隣で利念さんが歌を歌っているにもかかわらず、慶逍君は真剣な表情で勉強(qiáng)していた。

人通りが多く、利念さんの歌聲は小さくないが、慶逍君の勉強(qiáng)に対する集中力にはまるで影響を與えていないようだ。通りかかった人が、鉄のボックスにお金を入れてくれた時(shí)だけ、勉強(qiáng)の手を止めて、頭を下げて感謝していた。父親の「路上ライブ」に付き添っている間に、慶逍君は英語の宿題を終わらせ、「こういう生活にはもう慣れた。どこで勉強(qiáng)しても同じ」と話した。

投げ銭する男の子。

父親の「目」となり、歌を歌いに行く父親をサポート

慶逍君は物心がついた頃から、父親は目が見えないことを知っており、「お母さんから、お父さんを助けてあげてといつも言われている」と話す。

「マッサージや歌、作曲を勉強(qiáng)したことがある。広東省に行って働いた後、柳州に移って來た」と話す利念さんは、3歳の時(shí)に、ある病気が原因で両目の視力を失った。

慶逍君の一家が現(xiàn)在住んでいる40平方メートルの借家には、マッサージベッドが2つと勉強(qiáng)機(jī)が1つ並んでいる。そこは、利念さんの「マッサージ店」であり、一家の住居でもある。ただ、場(chǎng)所が悪く、部屋の內(nèi)裝も粗末であるため、マッサージに來る人は1ヶ月に數(shù)人だけで、それによる?yún)毪悉郅趣螭嗓胜?。そのため、妻がアルバイトで稼ぐ収入で何とか暮らしを立てているのが現(xiàn)狀だ。

慶逍君は6歳の時(shí)から、利念さんの「目」となり、街中に出かけ、利念さんが歌を歌って収入を得ることができるようサポートしてきた。慶逍君の母親は、「初めは、私も付いて行っていた。でも、何回か行くと慣れたので、2人で行ってもらうようになった」と振り返る。