中國の月探査機「嫦娥5號」が持ち帰った月面土壌サンプルに対して中國の科學者が行った最新の研究によると、月面の中緯度地域では、太陽風によって月の土壌の粒子の表層に注入される水がこれまで考えられていた以上に多く、月の高緯度地域には、利用価値のある大量の水資源が含まれる可能性があることが分かった。新華社が伝えた。
科學者は、太陽風や火山噴火、小惑星、彗星などは、いずれも月面の水の重要な出処である可能性があると見ている。しかし月面の水は具體的にどのようにしてできたのだろうか。
これらの重要な科學問題をめぐり、中國科學院國家宇宙科學センターと地質(zhì)?地球物理研究所による合同チームは、嫦娥5號の月の土壌のサンプルの実験?研究を行った。その最新の成果は13日、國際的に権威ある學術(shù)誌「米國科學アカデミー紀要」に掲載された。
この研究を率いた地質(zhì)?地球物理研究所の林楊挺研究員は、「ここで言うところの水とは一般的な意義での水ではなく、鉱物の中に存在する構(gòu)造水のことを指す。水の主要成分の一つが水素であることから、通常は水素含有量により水分含有量を表す」と説明した。
研究チームは嫦娥5號が採取した2點の月面サンプルの中から、ケイ酸塩鉱物(カンラン石、輝石、長石)などを含む月の土壌の粒子を17粒選び、ナノイオンプローブで新しく研究開発した空間分解能が極めて高い深度方向プロファイル分析技術(shù)を利用し、水素含有量と同位體の実験?分析を行った。
分析結(jié)果によると、嫦娥5號が採取した月面土壌の粒子の最表層0.1ミクロンの水分含有量は0.7%。研究者は水素と重水素の比率分析により、これらの水が太陽風により月面に高速で注入されたことを証明した。
論文共同筆頭著者で、地質(zhì)?地球物理研究所の田恒次副研究員は、「太陽から放出される水素イオンの平均速度は毎秒450キロメートルにのぼる。これらは銃弾が突き刺さるように月面土壌粒子の表層に食い込む」と述べた。(編集YF)
「人民網(wǎng)日本語版」2022年12月14日