米連邦準備制度理事會(FRB)は今月1日からバランスシートの圧縮を開始しており、保有する米國債と不動産擔保証券(MBS)を毎月475億ドル(1ドルは約130.0円)のペースで減少させ、3ヶ月後には一月の減少の上限を950億ドルに引き上げるとしている。この「量的引き締め」の影響は金融市場に及び、一夜明けると米國株は下落して取引を終え、「3日連続上昇」は終わりを告げた。
FRBが金利を上げバランスシートを圧縮するのと対照的に、中國の金融政策は安定さの中で緩和に向かっている。関連政策が持続的に力を発揮していることから、金融機関の関係者は、「中國経済はかなりの確率で5月に底を打ち、6月に上昇する。第2四半期の利益下方修正をほぼ終えた後、中國の資本市場は転機を迎える可能性が高い」と口をそろえる。
中米の金融政策がさらに反対の方向に向かうにつれ、金利差の逆転現(xiàn)象が加速する可能性が出てきた。現(xiàn)在、10年物國債の利回りは中國が2.8%前後であるのに対し、米國は2.86%に達しており、5月には3.1%に達したこともあり、今後も引き続き上昇する可能性がある。
FRBのバランスシート圧縮を背景に、國際資金が持続的に新興市場から流出する可能性がある。今年2月以降、海外投資家は人民元建て債券の売卻を続け、4月末までに3千億元近くが売卻された。
特筆すべきなのは、外資がA株市場から流出するペースが5月下旬以降は目に見えて鈍化したことと、深セン?上海市場に投入される資金が今年は累計約300億元の純流出だったのが8600萬元の純流入へと転換したことだ。
レートについて、外部での一般的な見方は、短期的なレートの変動を過度に心配する必要はないというもので、外資系銀行が予測する今年末の人民元の対米ドルレートは1ドル6.6-6.9元の範囲に収まる。中國人民銀行(中央銀行)には期待を管理するツールがまだたくさんある。これには逆周期因子(カウンターシクリカルファクター)、オフショア人民元建て中央銀行手形の発行、外貨預金準備率の引き下げなどが含まれる。
このほか、5月14日に國際通貨基金(IMF)は特別引き出し権(SDR)の通貨バスケットの構成比で人民元の比率を10.92%から12.28%に引き上げた。専門家は、「これは人民元にとって大きなプラス材料であり、海外投資家が、とりわけ中長期的な投資家が、人民元建て資産を引き続き純買い入れすることが予想される」との見方を示した。(編集KS)
「人民網(wǎng)日本語版」2022年6月2日