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満開の桜の花はいつも美しく落ち著いた印象を與えてくれるが、一部の「桜味」の食品は実はそれほどおいしいものではない。
たとえば、ある有名なビスケットブランドが最近発売した「春限定サンドビスケット」2種類のうち、1種類は「フレッシュ桜?ユズ味」で、相當(dāng)な売り上げを上げているという。しかし、「ピンク色をしたビスケットは全然桜味じゃないし、はさんでいるクリームは甘いけど」、「桜の味はしない、ゆずの味が勝っている」、「食べてみたらビスケットはザクロの味、クリームはレモンの味がした」……「桜?ユズ味」を食べた人に聞いてみたところ、このような感想を述べ、首を橫に振る人が大半だった。
実際、桜が満開の大通りにいたとしても、桜が一體どんな味なのか説明するのは難しい。というのも、桜そのものに強(qiáng)い香りはほとんどないからだ。
それでは私たちが日常的に食べている「桜味」は一體どこから來た味なのか。酪酸エチル、酪酸アミル、酢酸ベンジル、ベンズアルデヒド、アニスアルデヒド、トルアルデヒド……原材料の表示を詳しく見ると、さまざまな化合物を調(diào)合してできた食用エッセンスこそ、桜味に「命」を吹き込んだものだということが分かる。しかし桜味のエッセンスを加えるとなぜあれほど食べにくい味になるのか。
業(yè)界関係者の話では、実は桜の味は香りを描寫するのが難しいため、逆に言えば好きなように研究開発することが可能となる?!竿ǔ¥险{(diào)合の過程で、できるだけ味から桜へイメージが広がるようにしている」という。言い換えれば、どれもおいしくないという點(diǎn)は一緒だが、実はメーカーごとに桜味の飲食品の味は異なるということで、その原因はメーカーの調(diào)香師ごとに桜味に対する理解やイメージが異なるからだ。
実際、人間は味に対して極めて鋭敏な感覚を持っている。口腔外科の専門家は取材に、「統(tǒng)計(jì)によれば、成人には2千個から4千個の味蕾があるという。味蕾は舌面の『乳頭』と呼ばれる部分の下に隠れている。舌を伸ばして鏡でよく見ると、乳頭には小さな突起がたくさんあることが分かる。これにより舌の表面積が何倍にも増え、味をより全方位的に感じられると言われている」と説明した。
飲み物を飲んだり、食べ物を食べたりすると、特定の味の情報が大脳に送られ、味覚システムの一連の「操作」が必要になる。すべての味蕾の味細(xì)胞は酸味、甘味、苦味、辛味、塩味など味の違いによって感度が異なり、さらには嗅覚、溫度、口當(dāng)たりと言ったさまざまな要因の影響を受けることは言うまでもない。なぜ桜味の多くが人工的なエッセンスを調(diào)合したものなのか。見た目はおいしそうで、食べると「まずい」と感じる味になっているのはまるで詐欺ではないのか。おそらく人類にとって「桜味の難関」を越えるのは本當(dāng)に難しいことなのだろう。
しかし、今年3月1日に國家衛(wèi)生健康委員會が「カンザン(桜の一種)など32種類の『三新食品(新食品原料、新規(guī)食品添加剤、新規(guī)食品関連製品)』に関する公告」を発表し、カンザンが新食品原料に認(rèn)定された。これはつまり、今後は本物の桜が原料の食品を口にできるかもしれないということを示している。(編集KS)
「人民網(wǎng)日本語版」2022年4月12日