最近、柳夜熙という名前のメイクブロガーがインターネットで人気を集め、インターネット上の仮想世界「メタバース」のブームを後押ししている。柳夜熙は最初のショート動(dòng)畫をアップしたその日に135萬人のフォロワーがつき、11月16日時(shí)點(diǎn)で2本の動(dòng)畫をアップして、904萬5千件の「いいね」を獲得し、フォロワーは499萬人を超えた。ただ、柳夜熙はリアルな人間ではなく、仮想世界のバーチャルヒューマンだ?!笖鹏敃妶?bào)」が伝えた。
「メタバース」の概念は米國のSF作家ニール?スティーブンスンが1992年に発表した小説「スノウ?クラッシュ」で初めて登場(chǎng)した。これはネット上の人格と仮想現(xiàn)実(VR)の初歩的な暗示を特色とした最初のサイバーパンク小説で、「メタバース」とは現(xiàn)実世界とパラレルでありながら、常にオンラインの仮想世界であり、食事や睡眠などは現(xiàn)実の中で行わなければならないが、他のことはすべてこの仮想世界で実現(xiàn)できるとしている。30年後の今、この小説は多くのインターネット関係者に「メタバース」の起源だとリスペクトされている。
今年に入ってから、「メタバース」がたびたび人々の前に登場(chǎng)するようになった。米ビデオゲーム開発企業(yè)のロブロックスは「メタバース」概念株として初の上場(chǎng)を達(dá)成し、米SNS大手のフェイスブックは社名をメタに変更し、マイクロソフトは「メタバース」に全面的に進(jìn)出すると宣言した。このような注目の話題が次々に現(xiàn)われ、中國の起業(yè)家の羅永浩氏も次の起業(yè)プロジェクトは「メタバース」と関連したものになると発表した。人気上昇に貢獻(xiàn)するにしろ、人気に便乗するにしろ、ゲームやSNS、広告、マーケティングなどさまざまな分野が相次いで「仮想世界」に進(jìn)出していることは確かだ。
実は「メタバース」という奧深く、ファンタジックな概念は、映畫や娯楽の分野ではしばしば使用されてきた。同概念が流行する前に公開された映畫「マトリックス」では、作中のバーチャル世界と現(xiàn)実世界とのシミュレーションや対立に「メタバース」の大まかな概念が取り入れられている。最近では「レディ?プレイヤー」や「フリー?ガイ」などの映畫が「メタバース」の概念のより詳細(xì)なイメージを打ち出した。2018年公開のスピルバーグがメガホンを取った「レディ?プレイヤー」は、「メタバース」の概念をより明確に打ち出した。映畫は2045年の世界を舞臺(tái)に、混亂と崩壊の淵で現(xiàn)実世界に失望し、救いを求めて「オアシス」というVRゲームに希望を托す人々の姿を描いている。VRデバイスを裝著すれば、ゲームの中で現(xiàn)実世界とまったく違う仮想現(xiàn)実に浸ることができ、「オアシス」には華やかな都市があり、さまざまなイメージのきらきら輝くプレイヤーたちがいて、いろいろな次元の映畫?テレビ?ゲームの有名なキャラクターたちも集まっている。主人公は現(xiàn)実の生活では寄る辺もない、ゲームに夢(mèng)中な若い男性だが、VRゲームの設(shè)計(jì)者に対する深い分析に基づき、困難を重ねて、ついにゲームをクリアすることに成功する。今年封切られた「フリー?ガイ」の設(shè)定もVRゲームだが、主人公がゲームの中のモブキャラ(ノンプレイヤーキャラクター<NPC>)というところに特徴がある。孤獨(dú)な銀行員の主人公が、自分は実は大型オンラインゲームの背景キャラクターに過ぎないと知った後、ゲームから抜けだして人生をやり直すと決め、ゲームの世界を救って「世界のヒーロー」になる姿を描いた。
映畫やテレビだけでなく、バーチャルヒューマンも「メタバース」と現(xiàn)実世界をつなぐ窓口で、バーチャルアイドルやバーチャル配信パーソナリティが次々に登場(chǎng)した。昔から知られているバーチャルアイドルと言えば、2007年に日本で誕生した歌姫の初音ミクがいる。彼女が歌う「イエヴァン?ポルッカ」はこの年に世界的にヒットし、その後、ホログラム技術(shù)を使用して世界ツアーも行われた。12年には中國のバーチャルアイドルの洛天依が誕生し、曲を発表したりコンサートを開いたりするだけでなく、ニッチな二次元カルチャーから脫卻してさまざまな公演に出演する活躍を見せた。
ここ2年ほどで、バーチャルアイドルがさらに盛んになり、今年初めに中國中央テレビのバラエティ番組「ブラボー ヤングスターズ(上線吧!華彩少年)」にはバーチャルキャラクターの「翎Ling」が登場(chǎng)した。20年にはバーチャルアイドルオーディション番組「ディメンションノヴ?。绱卧滦牵工潘亭丹臁ⅳ工伽匹些`チャルヒューマンの候補(bǔ)者30數(shù)人が登場(chǎng)し、パフォーマンスコンテストや人気投票などさまざまな競(jìng)爭(zhēng)を経て、最終的に留歌、PAPA、十火の3人のバーチャルアイドルが選ばれた。スマホゲーム「王者栄耀」から生まれたボーイズグループの無限王者団は、雑誌の表紙を飾る、映畫のエンディング曲を歌う、アルバムを発表するなど幅広く活躍している。今年は江蘇衛(wèi)視や愛奇蕓なども相次いでバーチャルヒューマンによるバラエティ番組を放送した。
各ジャンルのバーチャルヒューマンがネットで勢(shì)いよく発展している。柳夜熙は獨(dú)特の中國風(fēng)イメージとキャラクターでデビューし、海外ではバーチャルネット有名人のリル?ミケーラがSNSで300萬人のフォロワーを獲得し、中國初の超リアルバーチャルヒューマン「AYAYI」は今年9月に阿里巴巴(アリババ)集団に就職した……。バーチャル歌手からバーチャルネット有名人まで、さらにはバーチャルメイクの達(dá)人まで、市場(chǎng)はバーチャルヒューマンをますます受け入れるようになり、「メタバース」のバーチャルヒューマンたちにより多く活躍の舞臺(tái)を提供するようにもなった。(編集KS)
「人民網(wǎng)日本語版」2021年11月25日