北京の街を人民網(wǎng)日本人編集者のA姐とG姐がぶらりと歩いて紹介する、その名も「ぶらり北京」。今回は北京の桜の名所として名高い玉淵潭公園にやって來(lái)ました。さて、A姐とG姐は美しい桜を心靜かに愛(ài)でるのか、それともやっぱり「花より団子」派?
北京で桜といえばココ!
北京の中心地から少し西にある玉淵潭公園は、金代から風(fēng)光明媚な景勝地として知られ、遼金代には士大夫が景色を愛(ài)でに好んで訪れた。後に清の乾隆帝が香山から水を引き、池のほとりに建てた釣魚(yú)臺(tái)で釣りを楽しんだという。1960年、正式に玉淵潭公園と命名。市民の憩いの場(chǎng)として親しまれている。
玉淵潭公園桜まつりを見(jiàn)に訪れた花見(jiàn)客(撮影?勝又あや子)。
玉淵潭公園の桜は中日友好の証としても知られている。この公園に桜が初めて植えられたのは1973年のこと。中日國(guó)交正常化を記念し、日本から贈(zèng)られたオオヤマザクラの苗180株が植えられた。1989年、公園內(nèi)に「桜花園」が造営され、それ以降、中國(guó)東北地方や山東省などから14品種、2000株以上の桜が植えられた。さらに2001年以降、ソメイヨシノを大量に植樹(shù)。今では40品種以上、3000株近い桜の木が植えられている。
玉淵潭公園で毎年開(kāi)催される桜まつりは今年で32回目。例年多くの花見(jiàn)客が詰めかけ、押すな押すなの大混雑となる。今年は新型コロナウイルス感染癥の影響で予約制を採(cǎi)用し、入場(chǎng)者數(shù)を制限。そのせいか、ひどい混雑もなく、ゆっくり桜を愛(ài)でることができた。この日はソメイヨシノの見(jiàn)頃にはまだ早かったが、ちょうど満開(kāi)を迎えている品種も。淡い桜色の花びらが重なり合い、小さな毬玉のように集まって咲く様子がとても可憐だった。
玉淵潭公園の桜(撮影?勝又あや子)。
花見(jiàn)のお目當(dāng)ては「桜と私」寫(xiě)真?
日本で花見(jiàn)と言えば、シートを敷いて車(chē)座に座り、賑やかに食事やお酒を楽しむというのが一般的。でもここ、玉淵潭公園での楽しみ方はなんといっても寫(xiě)真撮影!一眼レフを片手に桜の花を撮影しにやって來(lái)るアマチュアカメラマンも多いけれど、メインは「桜と私」寫(xiě)真。公園のあちらこちらで、桜の前でポーズを撮る人々の姿が見(jiàn)られた。カメラから視線を少し外すのは基本中の基本、さらには足をクロスして雑誌モデルを気取る人、華やかな傘を手に雰囲気を演出する人、紅樓夢(mèng)の林黛玉よろしくはんなりポーズを決める人……でも「映え」寫(xiě)真を狙うあまり、桜の枝を折ったり、顔の近くまで引き寄せたりするのは厳禁。そんな不心得者が出ないよう、園內(nèi)には花見(jiàn)マナーの監(jiān)視スタッフがしっかり目を光らせている。
漢服姿の人もちらほら。園內(nèi)には漢服レンタルショップもあり、ここで衣裝を借りて園內(nèi)で撮影することもできる。衣裝のレンタル代は1時(shí)間100元(約1700円)、ヘア?メイク代がそれぞれ10元(約170円)とお手頃価格だ。ただ、レンタルショップ店員によると、「見(jiàn)に來(lái)る人は多いけれど、実際に借りる人はそんなに多くない」とのこと。漢服花見(jiàn)客のほとんどは自前衣裝組ということらしい。「撮影用衣裝」のバリエーションは他にもいろいろと豊富。日本の制服を思わせるセーラー服やゴスロリファッションも目についた。
桜の花の下、漢服姿で記念撮影する親子連れ(撮影?勝又あや子)。
漢服姿で踴る女性(撮影?勝又あや子)。
少し年齢が高めの女性たちに絶大な人気を誇るファッションアイテムは、鮮やかな色のスカーフだ。お揃いのスカーフで決めた女性グループもいれば、思い思いの色のスカーフでおめかしした數(shù)人連れの女性たちも。
そんな中、ひときわ目を引いていたのが、赤いジャージ姿の開(kāi)腳パフォーマンスおじいちゃん。御年86歳で、ご本人の弁によれば、「3歳から練習(xí)している」とのこと。スマホやカメラを向ける周?chē)欷稳摔郡沥蚋袊@させていた。
開(kāi)腳パフォーマンスおじいちゃん(撮影?勝又あや子)。
見(jiàn)るだけじゃない!「食べる桜」が大人気
しかし、今年の桜まつりの一大トレンドは何といっても桜アイス!園內(nèi)のあちらこちらに売店が設(shè)けられ、桜の花を象ったアイスが文字通り飛ぶように売れていた。この日売られていた桜アイスは2種類(lèi)で、15元(約250円)の桜アイス(モモ味)と、ちょっと高級(jí)な29元(約480円)の桜アイス(イチゴ味)。イチゴ味のほうは、玉淵潭公園とハーゲンダッツのコラボ版だ。売店の店員によると、「今は玉淵潭で桜を見(jiàn)て、アイスを食べるのが流行り」。でも実は、流行っているのはどうやらアイスを食べること自體ではなく、桜をバックに桜アイスの寫(xiě)真を撮り、SNSにアップすること!園內(nèi)では桜アイスを手に寫(xiě)真を撮る人の姿が數(shù)多く見(jiàn)られた。中には、寫(xiě)真撮影に夢(mèng)中でアイスが溶けてしまい、桜の花の形のアイスごと地面に落としてしまう人も。「映え」狙いもほどほどに…
流行りの「桜をバックに桜アイス」寫(xiě)真をパチリ(撮影?勝又あや子)。
桜アイスのほかにも、公園內(nèi)の売店には桜グルメが満載。北京の伝統(tǒng)玩具である兎児?fàn)敜蚰¥筏骏靴氓暴`ジのゼリー飲料や、玉淵潭公園と飲料メーカーがコラボレーションしたミネラルウォーター、ピンクのポテトチップスなどなど、桜をイメージしたピンクのパッケージが棚いっぱいに並んでいた。
私たちは日本人らしく花見(jiàn)弁當(dāng)を持參。風(fēng)呂敷の上にお弁當(dāng)を広げていたら、近くにいた中國(guó)人から「とてもきれいだから寫(xiě)真を撮ってもいい?」と聲をかけられた。桜を見(jiàn)に行ったはずが、私たちのほうが好奇心の対象として見(jiàn)られるほうになってしまった。日本では花見(jiàn)というとお弁當(dāng)やお酒を持參してピクニックや宴會(huì)をするイメージが強(qiáng)いが、中國(guó)では散策や寫(xiě)真撮影を含めた行楽がメイン。同じ花見(jiàn)でもずいぶんと違うものだと実感した玉淵潭公園桜まつりだった。
桜を愛(ài)でながら花見(jiàn)弁當(dāng)を食べて、目もお腹も満足(撮影?勝又あや子)。
中日友好の象徴として桜が植えられてから半世紀(jì)近く。玉淵潭公園は北京の桜の名所としてすっかり定著した。北京の空の下で美しく咲く桜の花と、思い思いのスタイルで桜を楽しむ人々を見(jiàn)に、玉淵潭公園まで足を延ばしてみてはいかが?(文/勝又あや子)
ぶらり北京
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「人民網(wǎng)日本語(yǔ)版」2021年3月31日