べる」と話す。また、最近、生活に変化もあったといい、「2ヶ月くらい前に、子供が生まれた。起業(yè)の道を歩むうえで、妻がずっと応援してくれている。今は子供ができて、それが毎日仕事をする原動(dòng)力となっている。子供を見るために、早めに店を閉めて家に帰りたいと思う時(shí)もある」と語る。
平凡ではあるけれど穏やかな暮らしを続ける中で、2人のもとに舞い降りて來た小さな命が、張さん夫婦に新たな希望を與えている?!袱长问澜绀我簸劋长à毪瑜Δ摔胜辍I親が僕の名前を呼ぶ聲と、子供が『パパ』と呼ぶ聲が聞こえる日が來てほしい」。それが張さんのささやかな願(yuàn)いだ。 (文:袁蒙、張麗婭、編集KN)
「人民網(wǎng)日本語版」2021年9月23日