生態(tài)補水が実施され、水面の波がキラキラと光る滹沱河(寫真提供?中國水利部)。
中國南方エリアの水が北方エリアに送られることで、広大な大地が潤い、活気にあふれた発展の情景と山や川からなる美しい自然の景色が一つになったスケールの大きな景観を結び付け、巨大な社會的、経済的、生態(tài)的効果を生んでいる。
今月12日で、南方地域の水を北方地域に送り水不足を解消するプロジェクトである「南水北調(diào)」の東?中央線一期プロジェクトの通水が全面的に始まってちょうど7年が経った。中國の水利部(省)の統(tǒng)計によると、ここ7年、同プロジェクトで調(diào)整された水は累計で約494億立方メートルに達している。うち、中央線一期プロジェクトは441億立方メートル。東線一期プロジェクトで山東省に送られた水は52億8800萬立方メートルだった。黃河の長年の平均流量を基に試算すると、南水北調(diào)プロジェクトにより、黃河の1年分に相當する水が調(diào)整されてきたことになる。
「水圧も問題なく、水の量も安定しており、飲み水に困ることはなくなった」と話す山東省夏津県蘇留荘鎮(zhèn)小石堂村に住む石書栄さんの家には水道が引かれ、蛇口からきれいな水を飲むことができるようになっている。
飲み水の変化について、「南から送られてきた水は、口當たりがよく、あまい」と話すのは河北省邯鄲市邱県古城営鎮(zhèn)北王樓村の村民?張海英さんで、「井戸水の代わりに水道水が飲めるようになった。水垢も少なく、水質(zhì)が良く、お粥がおいしくできる。河北省黒龍港流域の500萬人以上がフッ素の數(shù)値が高い水と別れを告げた」と感慨深く語る。
南方エリアの水がはるばる送られて來る北方エリアでは、水不足が効果的に解消されている。北京市市內(nèi)で現(xiàn)在供給されている水の7割以上が「南方エリア」から送られてきた水で、天津市の中心地で供給される水に至ってはほとんど全てが「南方エリア」から送られてきた水となっている。山東省では、「T」字型の水ネットワークが形成されている。このように、南水北調(diào)で調(diào)整された水は、北方エリアの大?中都市40都市の主な水源となっている。
南水北調(diào)の中央線は生態(tài)補水として使われ、以前は水が枯れていた河川も水が流れるようになり、従來の姿を取り戻している?!溉A北エリアの寶石」と呼ばれる湖?白洋淀は以前、水量が少なく、水質(zhì)が悪いという問題に悩まされていた。2018年以降、南水北調(diào)の中央線から白洋淀に生態(tài)補水が流されるようになったほか、黃河の水や現(xiàn)地のダムの水などが加わり、白洋淀の水域の面積は171平方キロから約275平方キロにまで回復した。
北京市と浙江省杭州市を結ぶ「京杭大運河」の航路も、同プロジェクトのおかげで通行條件が改善している。運河の南航段では現(xiàn)在、東平湖から長江までの全線が開通し、1000‐2000トン級の船舶がスムーズに通行できるようになっており、港の処理能力は1350萬トン向上した。
中國南水北調(diào)集団の関係責任者は、「南水北調(diào)プロジェクトは水が豊富な長江流域と、水不足の黃淮海流域を繋いで相互補完し、中國の水資源の総合利用効率が向上したほか、経済?社會の発展構造が最適化されつつある」と強調(diào)する。(編集KN)
「人民網(wǎng)日本語版」2021年12月13日